報道関係者各位
    プレスリリース
    2026年7月6日 08:45
    株式会社IRODORI

    現役ケアマネジャーに調査を実施  71.0%が家族から「仕事と介護の両立」の相談を受けるも、 企業制度の把握は2.2%

    ~ 介護現場と企業の“分断”が鮮明に。 82.8%が産業ケアマネ等を活用した連携に期待 ~

    株式会社IRODORI(本社:東京都中央区銀座、代表取締役:遠山 直)が運営する介護ポータルサイト『介護のススメ』は、一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会(ケアマネジャーを紡ぐ会)と共同で、現役ケアマネジャー231名を対象に「利用者家族の仕事と介護の両立支援」に関する実態調査を実施しました。多くの家族介護者が、介護と仕事の両立に課題を抱える実態と共に、企業との連携の必要性が浮き彫りになりました。



    ■調査サマリー

    TOPICS(1)

    利用者家族からの「仕事と介護の両立」相談、ケアマネジャーの71.0%が「ある」


    TOPICS(2)

    相談内容の最多は「仕事を続けられるか不安」61.6%。37.2%が「退職すべきか迷っている」


    TOPICS(3)

    62.3%が介護を理由とした家族の働き方変更を経験。対応の中心は「サービスの時間帯調整」で、4人に1人は「対応が難しい」


    TOPICS(4)

    利用者家族の勤務先の介護支援制度、78.8%が「把握していない」。企業制度の把握は2.2%にとどまる


    TOPICS(5)

    83.1%が「企業とケアマネの連携の仕組みは介護離職防止に役立つ」と回答



    ■利用者家族からの「仕事と介護の両立」に関する相談、ケアマネジャーの71.0%が「ある」

    「利用者家族から仕事と介護の両立に関する相談を受けたことがあるか」を尋ねたところ、「よくある」(10.4%)と「ときどきある」(60.6%)を合わせて71.0%が相談を受けた経験があると回答しました。ケアマネジャーは利用者本人の支援だけでなく、働く家族の悩みにも日常的に向き合っている実態が明らかになりました。


    利用者の家族から「仕事と介護の両立」に関する相談を受けたことはありますか?

    利用者の家族から「仕事と介護の両立」に関する相談を受けたことはありますか?


    ■相談内容の最多は「仕事を続けられるか不安」61.6%。37.2%が「退職すべきか迷っている」

    相談を受けた経験のあるケアマネジャー164名に相談内容を聞いたところ(複数回答)、最も多かったのは「仕事を続けられるか不安」(61.6%)でした。次いで「介護費用と収入の両立への不安」(47.6%)、「勤務時間や働き方の調整について」(43.9%)が続き、「退職すべきか迷っている」も37.2%に上ります。


    「介護休業・介護休暇の取り方がわからない」(17.1%)、「職場に介護していることを言いづらい」(16.5%)も一定数あり、制度の周知不足や職場の雰囲気が家族の孤立を招いている構図がうかがえます。


    ▼回答の一例(自由記述より)

    「支援制度があることを知らない、知識があっても勤務先へ申し出できない家族がほとんどです。今すぐ取り組むべき社会課題だと思います」

    「育児休業ほど社会に認知されていない。誰もが困ったことを職場で声をあげるのが当たり前のことになってほしい」


    どのような相談が多いですか?

    どのような相談が多いですか?


    ■62.3%のケアマネジャーが、介護を理由とした利用者家族の働き方変更を経験

    「担当した利用者のうち、主な介護者(家族)が働き方を変えた(転職、雇用形態の変更、退職などを含む)ケースがあったか」との問いに、62.3%が「はい」と回答しました。介護による働き方の変化は、ケアマネジャーにとって日常的に目にする問題であることがわかります。


    ▼回答の一例(自由記述より)

    「自己判断で退職をしてしまった人がおり、社内での認識不足が大きいと感じた。相談窓口の対応をよくするが、時すでに遅しということも多い」

    「制度があっても、情報不足や遠慮により家族が抱え込み、結果として離職や不調につながるケースが多い」


    主な介護者(家族)が働き方を変えたケースはありましたか?

    主な介護者(家族)が働き方を変えたケースはありましたか?


    ■対応の中心は「介護サービスの時間帯調整」75.3%。4人に1人は「対応が難しい」

    家族の就労に関する相談への対応方法(複数回答)では、「サービスの時間帯調整(デイサービスの時間など)で対応」が75.3%と突出しました。次いで「自分で調べて情報提供する」(39.8%)、「企業の人事・総務への相談を勧める」(30.3%)が続く一方、「正直、対応が難しいと感じている」も23.8%に達しています。


    「産業ケアマネへの相談を勧める」はわずか6.9%にとどまり、企業側の支援につなぐルートが現場レベルでは十分に確立されていない実態がうかがえます。


    ▼回答の一例(自由記述より)

    「相談先に困っている状況が多く見られる。ただ担当ケアマネに投げられても、そこまで手が回らないほどの件数を抱えている。だからこそ、専門の相談先が必要だと感じます」


    家族の就労に関する相談への対応方法

    家族の就労に関する相談への対応方法


    ■利用者家族の勤務先の介護支援制度、78.8%が「把握していない」

    企業の介護支援制度の把握状況について尋ねたところ、「ほとんど把握していない」が70.1%と圧倒的多数を占めました。「把握する必要を感じていない」(8.7%)と合わせると78.8%が未把握という結果です。「把握している」と回答したケアマネジャーはわずか2.2%にすぎません。


    ケアマネジャーが介護現場の専門家として日々の支援にあたる一方、企業側の制度情報にはほとんどアクセスできていない現状が浮き彫りとなりました。


    利用者家族の勤務先の介護支援制度を把握できていますか?

