報道関係者各位
    プレスリリース
    2025年9月29日 09:00
    デジタルソリューション株式会社

    最適化ツールQUBO++を用いた 工程スケジューリングサービスを開始  生産計画作業を2時間→1秒に

    CAE解析・ソフトウェア開発を行うデジタルソリューション株式会社( https://www.digital-sol.co.jp )(所在地:広島市東区、代表取締役:上田 寛治)は、広島大学大学院先進理工系科学研究科の中野 浩嗣教授とNTTデータグループが共同で開発した最適化ツールQUBO++を用いた自動車部品の熱処理工場向け工程スケジューリングの成果( https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/92966 )を活用したサービスをスタートしました。

    このサービスは、オペレーターが付与した注文の優先順位を反映しつつ、処理の休止(アイドル)時間を最小化するよう、複数の炉への割当てを自動で決定します。



    ■サービスの特徴

    ・一般的なPC上で高速に計算できる

    コアとなるアルゴリズム、最適化計算ソルバに、広島大学大学院先進理工系科学研究科の中野 浩嗣教授とNTTデータグループが共同で開発した「QUBO++」を用いています[1]。QUBO++を用いることでハイスペックな計算環境やGPUを必要とせず、標準的なPCで実用的な処理速度が期待できます。


    ・既存の人手による計画と同等以上の精度

    精度に関しても、株式会社ナガト様( https://www.nagato-ht.co.jp )の月見工場の熱処理工程で検証を実施し、十分な精度が得られたことが報告されています[2]。


    ・簡単にご活用いただけます

    これらの研究成果をベースにしたシステムを当社で実装しました。当社が導入支援も行うため、専門的な知識がなくても簡単にご活用いただけます。コストパフォーマンスと実用性を両立したサービスとなっています。



    ■サービスの導入例

    株式会社ナガト様に導入していただき、月見工場で本番運用を開始しました。

    従来はオペレーターが手作業で時間をかけて作成していた作業計画を短時間で自動生成できるようになり、計画立案に要する人件費の削減、稼働効率の向上、納期遵守が可能となりました。



    ■システム画面

    <注文の条件、製品の情報といったシンプルな入力>


    注文の条件、製品の情報といったシンプルな入力

    注文の条件、製品の情報といったシンプルな入力


    <ベスト結果の選択と稼働期間の可視化>


    ベスト結果の選択と稼働期間の可視化

    ベスト結果の選択と稼働期間の可視化


    <結果一覧はCSVファイルで出力、別システムで取り込み可能>


    結果一覧はCSVファイルで出力、別システムで取り込み可能

    結果一覧はCSVファイルで出力、別システムで取り込み可能



    ■今後のサービス展開

    2025年の秋以降、以下のサービスを計画しています。


    1. QUBO++ライセンス&サポート提供

    企業・大学の研究開発部門向けに、QUBO++のライセンスと技術サポートを提供。


    2. 最適化ソリューション提供

    QUBO++を用いた個別案件の受託(PoC~本導入)。導入後は、ライセンス込の保守契約で継続支援。


    私たちはQUBO++の普及と社会実装を目指して活動しており、引き続き、課題解決を通して、QUBO++の価値を広く社会に届けていきます。



    ■引用

    [1] Koji Nakano, Shunsuke Tsukiyama, Xiaotian Li, Yasuaki Ito, Victor Parque, Takumi Kato, QUBO++: A C++ Library for Developing and Solving QUBO Problems, Proceedings of IEEE International Parallel and Distributed Processing Symposium Workshops, 626-637 (2025), https://doi.org/10.1109/IPDPSW66978.2025.00097

    [2] Ikuto Nakatsukasa, Koji Nakano, Victor Parque, Yasuaki Ito, Optimizing Heat Treatment Schedules via QUBO Formulation, Applied Sciences 15, no. 16: 8847. (2025), https://doi.org/10.3390/app15168847