プレスリリース
教育と探求社×東京大学CASEER 高校生を対象に探究学習の大規模調査を実施
― 中高生向け探究プログラム「コーポレートアクセス」で、 生徒の学びや意識の変化に関する高い効果実感を確認(速報) ―
株式会社教育と探求社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮地 勘司、以下「教育と探求社」)と、東京大学大学院教育学研究科附属 学校教育高度化・効果検証センター(Center for Advanced School Education and Evidence-Based Research:CASEER、センター長:本田 由紀、以下「CASEER」)は、中学校・高等学校向け探究学習プログラム「コーポレートアクセス」を対象とした2025年度の共同調査を実施し、その速報結果をとりまとめました。

授業の様子
「コーポレートアクセス」とは、生徒がチームで調査・議論・企画立案・発表まで行う、企業連携型の探究学習プログラムです。生徒たちは企業や社会とのつながりを意識し、自分たちがつくりたい未来を描きながら、課題解決に向けた提案をつくり上げます。
本調査は、全国28校で「コーポレートアクセス」の授業に参加した高校1年生 約4,300名を対象に、生徒自身の学びや意識の変化に関する項目について、Webアンケートで回答を収集しました。
同一の探究学習プログラムについて、共通の設問で全国規模のデータを収集できたことにより、「探究学習の取り組みが、どのような学びや意識の変化につながっているのか」を、学校現場の実態に即して多角的に検討していくための基礎データが整いました。
なお本リリースは、共同研究の途中経過としての速報であり、設問間の関係性や学校ごとの特徴など、より詳しい分析結果については今後の検討を経て公表を予定しています。
■調査概要(2025年度)
対象プログラム:探究学習プログラム「コーポレートアクセス」
対象校数 :全国の高等学校 28校
回答者数 :高校1年生 約4,300名
調査方法 :プログラム終了後にオンラインによる無記名アンケート調査を実施
回答形式 :選択式(リッカート尺度)
調査期間 :2026年1月
主な設問領域 :
・探究のプロセス(情報収集、話し合い、企画づくり、振り返り 等)
・チームの雰囲気(安心感、意見の違いの受け止め方 等)
・先生の関わり(問いかけ、助言、フィードバック 等)
・生徒自身の変化(問いを立てて考える力、協働する力、表現力、主体性、社会とのつながりの実感、粘り強さ、創造性 等)
■速報として確認された主な事実
1. 28校・約4,300名から回答が得られた大規模調査
本調査では、全国28校・約4,300名の生徒から回答が得られました。
中学校・高等学校の探究学習に関する調査として、単一の探究学習プログラムを対象に、これほどの校数・サンプル数がまとまっている例は、国内では多くありません。今回得られたデータは、今後の詳細な分析や、継続的な調査・比較検討の出発点として位置づけられます。
2. 学びや意識の変化に関する複数の項目で、肯定的な回答の割合が高い
プログラム全体を振り返って回答する設問のうち、次のような生徒の学びや意識の変化に関する項目で、多くの生徒から肯定的な回答(とても効果があった、やや効果があった)を得ています。
・「自分で問いをつくり、深めながら考えることができるようになった」
効果があった(とても効果があった+やや効果があった)と回答した割合 77.3%

自分で問いをつくり、深めながら考えることができるようになった
・「他の人の意見をふまえながら、協力して課題に取り組むことができるようになった」
効果があった(とても効果があった+やや効果があった)と回答した割合 84.4%

他の人の意見をふまえながら、協力して課題に取り組むことができるようになった
・「社会で起きていることを、自分にも関わることとして考えられるようになった」
効果があった(とても効果があった+やや効果があった)と回答した割合 73.4%

社会で起きていることを、自分にも関わることとして考えられるようになった
・「新しいことや気になることについて、もっと知りたい・考えたいと思うようになった
効果があった(とても効果があった+やや効果があった)と回答した割合 75.6%

新しいことや気になることについて、もっと知りたい・考えたいと思うようになった
これらを含む複数の項目において、5段階評価のうち「4」(やや効果があった)「5」(とても効果があった)といった肯定的な選択肢を選んだ回答が多くを占めており、探究学習の授業を通じて、生徒自身が学びや意識の変化を感じていることが数量的なデータとして示されました。
■今後の分析・公表予定
本調査では、探究のプロセス、チームの雰囲気、先生の関わり、生徒自身の変化など、複数の領域にわたって項目を設定し、各項目の平均値や分布を分析できる形でデータを収集しました。
今回の発表では、その速報として、
(1)大規模なデータが収集できたこと
(2)生徒の学びや意識の変化に関する複数の項目で、平均値が尺度の中間値を上回る水準となったこと
の2点を公表しています。
学校ごとの結果や設問間の関係性など、より詳細な分析については、現在CASEERと教育と探求社で検討を進めており、共同研究の成果として今後公表する予定です。
<研究担当教員(CASEER):本田 由紀(東京大学大学院教育学研究科 教授/CASEER センター長)のコメント>
教育と探求社との連携により、詳細な分析が可能な大規模データを得ることができました。共通の枠組みによる探究学習プログラムを実施した28校約4,300名の高校1年生において、総じて高い効果が確認されていますが、一定の差異も見られます。その差異がいかなる学校・クラス・グループ・個人の要因により生じているのかについて、今後CASEERでは計量的な分析を加え、学術的な研究成果として公表してゆく予定です。

東京大学大学院教育学研究科 本田 由紀 教授
■株式会社教育と探求社
所在地:〒102-0081 東京都千代田区四番町4-9 東越伯鷹ビル6F
設立 :2004年11月
代表者:代表取締役社長 宮地 勘司
<事業内容>
中学・高等学校向け探究学習プログラム「クエストエデュケーション」をはじめとする、探究学習・人材育成プログラムの企画開発・制作・販売および研修事業 等
■東京大学大学院教育学研究科附属
学校教育高度化・効果検証センター(CASEER)
所在地:〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1(東京大学本郷キャンパス内)
設立 :2017年度(学校教育高度化センターを改組して設置)
<概要>
学校教育の高度化と教育効果の検証を目的として、国内外の大学・教員養成機関・教育委員会・学校等と連携しながら、教育実践の調査研究・シンポジウム・研究紀要の刊行などを行っている。高等教育と中等教育を対象とした「効果検証部門」と、教育の国際化・高度化を推進する「教育高度化部門」から構成される。
■本件に関するお問い合わせ先(報道関係者窓口)
株式会社教育と探求社
学校事業本部 広報担当
TEL : 03-6674-1234
E-mail: info@eduq.jp