報道関係者各位
    プレスリリース
    2026年3月27日 09:00
    株式会社アイ・ティー・オー

    肌へ“選んで届く”時代へ  温度応答性ナノマシン搭載ナノマシンコスメ(R)発売

    医療機関専売のメディカルコスメ・ドクターコスメの専門メーカーの株式会社アイ・ティー・オー(以下、ITOと記載)は、以下の日本形成外科学会総会及び日本皮膚科学会総会において学会共催で以下のセミナーを開催し、ナノマシン配合の医療機関専売化粧品(ナノマシンコスメ(R))を発表いたします。


    ナノマシンコスメ(R)

    ナノマシンコスメ(R)


    ■第69回形成外科学会総会・学術集会 ランチョンセミナー25

    (日本形成外科学会・ITO共催)


    【講演テーマ】

    ビタミンC最前線、温度応答性スマートナノカプセル(ナノマシン)の化粧品への応用


    【日時・会場】

    2026年4月24日(金)

    JRホテルクレメント徳島 4F クレメントホール西【第6会場】


    【座長】

    慶應義塾大学 医学部 形成外科学教室 教授

    貴志 和生 先生


    〇演題1

    所属 : 広島大学 大学院医系科学研究科 教授

    氏名 : 長瀬 健一 先生

    演題名: 温度応答性高分子を用いた細胞操作と組織構築、ドラッグデリバリー技術の創出


    〇演題2

    所属 : 医療法人信和会 明和病院(兵庫県西宮) 皮膚科部長・にきびセンター長

    氏名 : 黒川 一郎 先生

    演題名: ナノマシン製剤の尋常性ざ瘡に対する効果の検討


    〇演題3

    所属 : クリニックモリ(東京、赤坂) 院長

    氏名 : 森 文子 先生

    演題名: ナノマシン製剤によるエイジングへのアプローチ


    〇演題4

    所属 : ITO 開発・製造部 研究員

    氏名 : 佐藤 木香

    演題名: ビタミンC内包ナノマシン技術による次世代化粧品の提案



    ■第125回日本皮膚科学会総会 モーニングセミナー6

    (日本皮膚科学会・ITO共催)


    【講演テーマ】

    ビタミンC最前線、温度応答性スマートナノカプセル(ナノマシン)の化粧品への応用


    【日時・会場】

    2026年6月13日(土)

    国立京都国際会館 2F RoomB-2 【第8会場】


    【座長】

    近畿大学 名誉教授 / 寺田萬寿病院 皮膚科

    川田 暁 先生


    〇演題1

    所属 : 広島大学 大学院医系科学研究科 教授

    氏名 : 長瀬 健一 先生

    演題名: 温度応答性高分子が拓く細胞分離・組織構築・薬物送達の新機軸


    〇演題2

    所属 : 医療法人信和会 明和病院(兵庫県西宮) 皮膚科部長・にきびセンター長

    氏名 : 黒川 一郎 先生

    演題名: ナノマシン製剤の尋常性ざ瘡に対する効果の検討


    〇演題3

    所属 : ITO 開発・製造部 研究員

    氏名 : 山本 鴻貴

    演題名: ビタミンC内包ナノマシン技術による次世代化粧品の提案



    広島大学の長瀬健一教授は、東京女子医科大学先端生命医科学研究所の岡野光夫先生が開発し、現在再生医療で日本各地で臨床試験が急ピッチで進められているiPS細胞を使用した細胞シートの開発者の第一人者の1人です。この細胞シートの製造には温度応答性ポリマーという人の体温近くの温度によってその物性が変化する特殊なポリマーが使われています。また、同教授らはこのポリマーを応用したDDSカプセルや細胞分離装置、分析装置などを次々に開発しております。


    ITOは、当初よりこのDDSカプセルの研究に注目し、当時長瀬先生が所属していた慶應大学薬学部創薬物理化学講座において約10年前から化粧品原料用のDDSカプセルについての研究を行なってきました。ITOは、この度世界初の温度応答性ポリマーDDSカプセルを配合した化粧品(ナノマシンコスメ(R))の開発に成功し、その成果を2026年の第69回日本形成外科学会総会・学術集会、第125回日本皮膚科学会総会(学会共催企業セミナー)にて発表を行います。


    長瀬教授には、この発表で基礎研究の講演を行なっていただく予定ですが、その内容の一部を長瀬先生が行われた基礎研究をもとに以下紹介いたします。


    生体内では、遺伝子の情報をもとにタンパク質が作られ、その働きによって生命活動が維持されています。しかし、癌などの疾患では、特定の遺伝子が過剰に働くことで病気が進行する場合があります。そこで近年注目されているのが、siRNA(small interfering RNA,“遺伝子のスイッチを切る分子”)と呼ばれる分子です。siRNAは、遺伝子情報を伝える役割をもつmRNAを分解し、特定の遺伝子の働きを抑えることができます。この性質を利用すれば、病気の原因となる遺伝子だけを選んで抑制する治療が可能になると考えられています。


