プレスリリース
世界エンコーダー市場、2032年に5717百万米ドル規模へと成長予測
エンコーダーとは
エンコーダーは、位置・速度・角度などの物理情報をデジタル信号へ変換する高精度センサーであり、FA(ファクトリーオートメーション)、ロボット、工作機械、搬送設備などの制御系において不可欠な中核部品として位置付けられている。
エンコーダーは検出原理により光学式、磁気式、静電容量式などに分類され、測定方式ではロータリー型とリニア型に大別される。また、符号化方式ではインクリメンタル型とアブソリュート型が主流である。特に近年のエンコーダー市場では、停電後でも位置情報を保持可能なアブソリュートエンコーダーの採用比率が上昇している。2025年上半期には、半導体製造装置および協働ロボット向け需要の拡大を背景に、欧州・日本メーカーを中心とした高性能エンコーダーの受注が増加した。

図. エンコーダーの世界市場規模
QYResearch調査チームの最新レポート「エンコーダー―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」によると、エンコーダーの世界市場は、2025年に3839百万米ドルと推定され、2026年には4044百万米ドルに達すると予測されています。その後、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)5.9%で推移し、2032年には5717百万米ドルに拡大すると見込まれています。

上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「エンコーダー―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」から引用されている。
エンコーダー市場を支える産業自動化需要
エンコーダー需要を牽引する最大要因は、世界的な産業自動化投資の加速である。特に工作機械分野では、CNC制御の高精度化に伴い、リニアエンコーダーの採用が継続的に拡大している。2023年時点で工作機械向け用途はエンコーダー市場全体の約30%を占め、依然として最大用途を維持している。
ロボット分野においてもエンコーダー需要は急速に拡大している。AGV/AMR、自動倉庫、半導体搬送ロボット、医療ロボットなどでは、高速応答かつ高分解能のロータリーエンコーダーが不可欠となっている。特にAI対応ロボットでは、多軸同期制御の精度向上が求められ、エンコーダーの高分解能化と小型化が進行している。業界予測では、2030年までにロボット関連用途がエンコーダー市場全体の25%超を占める可能性がある。
さらに、包装機械、繊維機械、エレベーター、自動車生産ラインなどでもエンコーダーの導入が進んでいる。2025年初頭には、中国および東南アジア地域でスマートファクトリー投資が再加速し、搬送設備向けエンコーダー需要が前年同期比で二桁成長を記録したとみられる。
ロータリーエンコーダーとリニアエンコーダーの競争構造
エンコーダー市場では、ロータリーエンコーダーが依然として主流製品であり、2023年時点で市場シェア約68%を占めた。ロータリーエンコーダーはサーボモーター、ステッピングモーター、産業用アクチュエーターなど幅広い用途に対応可能であり、コスト競争力にも優れる。
一方、リニアエンコーダーは高精度位置制御を必要とする工作機械や半導体製造装置向けで強みを持つ。リニアエンコーダーの価格は、測定長、分解能、精度等級によって大きく変動し、ハイエンド機種ではロータリー型を大きく上回る価格帯となる。近年では、ナノレベル制御が求められるEUV露光装置や高精度加工機向けで超高分解能エンコーダー需要が拡大している。
また、インクリメンタル型とアブソリュート型の価格差は縮小傾向にある。通信インターフェースの標準化やASIC集積化の進展により、アブソリュートエンコーダーのコスト低減が進み、新規設備では標準採用されるケースが増加している。
エンコーダー市場における地域競争と技術課題
現在のエンコーダー市場は、欧州、日本、米国、中国を中心に形成されている。特にドイツ系メーカーは高精度リニアエンコーダー分野で強い競争力を有しており、日本メーカーもサーボ制御向け高信頼エンコーダーで優位性を維持している。
中国市場では、浙江Reagle Sensingなどの現地企業が中価格帯エンコーダーで存在感を強めている。ただし、高精度光学スケール、ASIC設計、ノイズ耐性、温度補正アルゴリズムなどの分野では、依然として海外大手との技術格差が残る。
エンコーダー市場における最大の技術課題は、高速回転時の信号安定性と耐環境性能である。特にロボットやEV製造ラインでは、振動・粉塵・高温環境下でも安定動作するエンコーダーが求められる。最近6カ月では、防塵防水性能IP67以上を備えた磁気式エンコーダーの採用が拡大し、食品機械や物流設備向け需要が増加している。
今後のエンコーダー市場展望
今後のエンコーダー市場は、産業DX、AIロボティクス、スマート製造の進展により中長期的な成長が見込まれる。特に次世代サーボシステムでは、高速通信規格対応、低遅延化、小型一体化設計が競争軸となる。
加えて、エッジAIとの連携による予知保全型エンコーダーの開発も進んでいる。自己診断機能や異常検知アルゴリズムを搭載したスマートエンコーダーは、保守効率向上やダウンタイム削減に貢献するため、半導体工場や無人搬送設備で導入が進む見通しである。
総じて、エンコーダー市場は単なる位置検出部品から、高度な制御・データ解析を担うインテリジェントセンサーへ進化しており、今後は高精度化、高信頼化、ネットワーク対応力が企業競争力を左右する重要要素になると考えられる。
本記事は、QY Research発行のレポート「エンコーダー―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」に基づき、市場動向および競合分析の概要を解説します。
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