    利用者家族の勤務先の介護支援制度を把握できていますか?


    ■企業側の支援で最も知られているのは「介護休業制度」90.9%、「EAP」はわずか5.2%

    企業側の介護支援の取り組みについて認知度を尋ねたところ(複数回答)、「介護休業制度(育児・介護休業法に基づくもの)」が90.9%と広く知られていました。一方、「企業独自の介護支援制度」は59.7%、「産業ケアマネ」は55.4%、「企業内の介護相談窓口」は35.9%にとどまります。「EAP(従業員支援プログラム)」はわずか5.2%でした。


    法定制度の認知は高いものの、企業独自の取り組みや比較的新しい支援の仕組みへの認知には課題が残ります。


    企業側の介護支援の取り組みでご存知のものは?

    企業側の介護支援の取り組みでご存知のものは?


    ■83.1%が「企業とケアマネの連携の仕組みは介護離職防止に役立つ」と回答

    「企業の人事・総務担当者とケアマネジャーが連携する仕組み(産業ケアマネなど)があれば、利用者家族の介護離職の防止に役立つと思うか」との問いには、「とても思う」(43.7%)と「やや思う」(39.4%)を合わせて83.1%が肯定的な回答を示しました。


    企業の制度を把握できていないケアマネジャーが多い中でも、「連携の仕組みがあれば状況を変えられる」という期待感は非常に高く、介護現場と企業をつなぐ新たな支援体制への強い潜在ニーズがあることがわかります。


    ▼回答の一例(自由記述より)

    「介護に直面する前の備え、介護への向き合い方、相談先、元気なうちに話し合っておくことが大切。今後、誰もが仕事と何かしらのケアを両立していく社会において、企業・地域・行政が連携して両立支援をしていく必要がある」

    「働きたい家族介護者を雇用する側が理解ある協力者としてサポートする時、産業ケアマネが生きてくると思う。介護者が自ら声を上げて1人で頑張れる人は少ない。企業の応援団が必要です」

    「産業ケアマネの認知度があがり、企業と連携していける日が当たり前になることを期待します」


    企業とケアマネが連携する仕組みは介護離職の防止に役立つと思いますか?

    企業とケアマネが連携する仕組みは介護離職の防止に役立つと思いますか?


    ■まとめ

    今回の調査から、多くの家族介護者が介護と仕事の両立に課題を抱え、介護現場と企業の間には情報連携の大きなギャップがある実態が改めて確認されました。ケアマネジャーが日常的に家族の両立の悩みに向き合いながらも、企業側の制度にアクセスできる仕組みは十分に整っていないことが、調査を通じて確認されています。


    現状の介護者家族の働き方への対応手段はサービスの時間帯調整が中心で、4人に1人は「対応が難しい」と感じています。一方、8割超のケアマネジャーが企業との連携の仕組みに期待を寄せており、「産業ケアマネ」をはじめとする介護と企業をつなぐ新たな支援体制の構築が急務であることが示唆されました。


    介護離職は年間約10万人ともいわれ、企業の人材確保と働く人の生活の両面に深刻な影響を及ぼしています。本調査が、企業・行政・介護現場それぞれの立場から仕事と介護の両立支援を前進させるきっかけとなれば幸いです。



    【調査概要】

    調査名  :ケアマネジャーを対象とした

          「利用者家族の仕事と介護の両立支援」に関する実態調査(第1回)

    調査企画 :株式会社IRODORI

    調査協力 :一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会

          (ケアマネジャーを紡ぐ会)

    調査期間 :2026年5月~6月

    調査方法 :オンラインアンケート

    有効回答数:231名

    回答者属性:現役ケアマネジャー

          (経験10年以上 64.1%、3~10年 29.9%、3年未満 6.1%)


    ※本調査についての解説記事は、介護情報ポータルサイト「介護のススメ」にて公開しています。

    https://kaigonosusume.jp/news/work-care-balance-survey/



    【株式会社IRODORIについて】

    株式会社IRODORIは、介護ポータルサイト『介護のススメ( https://kaigonosusume.jp/ )』の企画・運営を通じて、介護の「空き状況」や「受け入れ条件」を見える化し、ケアマネジャーと介護事業者のスムーズなマッチングを実現するサービスを提供しています。令和6年度「TOKYO地域資源等を活用したイノベーション創出事業」(公益財団法人 東京都中小企業振興公社)に採択されました。


    所在地 : 東京都中央区銀座7-13-6 サガミビル2F

    代表者 : 代表取締役 遠山 直

    事業内容: SES事業、Lab型事業、キッティング事業、

          介護ポータルサイト(『介護のススメ』)の企画・運営

    設立  : 2019年3月

    資本金 : 10,000,000円

    URL   : https://irodori8.co.jp/



    【ケアマネジャーを紡ぐ会について】

    ケアマネジャーを紡ぐ会(一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会)は、日本で初めて「産業ケアマネ」資格を創設し(※同会公式サイトより)、介護離職防止に取り組む団体です。全国5,200名超のケアマネジャーが会員として参加し、年間30本以上のセミナー開催や行政への政策提言を通じて、ケアマネジャーの成長支援と介護業界への新たな価値創造を推進しています。


    所在地 : 東京都江戸川区西小岩4-2-11-101

    代表理事: 進 絵美

    設立日 : 2015年9月16日

    会員数 : 5,212名(2026年6月時点)

    URL   : https://www.tsumugukai.net/