    しかし、siRNAを医療に応用するには多くの課題があります。siRNAは体内で分解されやすく、また細胞膜を自力で通過することができません。そのため、siRNAを保護しながら細胞の中まで運ぶための運搬システムが必要です。これまでには正の電荷をもつリポソームなどが用いられてきましたが、血液中の成分と結合しやすく、副作用の原因となる問題がありました。


    そこで本研究では、温度で性質が変化するポリマー(温度応答性ポリマー)を表面に付加したリポソームを用い、体内では安定し、必要な場所でのみsiRNAを細胞に届ける方法が検討されました。


    図1には、温度応答性ポリマーが低温では広がり、高温では縮むことで、リポソーム表面の性質が変化する仕組みが模式的に示されています。


    研究ではまず、リポソームを作製し、その表面に温度応答性ポリマーを結合させました。リポソーム内部にはsiRNAを封入しました。使用されたポリマーは2種類であり、どちらも体温付近の37℃では水になじみやすく広がり(親水性)、42℃程度に加温すると縮んで水をはじく性質(疎水性)を示します。ただし、一方のポリマーは温度変化に対して急激に性質が変化し、もう一方は緩やかに変化するという違いをもちます。


    (図1)

    (図1)


    (図1)予めプログラムされた通常温度ではポリマーは水溶性のままリポソームを液相に分散させていますが(左)、温度刺激によりポリマーは疎水性に変化することによりリポソームの細胞親和性が増加します。


    図2では、温度応答性ポリマーが結合したリポソームの温度変化に対する挙動が示されており、温度により相転移(親水性→疎水性)を起こしたポリマーは、細胞に取り込まれやすくなる様子が示されています。

    これらのポリマー修飾リポソームについて、粒子サイズや分散状態を測定し、血液中を想定した条件で安定性を評価しました。また、培養細胞を用いて、37℃および42℃での細胞内取り込み量と遺伝子抑制効果を調べました。


    (図2)

    (図2)


    (図2)温度応答性ポリマー(左)と従来型(右)のリポソームの温度変化による有効成分(siRNA:赤色蛍光)の細胞への取り込みを観察した顕微鏡画像。温度応答性ポリマーには予め40℃付近で疎水性に変化するよう設定されています。温度応答性ポリマーリポソーム(左の上下)は37℃(左上)では取り込み率が低いですが、42℃(左下)では細胞内蛍光が顕著に増加し有効成分の取り込み率が上昇しました。


    血清成分を含む条件での評価の結果、ポリマー修飾リポソームは凝集しにくく、安定して存在できることが確認され、細胞への取り込み実験では、温度による明確な違いが観察されました。37℃では、温度応答性ポリマーがリポソーム表面を厚く覆っているため、細胞膜との接触が抑えられ、siRNAの取り込み量は少ないことが確認されました。一方、42℃ではポリマーが縮むことで表面の覆いが薄くなり、リポソームが細胞膜と接触しやすくなりました。


    このため細胞内への取り込み量が大きく増加したと考えられます。さらに、遺伝子発現解析の結果、42℃条件ではがんに関係する遺伝子の発現が強く抑制され、siRNAが効果的に機能していることが確認されました。温度条件による遺伝子発現量の変化を調べた結果、温度応答性ポリマーが反応する高温条件で顕著な遺伝子抑制が起こることが示され、さらに、細胞毒性は低く、安全性が高いことも確認されました。本研究の結果から、温度を利用してsiRNAの細胞内導入を制御できることが明らかになりました。体温ではリポソームが安定に存在し、温度を上げた特定の部位でのみ細胞に取り込まれる仕組みは、副作用を抑えるうえで大きな利点をもちます。


    以上より、本研究は、薬の作用する場所とタイミングを温度によって制御する新しい遺伝子治療戦略を示したものであり、将来のがん治療や遺伝子医療の発展に貢献する重要な成果であるといえます。


    参考文献:

    Nagase , Hasegawa, Ayano, Maitani, Kanazawa, Effect of Polymer Phase Transition Behavior on Temperature-Responsive Polymer-Modified Lipo somes for siRNA Transfec tion, Int J Mol Sci. 2019 Jan 19;20 (2): 4 30. doi: 10.3390/ijms 2002 04 30.



