プレスリリース
「世界が憧れる田園地域」とは 4チームのビジョンと取り組み 滑川で成果報告会開催
富山県の「持続可能な魅力ある田園地域創出事業」の成果報告会が、2026年3月22日(日)に旧宮崎酒造(滑川市)で開催されたました。
地域資源を生かし、持続可能で魅力的な田園地域を創出することを目的とした事業で、本年度はビジョン作成支援コースに2チーム、実証実験支援コースに2チームを選出しました。地域ならではのストーリーを創出し、地域の求心力と時代に合った生業(なりわい)をつくることを目指し、自らが暮らす地域を「世界が憧れる田園地域」にするための取り組みについて、プレゼンテーションが行われました。各チームのプレゼン後は、統括プロデューサーの山口綱士氏、株式会社さとゆめの嶋田俊平氏が講評を述べました。
各団体の取り組みは特設サイト( https://www.denen-toyama.jp/ )でも紹介しています。

「世界が憧れる田園地域」とは 4チームのビジョンと取り組み 滑川で成果報告会開催
■射水市大門・水戸田地区「ものづくりの里」推進チーム (ビジョン作成支援コース)
エリア:射水市大門・水戸田地域

射水市大門・水戸田地域
「人の心を耕す里山地域」~陶芸、農業、バラなど土の恵みを活かした非日常体験を提供~
射水市南側に広がる水戸田地域は人口約1,100人。古い歴史と文化があり、陶芸の里、食香バラ、小杉丸山遺跡など多くの資源に恵まれています。まずはこうした資源を生かしながら人を呼ぶ地域になることを目指し、地域住民を招いた5回のワークショップを実施いたしました。
ビジョンの素案をまとめる中、目標を明確にするには主語を絞る必要があると考えました。議論の結果、同市の体験型陶芸文化施設「匠の里」を水戸田地区の中心かつ主語に設定し、「人の心を耕す里山地域」というビジョンにたどり着きました。“耕す”の言葉には、陶芸や農業、バラなど土の恵みにあふれた水戸田の魅力が込められています。
今後は匠の里を「水戸田地区の土間」と位置づけ、「暮らしの原点に出会える場所」として「日本古来の穴窯体験」や「いみず食香バラの摘み取り体験」などのイベントを開催する予定です。土の香りや手仕事の温もりなど、忘れかけていた感性を取り戻し、その体験を日常に持って帰ることのできるようなワークショップを事業化していきたいと考えています。
<講評>
・「土間」という言葉に惹かれた。土間は内でも外でもない場所、緩やかなつながり、重なりの場所であり、足を踏み入れたくなる場所でもある。そこに着想した点が素晴らしいと思った。(山口)
・主語を漠然とした地域でなく、匠の里に絞ったことでコントロールしやすくなった。次は何をしていきたいのかをビジュアル化していけば、構想がより明確になると思う。(嶋田)
■ふなくら活性化協議会若手チーム・ふなくら企画 (ビジョン作成支援コース)
エリア:富山市船峅地域(旧:大沢野町)

富山市船峅地域(旧:大沢野町)
「村まるごとキャンパス」~人こそ地域の財産。人をつなぎ、文化をつなぎ、地域の活性化へ~
地域の未来を住民で話し合うことを目的にした「ふなくら活性化協議会若手チーム」、新しい生業の創出を緊急課題とした「ふなくら企画」。2チームの申請が同時に採択され、1年間合同で活動してきました。9月から翌年3月にかけて、地域住民を招いた勉強会を6回開催。毎回約30人、のべ279人が参加しました。勉強会にはキッズルームを設置し、カレーを提供するなど、子育て世代が参加しやすいよう心を砕きました。船峅でどう暮らし、どんな子育てをしたいかなどをみんなで語り合うことで、地域全体で話し合う文化や主体的に考える姿勢が芽生え、「人こそ地域の資源である」という視点を再確認することができたといいます。ビジョンは「村まるごとキャンパス」に決定しました。
今後は、(1)農業に携わる人を増やし、農産物のギフトセットを作る、(2)これからの教育を住民全体で語り合う場をつくる、(3)空き家を改修し、地域の拠点として宿泊自然体験を実施していく―といったプロジェクトを展開していく計画です。
<講評>
・2チームの間には意見の相違や衝突もあったと思うが、それを乗り越え、中高生や子育て世代を巻き込んでビジョンを作り上げ、体制を作ってきたことを評価したい。(山口)
・私は「3・30・300」を合言葉にしている。3人で企画をスタートし、座談会に集まった30人をコアメンバーにして事業化し、そこにファンを300人作れば、あとは自然に人が集まってくる。やり続けてほしい。(嶋田)
■桐谷六合企画 (実証実験支援コース)
エリア:富山市八尾町桐谷地域

