プレスリリース
サマルカンドで第43回ユネスコ総会が開幕
10月30日、サマルカンドで第43回ユネスコ総会が開幕しました。総会は11月13日まで開催されます。中央アジアの中心で始まった今回の総会は40年ぶりにユネスコ本部のあるパリ以外の都市で開催されるという歴史的意義を有しています。
このような権威ある国際的イベントがウズベキスタンで開催されるに至ったのは、ウズベキスタンがユネスコの理念と価値に賛同し、平和と相互理解、持続可能な発展のためにグローバルな対話を推進していこうとしているためです。
■ミルジヨーエフ大統領が開会式で演説
ミルジヨーエフ大統領は開会式で登壇し、今回の総会は深い象徴的な意味を持っていると指摘しました。そして、このような権威あるイベントがウズベキスタンで開催されるということは、国際社会が「新生ウズベキスタン」の大々的な改革に信頼を寄せている表れであると強調しました。
また、大統領は教育、科学、文化、情報などの分野における国際協力の強化や教育現場でのAIの導入、無形文化財の保存、女性の活躍支援、気候変動対策などに係る提案をしました。

第43回ユネスコ総会で登壇する大統領
■ユネスコの理念に共鳴する都市・サマルカンド
ユネスコ総会の開催地にサマルカンドが選ばれたのは偶然ではありません。サマルカンドは何世紀にも渡り、東洋と西洋を結ぶ文化の十字路として人類の歴史において特別な役割を果たしてきました。現在、ウズベキスタンではブハラ歴史地区、ヒワのイチャン・カラ、サマルカンド‐文化の交差路、シャフリサブス歴史地区、シルクロード:ザラフシャン=カラクム回廊、西天山、トゥランの寒冬砂漠群の7つがユネスコの世界文化・自然遺産に登録されています。
また、シャシュマカム、ボイスン地区の文化空間、バフシ芸術、プロフの文化と伝統、ナウルーズなど、ウズベキスタンでは16の無形文化遺産が登録されており、これらの豊かな遺産はウズベク人の精神的価値や優れた創造力を今に伝えています。
■ユネスコとの効果的な協力
近年、ウズベキスタンとユネスコの協力は高いレベルへと引き上げられています。サマルカンドやヒワ、その他の都市ではシャルク・タロナラリ音楽祭、アトラスフェスティバル、マカム芸術フォーラム、バフシ・工芸フェスティバル、リャズギ舞踊祭などの大規模な文化イベントが盛大に開催されています。これらのイベントはウズベキスタンをユーラシアにおける文化的対話の中心の一つにしています。

第43回ユネスコ総会開会式
ウズベキスタンには8つのユネスコ支部と24のユネスコスクールがあります。タシケント市とフェルガナ市は「学習都市に関するグローバルネットワーク」の登録都市となっています。また、2024年、サマルカンドにあるシルクロード国際観光文化遺産大学に持続可能な歴史観光に係るユネスコ支部が設置されています。
科学や技術の面でも活発な協力が進められています。例えば、ウズベキスタンのチャトカルとニージニャヤ・アムダリアは生物圏保存地域世界ネットワークに登録されています。また、水資源外交や気候レジリエンスの分野でも国際的な大規模プロジェクトが実施されています。
2024年には人工知能の倫理における学術研究を推進するため、アブ・ライハン・ベルニ記念国際ユネスコ・ウズベキスタン賞が創設され、第一回目の授賞式がサマルカンドで開催されているユネスコ総会で行われます。
ウズベキスタンの提案により、ユネスコでは中央アジアにおける国際協力を促進するための枠組み「ヒワ・プロセス」や「情報への自由なアクセスに関するタシケント宣言」などの重要文書が採択されています。
■過去と未来を繋ぐ空間-サマルカンド
第43回ユネスコ総会の開催の地となったサマルカンドは単に総会の開催の場となっただけでなく、過去と未来を繋ぐ橋渡しをする都市であり、人類の科学的遺産、精神的遺産と新しいイノベーションが出会う場です。サマルカンドの地で紡がれる対話はユネスコの精神と第三のルネサンスという理念を実現していくための重要なステップとなることでしょう。