プレスリリース
コクヨとの共同研究で誕生!人間工学を活かした 新しいフローリングワイパーが12月3日発売
身体への負担軽減を考慮した柄の長さの実証に デザイン工学部の学生も参画
芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田 純)デザイン工学部・平尾 章成教授(プロダクト・エルゴノミクス・デザイン研究室)及びデザイン工学部の学生が開発段階から携わったコクヨ株式会社(大阪府大阪市/社長 黒田 英邦、以下「コクヨ」)の新製品「文具のコクヨが本気で消しやすさにこだわった軽い力でスルッと落とせるフローリングワイパー」が、2025年12月3日(水)より発売されます。

製品仕様イメージ

掃除シーンイメージ
平尾教授は人間工学的視点から身体への負担軽減を考慮した柄の長さの評価実験を実施しました。共同研究にあたっては、学部4年生が卒業研究として参画し、デザイン工学部で培ったデザイン思考と工学的分析力を活かして、評価項目や実験内容の詳細を決定。実験には授業演習の一環として本学学生80名が参加し、その成果は約1年という短期間で製品に反映されました。本取り組みは、学びが社会に直結する実践的な教育の好事例といえます。
■ポイント
●共同研究による新製品(フローリングワイパー)発売
●人間工学的視点による身体負担軽減設計:掃除動作による計測と評価結果に基づき、もっとも多くのユーザに適合する柄の長さを決定
●社会とつながる実践的な教育:学部4年生が卒業研究として共同研究に参画し、複数回の実験を重ねて、実証に必要な評価項目や実験内容を決定。授業演習の一環として80名の学生が大規模共同実験に参加。
■商品情報
はたらく場所で便利に使える掃除用品や衛生用品などの生活用品ブランド「KOKUYO HibiFull(コクヨ ヒビフル)」から発売する「文具のコクヨが本気で消しやすさにこだわった軽い力でスルッと落とせるフローリングワイパー」は、人間工学に基づいて設計された、軽い力で頑固な汚れを落とせるフローリングワイパーです。
発売予定:2025年12月3日(水)
メーカー希望小売り価格(消費税抜):オープン価格
※店頭展開日は店舗により異なります。

製品仕様イメージ
■研究:身体への負担軽減を考慮した柄の長さの実証
●背景・目的
フローリングワイパーにおいて、柄の長さは使い心地や身体への負担に直結する重要な要素です。長すぎると扱いづらく、短すぎると姿勢が悪くなり腰を痛める可能性があります。そこで、使用者の身長特性にかかわらず扱いやすい最適な柄の長さを科学的に検証することを目的に、卒業論文テーマとして共同研究を開始しました。
●実験概要
【手法】3Dプリンタを用いて作成したグリップを付けた、複数サイズの柄のワイパーを作成。フロアに付けた汚れ(口紅で模擬)を拭き取る掃除動作を実施し、官能評価結果と姿勢写真解析を組み合わせて分析しました。なお、実験には本学学生80名(身長149cm~185cm)が参加しました。
【評価項目】力の入りやすさ、押し引きのしやすさ、楽な姿勢で掃除できるかなどの5項目
●結果
Mサイズが幅広い身長の実験参加者から最も高評価を獲得し、悪評価が最も少なかったことから、身長を問わず扱いやすい長さであると評価。評価結果に基づき、平尾教授の自動車人間工学研究開発経験を応用し、誰にとっても使いやすいと感じられる柄の長さの許容値を設計。コクヨはその基準に基づき、本製品の設計寸法を決定しています。

各サイズの使いやすさ評価グラフ
■デザイン工学部・平尾 章成教授 コメント
今回は、共同研究を行って、その中で実施した大規模共同実験から発売まで約1年と非常に短期間で研究成果が製品に反映されました。これは、研究する側の当研究室にとって大変うれしいことであり、「人を科学して、モノに活かす」という研究室のキャッチフレーズが実践できたといえます。また、卒業研究で担当した学生や実験に参加してくれた学生にとっても、研究成果が目に見えるものに活かされるという事例を体験することができ、今後の励みになると考えています。
■関連リンク
▼コクヨ株式会社
▼「文具のコクヨが本気で消しやすさにこだわった軽い力でスルッと落とせるフローリングワイパー」製品ページ
https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/hibifull/floor-wiper/
■芝浦工業大学とは
工学部/システム理工学部/デザイン工学部/建築学部/大学院理工学研究科
https://www.shibaura-it.ac.jp/
理工系大学として日本屈指の学生海外派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の大学です。東京都(豊洲)と埼玉県(大宮)に2つのキャンパス、4学部1研究科を有し、約1万人の学生と約300人の専任教員が所属。2024年には工学部が学科制から課程制に移行。2025年にデザイン工学部、2026年にはシステム理工学部で教育体制を再編し、新しい理工学教育のあり方を追求していきます。創立100周年を迎える2027年にはアジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。