報道関係者各位
    プレスリリース
    2025年12月2日 10:30
    GSアライアンス株式会社

    GSアライアンス、少ない面積で運用できる 3次元的構造のジャングルジム型太陽光発電システムを考案  森林伐採の抑制を目指す

    脱炭素、カーボンニュートラル社会構築のための、環境、エネルギー分野の最先端技術を研究開発するGSアライアンス株式会社の森良平博士(工学)は、ジャングルジムのような3次元的構造の、新しい太陽光発電の方式を考案し、今後実証実験を行います。


    3次元的構造の新しい太陽光発電方式のイメージ図

    3次元的構造の新しい太陽光発電方式のイメージ図


    太陽光発電を設置できる平坦な国土面積が少ない日本においては、メガソーラー発電所を設置したりしていますが、メガソーラーは広大な森林を伐採するため、環境破壊が問題となっています。大規模に森林、山林を伐採、破壊し、動植物の生息環境が失われるので生態系への影響は深刻で、CO2を吸収する森林を破壊するため本末転倒です。また、森林伐採により雨水の保持能力が弱まり、土砂災害や洪水のリスクを高めます。さらに、山間部などに設置されるため景観が損なわれます。その上、建設に伴う環境への影響や景観の変化、工事中の騒音などから、地元住民との間でトラブルが起きる懸念もあり、最近はこの森林伐採して設置するメガソーラー発電は政府レベルで国としても大きな問題となっています。

    最近の分かりやすい問題例が、釧路湿原のメガソーラー建設計画です。


    ところで、これらのメガソーラー発電に用いられている太陽電池はシリコン型が多いです。太陽電池は大きく分類すると、現在世界中で最も市場に広く普及しており、このメガソーラー発電にも使用されているシリコン型の太陽電池を始め、化合物系、ペロブスカイト型、有機薄膜型、量子ドット型太陽電池などいくつか種類があります。


    現在最も普及している上述したシリコン型太陽電池は、見かけは黒っぽく不透明で、太陽光が当たっている反対側には光が透過しないので、太陽電池の発電する面を太陽に向ける必要があります。また、シリコン型太陽電池は曲がりません。一部のアモルファスシリコン型太陽電池は曲げることが可能ですが、曲げれる角度は大きくなく、軽く湾曲する程度です。そのため、太陽電池の面積を横に、二次元方向に広げることしかできなくなり、メガソーラー発電するには、森林を大規模に伐採するしかないことになり、上述したような問題が起こります。


    一方で、有機薄膜太陽電池と言われるタイプのものは半透明化、材料を選択すれば透明な太陽電池となり、太陽光が太陽電池の発電する面を透過し、反対側でも発電ができます。つまり、1枚目の太陽電池の下に位置する太陽電池でも発電することができるのです。また、この有機薄膜太陽電池は曲げることが可能です。このような有機薄膜太陽電池の性質から、同社の森良平博士(工学)は、ジャングルジムのような支柱となる構造を作り、ジャングルジムを構成する縦横方向全ての支柱にこの有機薄膜太陽電池を巻き付けて発電する構造物を考えました。支柱も透明にします。このようにすれば、横方向、二次元的に広げるだけではなく、縦方向、高さ方向、三次元的にも拡張できることになります。仮に本構造物の支柱が完全に透明であれば、理論的には高さ方向にどれだけ拡張しても問題ないことになります。そうすれば、上述したような既存の森林を伐採して二次元方向に太陽光パネルを設置しなければならない現状の方式のような問題は起こらなくなります。


    3次元的構造の太陽光発電方式のブロックを縦、横、高さ方向に拡張するイメージ図2

    3次元的構造の太陽光発電方式のブロックを縦、横、高さ方向に拡張するイメージ図2


    また、近年、畑の上にソーラーパネルを設置して、ソーラーシェアリングと呼ばれる農業と太陽光発電事業を同時に行う事業が見受けられ始めていますが、ジャングルジム構造の下部に、人や農業機械が十分な農作業ができるスペースを確保すれば、新しい形状方式のソーラーシェアリング事業が提案できます。今後、透明性と光―エネルギー変換効率を改良すれば、2次元の横方向にしか拡張できない既存のシリコン型太陽電池を用いたソーラーシェアリングより、より高効率な売電事業が可能になるかもしれません。


    GSアライアンスとしては、このようなモデル構築物を2026年度初期に完成させ、実証実験することを目指しています。しかし、仕様検討する有機薄膜太陽電池の透明度は現時点ではそれほど高いものではなく、改良が必要です。また光―エネルギー変換効率も、既存のシリコン型太陽電池と比較すると半分以下と低いものであり、今後の開発が必要です。透明度やエネルギー変換効率の性能は有機薄膜太陽電池の構成材料であるドナー、アクセプター材料に大きく依存しますが、そのような長期的な視野も含めて、GSアライアンス株式会社では今後、有機薄膜太陽電池のドナー、アクセプター材料の合成、事業化の検討も進めていきます。

    さらに有機薄膜太陽電池だけではなく、構造を工夫すれば透明度が上がるペロブスカイト太陽電池の応用も検討します。


    今回、実証実験に使用する有機薄膜太陽電池は、透明度がまだ高くなく、下の方に位置する太陽電池に対する太陽光は弱くなることが予想されます。また時間、天気、季節による太陽光照射量の強さ、曲げられた太陽電池に対する太陽光の照射強度、そしてそのような条件の時に、どれぐらいの電力が発生するか、さらに太陽電池の接続方法、回路に依存する発電量など、種々のデータを同時に測定するシミュレーション実験も進めていきます。


    3次元的構造の新しい太陽光発電方式のイメージ図2

    3次元的構造の新しい太陽光発電方式のイメージ図2


    ■会社概要

    商号   : GSアライアンス株式会社(冨士色素株式会社グループ)

    代表者  : 代表取締役 森 良平博士(工学)

    本社所在地: 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11

    事業内容 : カーボンニュートラル、脱炭素、SDGs課題に取り組む環境、

           エネルギー分野の最先端技術の研究開発、製造販売

    URL    : https://www.gsalliance.co.jp/