プレスリリース
【α世代の約6割がAIを日常的に利用】
“思考力低下への不安”を抱えながら、友達感覚で対話を続ける新しいAIとの関わり方
株式会社東急エージェンシー(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:高坂 俊之)は、次世代の消費を担うα世代関連のマーケティング活動を支援するα世代デザインファーム「αFind(アルファインド)」が、Z世代に続く新世代として注目される「α世代(1-15歳)」に対して、AIの利用実態を明らかにするため、小学校高学年(主に10-12歳)を対象に「AI利用に関する意識調査」を実施したことをお知らせいたします。
調査では、「α世代」において、AIの利用率はすでに6割近く(60.5%)に達しており、InstagramやX(旧Twitter)などの主要SNSと同等の時間をAIに費やしている実態が明らかになりました。
■調査概要
調査タイトル:「α世代のAI利用実態について」
調査方法 :インターネット調査、一部オンラインインタビュー調査
調査対象者 :10-12歳男女(α世代)、16-29歳男女(Z世代)
サンプル数 :4,237サンプル
調査機関 :2026年3月20日~2026年3月22日
■調査結果のポイント
α世代のAI利用率は約6割(60.5%)。利用時間で見ると、SNSとほぼ同水準。
α世代にとってAIは「気を使わずに話せる友達(42.9%)」。
α世代の恋愛に関する悩み相談において最も信頼できる相手は「AI」と「友達」が同率1位(21.6%)。
納得いかない回答には「何度も指示を変えてやり直させる」がα世代で72.9%。Z世代の62.2%を大きく上回る。
α世代は「AIに頼りすぎて思考力がなくなること」へ強い不安を抱える(43.2%)。これはZ世代(22.6%)の約2倍のスコアであり、便利さを享受しつつも、自立を守るための狭間で揺れる実態が浮き彫りになった。
■調査結果の詳細
【1】AIが日常インフラへ。各SNSの利用時間を上回り、主要な接触メディアに。
各メディアの利用有無、利用時間については、AIの利用率が、α世代計で60.5%となり、すでにα世代の中で主要なツールになりつつあります。さらに利用時間では、1日の平均AI利用時間が「31分」となり、「Instagram(28分)」「X(24分)」を上回る結果となりました。年齢制限等のハードルがある主要SNSの代わりに、気軽にアクセスできるAIが、日常の主要な接触メディアとして台頭していることが分かります。

AIを利用していますか?

各メディアの1日当たりの接触時間分
【2】AIは「気を使わずに話せる友達」。情緒的な繋がりを求めている。
AIがどのような存在か、についての設問では、α世代の42.9%が「気を使わずに話せる友達」と回答し、「便利な道具(21.6%)」を大きく上回りました。さらに、「恋愛についての相談相手はだれか」という設問では、10-12歳の21.6%が「AI(ChatGPTなど)」と回答。これは「友達(21.6%)」と同じ割合となり、「親(10.8%)」の倍という結果になりました。友達には少し話しづらい繊細な恋の悩みも、心理的ハードルの低いAIになら気軽に打ち明けられるという、新しい対人・対AI関係がはじまっているといえるでしょう。

α世代にとってはAIはどのような存在か

恋愛に悩んだ時に誰に相談するか
【3】AIは「会話をしながら答えを見つけるパートナー」。α世代が求めることは、時間・労力を削減することではなく、回答を得るプロセスにあたるAIとの対話そのものである。
AIから納得のいかない回答が返ってきた際、α世代の72.9%が「指示(プロンプト)を変えて何度でもやり直させる」と回答しました(Z世代全体の62.2%を大きく上回る)。また、「一緒に考えたりおしゃべりしたりする『友達やパートナー』に近い」と捉える割合も56.7%にのぼります。命令をそのまま実行させる「部下・道具」としてではなく、お互いに対話を重ねて答えをブラッシュアップしていく姿勢が顕著です。

納得のいかない回答への対応

AIは道具それとも友達?
【4】α世代は「思考力低下」に強い不安。頼りたい気持ちと不安な気持ちで揺れ動く葛藤が見られる。
「AIを使うことによる懸念」として、「AIにたよりすぎて、自分で考える力がなくなること」に対し、α世代の43.2%が「とても不安である」と回答しました。Z世代の22.6%と比較しても突出して高い数字です。「パートナー」として頼りつつも、「このままでは自分の頭で考えられなくなるのではないか」という深い葛藤を抱えながら、日々AIと向き合っているリアルな心理が浮き彫りとなりました。これは、日々親やニュースなどのメディアから、AI利用に対する制限や思考力の重要性を問われていることが原因の一つだと考えています。AIを頼りにするときも常に身近な人の助言を忘れないα世代の素直な一面も示しています。

AIを使うことによる懸念

将来AIを使うことによる不安な理由
【解説】「α世代の精神的パートナーになりつつあるAI」
今回の調査結果は、α世代がAIを単に便利なテクノロジーとしてではなく、精神的なパートナーとして極めて高度な関係性を築いている実態を浮き彫りにしました。
最も象徴的なのは、年齢制限のある主要SNSの代わりに、AIが日常の第一接触メディアとなりその存在が「親以上、友達と同等」の相談相手になっている点です。これは、これまでのインターネットが「他者と繋がるための道具」であったのに対し、AIそのものが対話の相手となる「オルタナティブフレンズ」として機能し始めたパラダイムシフトを意味します。
また、大人やビジネスマンにとってAIは、時間・労力を削減するために活用する側面が強い一方で、α世代の7割以上が「納得いくまでプロンプトを変えてやり直させる」「道具というより友達やパートナー」と回答しています。これは、一方的な受動の消費ではなく、双方向の対話によって答えをブラッシュアップしていくプロセスそのものを、彼らは友達とのコミュニケーションと同等に楽しんでいるといえるでしょう。
しかし、彼らは決してAIに盲目的に依存しているわけではありません。大人が想像する以上に「自分で考える力がなくなるのではないか」という強い葛藤と危機感を抱えています。
今回のα世代のAI利用に関する調査は、「人類史上で最も早く、AIとの倫理的な距離感に直面している世代」のリアルな心理を象徴したものとなりました。
解説:αFindメンバー 山田晶子
株式会社 東急エージェンシー ソリューション推進本部 ストラテジーデザイン局

山田晶子
ストラテジックプランナーとして、大手飲食チェーン、化粧品会社など多数企業のマーケティング戦略を立案。αFind創立メンバーとして、企業活動やコミュニケーションの観点からα世代の研究に従事している。

※ 「α世代デザインファーム αFind」(登録商標第7044629号)は株式会社東急エージェンシーの登録商標です。