    ITOが考える第二世代DDS・ナノマシン(R)(温度応答性ポリマーDDS)配合化粧品“ナノマシンコスメ”

    (特許7497850)


    ITOは、上記の長瀬先生の基礎研究を発展させてこれを化粧品に応用しました。ITOは従来よりGO-VC、APPS、TPNなどの両親媒性のビタミン誘導体をナノカプセルの外層皮膜中に導入した抗酸化DDS製剤(ナノスフィア(R))を10年以上前から化粧品に応用してきました。抗酸化DDSのメリットは、抗酸化ビタミンの持つ強力な抗酸化活性を皮膜中で発揮させることにより酸化されやすい主成分を活性酸素などの酸化から強力に保護し、皮膚内へ安定的に持続供給できるという点です。さらに、皮膜を形成する抗酸化ビタミンそのものが生体内でビタミンとしての活性を発揮する点も従来の界面活性剤とは異なります。これらのDDS製剤は、一部の専門家の医師により活性酸素病と言われるニキビに対して効果があることが複数の臨床報告を通じて学会報告されました。今回のナノマシンは、従来のナノスフィア(R)の進化の延長線上にあり、ナノスフィア(R)の効果をさらに高めることが期待できます。その原理を以下の図で説明いたします。


    (図3)ナノマシン製剤の種類と主要な配合成分

    (図3)ナノマシン製剤の種類と主要な配合成分


    図3は、ナノマシン製剤の種類と主要な配合成分を示しています。専門家により様々な定義がなされているナノマシンですが、ITOはナノマシンを次のように定義しています。「平均粒子径が50~500nmの界面活性作用のある膜から構成された乳化粒子又はミセルであり、単相又は二重以上の膜で覆われた球体が溶媒中で分散している形態をとり、さらに、その膜上には、環境応答性ポリマーなどのセンサー機能を持つ成分や細胞上のレセプターと容易に結合できるビタミンやペプチドを含み、ターゲットとなる細胞に対して高頻度で内包成分を送達できる輸送体」。つまり一言で表現するならば、「高機能性乳化粒子」と言えます。現代の表現では「スマートナノカプセル」とか「インテリジェントリポソーム」というようなものです。


    それでは、これらのナノマシンは、具体的にどのように有効成分を目的とした細胞に届けるのでしょう。図4にそのメカニズムのイメージを説明します。現在図4に描かれたメカニズムが実証されたわけではないですが、ナノマシンは、前述の長瀬先生の癌細胞を使用した実験結果や、当社における皮膚細胞を使用した実験により、従来の乳化粒子に比較し、目的の細胞に対して内包成分の濃度を高めることができると考えています。


    (図4)ナノマシンが皮膚細胞に内包成分を高濃度で送達できる仕組みのイメージ

    (図4)ナノマシンが皮膚細胞に内包成分を高濃度で送達できる仕組みのイメージ


    図4を説明します。

    A:通常の化粧水の有効成分(特に水溶性成分や高分子量の有効成分など)は、皮膚バリアを通過しにくいと考えられています。これは皮膚バリアが油性物質と水性物質が交互に重なったミルフィーユのような構造からできているためです。


    B:従来の乳化粒子は、皮膚バリアを通過できますが、皮膚組織に留まって内容成分を皮膚組織に送達できるのは一部で、多くの乳化粒子は皮膚を通過し、毛細血管を通じで体内全体に拡散すると考えられます。


    C:温度応答性ポリマーとビタミンC・E誘導体を膜表面に内包するナノマシンは、皮膚に浸透すると、皮膚細胞のビタミンCレセプターと結合し細胞膜表面に留まりやすくなり、皮膚細胞に高い頻度で取り込まれます(この原理は従来のナノスフィア(R)も同様で、既に滞留性が証明されています)。レセプターに捕まらずにすり抜けたナノマシンは、体温を感知し皮膚組織内でその一部は、膜表面が疎水性化して皮膚細胞に取り込まれやすくなり、一部は自己崩壊し内容物を強制放出させるため、周囲の皮膚細胞がこれを取り込む確率が高まると考えられます。


    結論として、Cのような複合的なメカニズムにより、ナノマシン製剤は内容物を皮膚細胞内に積極的に送達できる輸送体となることができると考えられました。本学会で発表されるナノマシンを使用した皮膚細胞実験結果と臨床結果は、これらのナノマシンの皮膚細胞に対する効果を裏付けるものと考えています。学会発表を前にして、実際の結果をお示しできないのは残念ですが、日本形成外科学会と日本皮膚科学会の当社共催セミナーにおける各先生のご発表を、ナノマシンに興味をもたれた専門家の先生方に御聴講をおすすめいたします。(医学会への聴講はあらかじめ個人や団体の学会登録が必要であり、医師免許などの特別の資格が必要となる場合がありますのでご注意ください。)


    発売予定の実際の商品(2製品)

    1) 商品名:インテリジェントドロップ (TM) ECローション(100mL)

    ナノマシンコスメ(R)の主要成分:GO-VC(R)、APPS、TPN、VC-IP、温度応答性ポリマー


    2) 商品名:スマートドロップ (TM) APローション(100mL)

    ナノマシンコスメ(R)の主要成分:GO-VC(R)、APS、VC-IP、温度応答性ポリマー