富山市八尾町桐谷地域
「世界が憧れる風土を知性で生きる美しい谷」~オーガニックビレッジツアーを継続、10年後の住民100人を目指す~
八尾町の風の盆エリアから約10キロ山あいに位置する、人口20人、10世帯の小さな集落・桐谷地区。前年にビジョンを策定した際に農業体験をして宿泊する農泊のイメージが膨らんだことから、今年度の実証実験では住民とともに収穫体験をし、野菜の話を聞き、料理を作り、散策も楽しむ「1泊2日のオーガニックビレッジツアー」を企画し、インスタグラムで情報を発信しました。準備段階では宿泊施設の近くに畑を借りて10品目の野菜を栽培し、偶然にも縁ができたオーガニックビレッジに関心のある東京のシェフが料理教室の講師を快諾しました。11月2日には、日帰り6名、宿泊1名の参加者で開催にこぎ着けました。秋の交流会では、参加者と住民が採れたての野菜や川で獲った鮎などを囲みながら交流し、「地域づくりは人との交流から生まれ育っていく」ことを実感しました。
今後、持続可能な事業にするには価格設定や情報発信方法を見直し、協力者を確保するなどの改善改良が必要だと感じています。さらに、空き家の活用や交流スペースの設置などを進め、関係人口を増やせるよう継続して取り組んでいく考えです。
<講評>
・目標が明確。少しずつ成果が出ている。課題は桐谷に関わりたい、サポートしたい人を増やしていくこと。一緒に動いてくれる仲間を増やしていけるといいと思う。(山口)
・「美しい谷」という言葉が持つ力が強いと思う。今後ブラッシュアップが必要だが、1回1回チャレンジしながら、徐々に磨き上げていってほしいと思った。(嶋田)
■砺波庄川まちづくり協議会 (実証実験支援コース)
エリア:砺波市庄川地域

砺波市庄川地域
「庄川ブランドを浸透させ、伴走支援から自立した活動へ」~思いをぶつけあい、周りを巻き込みながら、いいまちを創っていく~
水、木工、温泉、散居村などの資源に恵まれている庄川地域も、人口減少の課題に直面しています。今年度は、前年に策定したビジョン「庄川と散居が織りなす花と緑のまち・砺波にある、春夏秋冬の自然・人の彩りに恵まれ、幸せを循環し続ける“水の郷”」のもとに活動してきました。昨年4月に地域共生サロンを開設し、月1回のミーティングを実施しています。砺波高校の生徒を講師にしたおしゃべり勉強会、庄川こども商店、木育やゆず味噌作りのワークショップ、庄川小学校児童との桜植樹、水記念公園での生き物観察会、水と木のクラフト展、地元野菜のとうもろこしスープの開発など、その活動は多岐にわたります。また、ブランディングの一環でロゴを作成し、Tシャツやグッズに展開していきます。今後は、まちづくりへの挑戦を応援する「庄川スターズプログラム」、水辺に開かれた場づくり「庄川リバーサイドプログラム」を実践し、県の伴走支援から、自立した活動へと進化させていく計画です。
<講評>
・積極的なコミュニティづくりが感じ取れた。あとは今後の生業づくり。生業ができればより活動が大きくなるし、多くの人を巻き込んでいける。ネクストチャレンジを期待したい。(山口)
・まちづくりは手を打ち続けることが大事。それを体現しているチームだと思った。今後はポイント制、メンバー制などを使って収益性のあるコアビジネスを確立していってほしい。(嶋田)
■意見交換&リアル質問タイム

意見交換&リアル質問タイム
【桐谷地域】 船峅地域の「村まるごとキャンパス」という、地域を丸ごとキャンパスに見立てる考え方はすごく面白い発想だと思いました。
【船峅地域】 ありがとうございます。これは嶋田さんの「村まるごとホテル」」っていう言葉をリスペクトして策定しました。ビジョンというのは「地域の良さを全部詰め込むものでなくてもいい」と思ったからです。削ぎ落していって、一言で伝えることが大事。私からは、実証実験をしたチームの方に、今後、情報発信していく上で何かアドバイスをいただけたらと思います。
【桐谷地域】 今、いろんなSNSがあるので、とにかく毎日何かしらの情報をアップする。船峅がどんな地域で、どういう場所なのかを、毎日写真1枚でいいからアップしていくとよいのでは。そういう作業は大事だと思います。私たちの場合、協力者は多いけど、実働部隊は2人なので、できることから始めようということで、まずはインスタグラムを始めました。
【水戸田地域】 私たちは今回ビジョン作成コースだったのですが、次、実証実験になったら何から始めたらいいのか、ぜひアドバイスがほしいです。
【庄川地域】 自分たちの地域だけが盛り上がればいいのではなく、もっと大きな視野で捉えながら、それぞれが情報共有しながら、全体で盛り上がっていけたらいいということは、今日、皆さんのプレゼンを聞いていて思いました。
【山口】 実証実験をやって、すぐに成功しなくても、成果が出なくてもいいと思います。何かの問題が見つかったとか、弱みが見つかったということも、この事業の役割だと思いますから。問題を克服し、何回もトライアルしていくことで光るものが見え、もっと磨かなきゃいけないところも見えてくる。皆さんは確実に前進していますし、世界が憧れる田園地域に確実に近づいています。これからも頑張ってください。
【嶋田】 素晴らしいコンセプト、ビジョンができているので、次はその活動がすぐに分かるよう、1つの体験プログラムに詰め込むとか、看板になるような商品・サービスを作ることをやってほしいですね。そして、実証実験は本番さながらに本気でやってほしい。その結果、お客さんがたくさん来てくれた時の嬉しさは計り知れないものがあるので、ぜひ本気で頑張ってほしい。魅力的な内容でしたら、有料であっても喜んで参加させていただきます。楽しみにしています!

今年度の「持続可能な魅力ある田園地域創出事業」にチャレンジした(右から)水戸田、船峅、桐谷、庄川各地域のメンバーたち

統括プロデューサーを務めた (株)HAKUHODO DESIGN 代表取締役共同CEO 山口綱士氏

地域コンサルタントの (株)さとゆめ 代表取締役CEO 嶋田俊平氏
<お問い合わせ先>
富山県 知事政策局企画室成長戦略課
TEL : 076-444-8916