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    プレスリリース
    2025年12月4日 11:25
    合同会社 光卉

    わずか10㎡で自給率向上へ、合同会社光卉が小型プレハブ水耕栽培システムを開発

    合同会社光卉(所在地:岡山県岡山市北区花尻ききょう町9-109、代表:則武秀幸)は、限られたスペースでも効率的な農業生産を実現する小型プレハブ水耕栽培システムの開発に着手しました。天候に左右されない安定生産と、誰でも始められる新たな農業モデルとして注目されています。

    国内自給率向上の課題に小規模農業から挑戦

    日本の食料自給率は長期的に低下傾向にあり、農林水産省の統計によると2022年度のカロリーベース総合食料自給率は38%と先進国の中でも低い水準にあります。さらに、農業従事者の高齢化や耕作放棄地の増加、気候変動による不安定な生産環境など、国内農業は多くの課題に直面しています。
    合同会社光卉では、これらの課題に対応するため、10㎡未満という非常に小さな面積でも実施可能な水耕栽培システムの開発に取り組んでいます。このシステムの最大の特徴は、建築基準法に準拠した小型プレハブを活用することで、農地以外の場所でも設置可能な点にあります。
    「持病のヘルニアで立ちしゃがみの作業が困難な中でも、農業への情熱を形にしたいという思いから、このプロジェクトを始めました」と則武代表は語ります。

    小型プレハブ水耕栽培システムの特徴

    同社が開発する水耕栽培システムには以下のような特徴があります。

    1. 省スペース生産: わずか10㎡未満の面積で効率的な生産を実現。建築基準法に準拠しているため、農地以外の場所にも設置可能です。
    2. 天候非依存: プレハブ内部に断熱材を使用し、冷暖房を完備することで、年間を通じて安定した生産環境を維持。雨季や猛暑、寒波の影響を受けず、計画的な栽培が可能となります。
    3. 高い技術力: A型作業所での1年間の実績により、発芽率90%以上を確保するノウハウを確立。サラダ水菜を中心に、効率的な生産体制を構築しています。
    4. 生産性の高さ: 127穴で栽培したサラダ水菜を6本袋入り21袋として出荷。週2日の生産で週10パレット、月間最大800袋の生産を見込んでいます。
    5. バリアフリー農業: 農業未経験者や障がいをお持ちの方でも取り組みやすいシステムを構築。種まきから袋詰めまでの作業を標準化しています。
      則武代表は「露地栽培では天候や季節の影響を大きく受け、安定した収量確保が難しい状況でした。この水耕栽培システムにより、計画的な生産と収益の安定化が実現できます」と説明しています。

    社会的意義と将来展望

    本プロジェクトは単なる農業の効率化だけではなく、以下のような社会的価値の創出を目指しています。

    • 葉物野菜の安定供給による地域の食料自給率向上
    • 点在する小規模農地やスペースの有効活用モデル確立
    • 農業参入障壁の低減による新規就農促進
    • 障がいをお持ちの方の農業分野での就労機会創出
      「初期費用を抑え、大型農機も不要なシステムとすることで、多くの方に取り組みやすい農業モデルを提案したいと考えています。このシステムが普及することで、日本の食料自給率向上への小さな一歩になれば」と則武代表は展望を語ります。
      現在は1ユニットでの実証実験を進めていますが、将来的には設置数を増やし、農地1000㎡以上の規模でも展開できるよう計画を進めています。

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