プレスリリース
会社員1,243名に聞く「2025年 SaaS活用の実態」─ 増えるツール、追いつかない管理。スピードと統制の最適解
『デジタル化の窓口』を運営する株式会社クリエイティブバンク(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:奥村 達也)は、全国の企業の会社員・経営者1,243名を対象に、この度「2025年 SaaS活用の実態」に関するアンケート調査を実施しました。
【調査結果トピック】
●中堅企業でSaaS利用が急増(3割以上が10~49種類を導入、1割超が50種類以上を導入)
●SaaS放置アカウントは約6割の職場で発生、現場と管理部門の共同管理で改善傾向
●SaaSは「柔軟性×統制」の両立を重視したい企業が最多(37.9%)─管理ツール活用がカギ
SaaSは、企業の業務インフラとして欠かせない存在になりました。営業やマーケティング、人事、経理など、あらゆる現場でクラウドサービスが利用され、業務効率化や情報共有の基盤となっています。
一方で、導入が進むほどに管理の複雑さも増しています。企業規模によって利用状況に差が生じ、退職者アカウントの放置や契約の重複など、運用面での課題が目立ち始めています。こうした中、SaaSを効果的に管理し、コストやセキュリティを最適化する「SaaS管理ツール」の導入にも注目が集まっています。
今回の調査は、SaaSが当たり前になった今の企業現場で、どのように導入・運用・管理が行われているのかを明らかにすることを目的に実施しました。
※SaaS管理ツールの解説
https://digi-mado.jp/category/business/saas-management-tool/
【企業で最も利用が多いのはコミュニケーション系SaaS 人事・労務、生成AIも拡大】
業務で利用しているSaaSの上位は、「コミュニケーション系」(31.5%)と「ファイル共有系」(22.1%)でした。チャットやウェブ会議など、日常的な情報連携を支える用途が中心となっています。
「人事・労務・勤怠管理系」(16.8%)の利用も目立ち、勤怠や経費処理など、運用ルールが明確な業務でクラウド化が進んでいる様子がうかがえます。
また、「生成AI/自動化ツール系」(17.5%)も存在感を増しており、文章作成や情報整理など、個人業務の支援領域に広がりが見られました。
そして、「いずれのSaaSも利用していない」(29.9%)からも、SaaS利用率は約7割と見ることができます。SaaSの活用は、情報共有を起点に、効率化・自動化へと少しずつ領域を広げています。
利用しているSaaSのジャンル
【SaaSの利用数 個人は「3種類以内」が最多 企業全体では利用が拡大】
個人単位で利用しているSaaSは、「1~3種類」が最も多く35.2%、次いで「4~9種類」が29.6%でした。10種類以上を使う人は約2割にとどまり、多くの利用者が限られたツールで業務を行っている様子がうかがえます。
一方、会社全体では「9種類以下」が31.3%ながら、「10~49種類」(22.9%)や「50~99種類」(11.6%)と利用範囲は広がっています。また、個人で約50種類、企業単位で100種類以上を使うヘビーユーザー層も少数ながら存在し、SaaSの多層化が進む現場の一端を示しています。
何種類のSaaSを利用しているか
【中堅企業でSaaS利用が急増 1,000人以上では300種類超の企業も登場】
企業規模別に見ると、1~49人では「10種類未満」が62.1%とSaaS導入はまだ限定的ですが、50~299人の中堅規模になると「10~49種類」が33.3%、「50~99種類」が9.9%と利用が一気に拡大しました。業務分担が進み、部門単位でツール導入が必要になるステージに入るためと考えられます。
さらに1,000人以上の大企業では、「100種類以上」が9.5%、「300種類以上」も2.3%と、ヘビーユーザー層が確認されました。これほど多様なSaaSをどう管理しているのか。利便性と統制の両立は、いま大企業が直面しつつある新たな課題といえます。
企業規模別_会社で導入しているSaaS種類
【使われていない SaaSアカウントの放置 約6割の職場で発生】
「使われていないアカウントが放置されていることがある」と回答した人は、「よくある」(19.5%)と「たまにある」(38.9%)を合わせて58.4%にのぼりました。過半数の職場で、未使用アカウントが何らかの形で残っている状況が見られます。
一方で、「ほとんどない」は25.0%、「わからない」は16.6%でした。SaaSの導入が進むなかで、運用・管理のばらつきが生じやすくなっている様子もうかがえます。使われていないアカウントが積み重なれば、コストやセキュリティの観点でも見過ごせない課題となりそうです。
職場のSaaSアカウント放置状況
【「現場管理」のSaaSで放置アカウントが最も多い傾向に】
放置アカウントの発生状況を管理主体別に見ると、「現場が管理している」場合は「よく放置されている」が28.8%、「たまに放置されている」が60.0%と、全体の約9割で何らかの放置が発生していました。
一方、「管理部門が管理している」では「よく放置されている」が21.4%、「たまに放置されている」が33.2%にとどまり、管理精度の高さがうかがえます。さらに「現場と管理部門の共同管理」では「ほとんど放置されていない」が34.5%と最も高く、役割分担が明確な連携体制では、放置リスクを抑えられている様子が見て取れます。
管理者別_職場のSaaSアカウント放置状況
【SaaS管理は「Excel・台帳」が最多 一元管理ツール導入は2割にとどまる】
SaaSの管理方法として最も多かったのは、「管理部門がExcelや社内台帳で管理している」で32.7%でした。次いで「SaaS管理ツールで一元管理している」が21.3%となり、専用ツールを導入している企業はまだ限られています。
また、「各部門がそれぞれでリスト管理している」が12.8%、「管理方法が定まっておらず利用者任せになっている」も7.0%あり、管理の仕組みが統一されていない職場も一定数存在します。
SaaSが業務に欠かせない基盤となるなかで、その“管理の標準化”が次の課題として浮かび上がっています。
職場のSaaS管理方法
【SaaS導入は「柔軟性」か「統制」か──重視されているのはその両立】
SaaSの運用方針について、「スピードや柔軟性」と「管理や統制」のどちらを優先するかを尋ねたところ、最も多かったのは「両立(バランス)を追求すべき」で37.9%でした。続いて「管理や統制を優先すべき」が33.0%、「スピードや柔軟性を優先すべき」は17.4%となっています
SaaSが業務の基盤となるなかで、企業はスピードを保ちながらも、セキュリティやコスト、情報管理を見直す段階に入っています。その両立のために、SaaS管理ツールや統合的な運用システムを取り入れ、利便性と統制を両面から支える仕組みづくりが今後の鍵となりそうです。
SaaS利用において企業が重視すべきこと
【『デジタル化の窓口』とは】
『デジタル化の窓口』は、SaaSをはじめとするIT製品・サービスの導入事例や特徴、選び方をわかりやすく比較紹介するサービスです。
法人ユーザーは自社に最適なITサービスを見つけることができ、SaaS事業者は導入事例とあわせて法人ユーザーへ自社サービスを訴求することができます。
■『デジタル化の窓口』公式サイト: https://digi-mado.jp/
■IT事業者様向けサービス概要 : https://digi-mado.jp/vendor/
【調査の詳細】
調査期間 : 2025年10月17日~2025年10月18日
調査対象 : 国内在住の会社員・経営者の20代から60代男女
有効回答者数 : 1243名
調査機関 : 『デジタル化の窓口』(運営元:株式会社クリエイティブバンク)
調査方法 : インターネットリサーチ(ジャストシステム「Fastask」利用)
調査元記事URL: https://digi-mado.jp/article/110781/
※引用、転載の際は出典元として『デジタル化の窓口』と調査元記事URLの明記をお願いいたします。