プレスリリース
JVCケンウッドがKENWOODブランドで展開する 「AVナビゲーションシステム“彩速ナビ”」に 日立ソリューションズ・テクノロジーの 多言語音声コマンド認識ソフトウェア 「Ruby Spotter」を採用
高い音声認識性能、低リソース、豊富な多言語対応により 車載環境特有のノイズ環境でも使いやすい音声操作を実現
株式会社日立ソリューションズ・テクノロジー(本社:東京都立川市、取締役社長:平間 顕一/以下、日立ソリューションズ・テクノロジー)の多言語音声コマンド認識ソフトウェア 「Ruby Spotter」が、株式会社JVCケンウッド(神奈川県横浜市、代表取締役 社長執行役員 最高経営責任者(CEO):江口 祥一郎/以下、JVCケンウッド)の「AVナビゲーションシステム“彩速ナビ”(以下、本システム)」に採用されました。
本システムでは、ボイストリガ―(音声による音声操作起動)をオンにすると、ウェイクアップワード「ハイ彩速」と呼びかけることで音声操作が開始され、続けて発話したコマンドワードを認識することで快適なナビゲーション操作が可能になります。今回、「Ruby Spotter」でウェイクアップワードとコマンドワードの音声認識を実現しました。これにより、車載環境特有の雑音下でも高いノイズ耐性と認識性能を確保し、これまで課題となっていた誤認識率の低減に大きく貢献しています。さらに「Ruby Spotter」の特長である低リソース・低処理負荷によりナビゲーションシステム全体の負荷を軽減し、レスポンス改善を実現しました。これによりスムーズで快適な音声操作を体験できます。

AVナビゲーションシステム“彩速ナビ”「MDV-MX12F」
AV ナビゲーションシステム“彩速ナビ”「MDV-MX12F」を発売 | 2025年 | ニュースリリース | KENWOOD( https://www.kenwood.com/jp/press/2025/1030-02/ )

AVナビゲーションシステム“彩速ナビ”「TYPEM」シリーズ
AV ナビゲーションシステム “彩速ナビ”「MDV-M912F」ほか計 6 モデルを発売 | 2025年 | ニュースリリース | KENWOOD( https://www.kenwood.com/jp/press/2025/1030-03/ )
■背景と課題
車両内の雑多なノイズ環境下における音声操作性の向上は今もなお課題となっております。また、ユーザが接続するスマートフォンとスムーズに連携するための音声認識機能に以下の課題があり、新たな音声認識の検討が必要となっていました。
1.ウェイクアップワードおよびコマンドワードにおける音声認識精度向上、高いノイズ耐性
2.ユーザが接続するスマートフォンと連携するために、低レイテンシと精度のよい音声認識
3.音声認識の低処理負荷。本システムへの処理負荷影響の低減
4.将来の多言語ニーズ対応に向けた多言語対応
■採用に至る内容と本システムの効果
1. 高いノイズ耐性と認識率精度
任意のウェイクアップワードを設定可能であること。車載環境特有の雑多なノイズ環境におけるノイズ耐性に優れており高い認識精度と低レイテンシを確保することで音声操作性を向上しました。「Ruby Spotter」の低リソースにより、本システムの処理負荷軽減に大きく寄与しています。
また、ユーザが接続するスマートフォンとの連携に必要な性能を満たすことができ、目標性能を満たすための開発工数軽減が可能となりました。
2. 音声認識辞書登録
音声認識辞書ツールの提供により、JVCケンウッドが辞書登録を実施することで、辞書登録に伴うコストや期間を大幅に低減することができました。
3. 多言語対応
今後、多言語対応が必要となった場合に、「Ruby Spotter」において40言語以上に対応可能であることを評価いただきました。
■多言語音声コマンド認識ソフトウェア 「Ruby Spotter」動作環境
【ハードウェア】
<ROM>
約230KB以上
<RAM>
約170KB以上
【対応OS】
Android、Linux、Windows、iOS、各種リアルタイムOS(OS非依存)
【性能】
<CPU負荷>
約60MIPSまたは約35MIPS(SIMD命令利用時)
■多言語音声コマンド認識ソフトウェア「Ruby Spotter」
https://www.hitachi-solutions-tech.co.jp/solutions/voice/Ruby_Spotter/index.html
■今回の発表に関するコメント
株式会社JVCケンウッド 技術本部 IVI商品技術1部 吉田 正樹 様
JVCケンウッドは2023年モデルの“彩速ナビ”から音声認識を搭載し、お客さまからご好評をいただいています。このたび音声認識ソリューションを切り替えるにあたり、「Ruby Spotter」を採用しましたが、APIがシンプルであることや日立ソリューションズ・テクノロジーの手厚いサポートにより、短期間で移植を完了できたほか、音声認識能力の向上や処理負荷の低減も実現することができました。
また、認識ワードの辞書を作成する強力なツール群も、チューニング期間の短縮に寄与しています。「Ruby Spotter」を搭載し、音声による操作性がさらに充実した新型“彩速ナビ”が、これまで以上にお客さまからご支持いただけることを期待しております。
日立ソリューションズ・テクノロジーは今後も、音声コミュニケーション機能の実現や操作性向上に取り組み、お客さまの最適なモノづくりを支援してまいります。