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    プレスリリース
    2025年10月7日 16:01
    あさ出版

    【沖縄唯一の日本旅館「名嘉真荘」に海外、国内、県内から人々が集まる理由とは】『初めてでも「ただいま」と言いたくなる 沖縄唯一の日本旅館女将の「愛されるおもてなし」』2025年10月7日刊行

    株式会社あさ出版(代表取締役:田賀井弘毅、所在地:東京都豊島区)は富島 美樹 著『初めてでも「ただいま」と言いたくなる 沖縄唯一の日本旅館女将の「愛されるおもてなし」』https://www.asa21.com/book/b665586.htmlを2025年10月7日(火)に刊行いたします。

    お客さまには、まず「心の腕時計」をはずしていただく

    沖縄本島北部に佇む唯一の日本旅館「海の旅亭 おきなわ名嘉真荘(なかまそう)」。「プロポーズが成功する旅館」「人生の節目に訪れたい場所」など多くの人に愛される存在として広く知られています。

    「沖縄で日本旅館など成立しない」と言われ、スタッフの全員解雇など、様々な困難に遭遇しながらも、著者である女将が「なんくるないさー」に象徴される沖縄ならではの文化、精神を出会った人々から学び、おもてなしに取り入れたことで海外、国内、県内から人が集う“愛される旅館”となりました。

     到着時の和風旅館だからこその空気、地元の食材と北海道の食材を組み合わせた“沖縄×北海道のちゃんぷる会席料理”、流れる「よんなーよんなー」な時間……。
    名嘉真荘にお越しいただく方は皆、家族と思い、どのお客様にもオンリーワンの時間とサービスを心を込めて届け、特別なひとときを演出しています。
     
    本書では、その唯一無二のおもてなしの実例と、背景にある沖縄の文化とその精神を余すことなく紹介。接客業のほか、人と向き合うあらゆる仕事で役立つだけでなく、新しい発想と温かな勇気をもたらす一冊。

    家族のように迎える、沖縄「名嘉真荘」ならではの心づかいを紹介

    ※本書より一部抜粋

    沖縄の人たちにとって、何より大切なものは家族です。
    遠い国からはるばる沖縄に来られた方も、初めて当館を訪れてくださった国内の方も、「遠くに住む家族や親戚が遊びに来てくれた」と思ってお迎えしています。

    ですから、少し寒そうにしているお客さまには、そっと膝掛けを渡します。ゴルフで日焼けして痛そうにしているお客さまには、すぐに庭からアロエを採ってきて、痛い場所に塗ってさしあげます。咳込んでいる方には、「喉にやさしいハーブ煮を、朝食にお付けすることもできますが、いかがしましょうか」とお声がけします。どれも家族としては当たり前のことです。

    出会った人は誰もが家族。それが、沖縄の人たちから学んだ究極のおもてなしのかたちなのです。

    最後の家族旅行

     「最後の家族旅行」と聞くと、沈んだ空気を思い浮かべられるかもしれません。けれど実際には、できる限り明るく楽しい時間を過ごそうと、家族皆が心をひとつにして来られます。食事の席では思い出話に花が咲き、笑い声が響きます。その声を耳にするたびに、私たちは「このひとときを守りたい」と強く願うのです。

     ご予約をいただいた時点から、私たちは細心の注意を払いながら準備を始めます。たいていの場合、ご本人の体調や食事の希望についてご家族からうかがいます。「名嘉真荘の料理を楽しみにしていますので、予定通りで大丈夫です」とおっしゃる方が多いですが、その場合も「気をつけるべきことがあれば教えてください」とお願いしています。

     ある時、滞在中に体調を崩され、何も召し上がれなくなったおじいさまがいらっしゃいました。おかゆさえ喉を通らず、ご家族も心配で胸を痛めておられました。私がたまたま持っていたプリンを小皿に盛りつけて差し上げたところ、「これなら食べられる」とにっこりされ、完食してくださいました。
     その時のご本人の安堵の笑顔、ご家族のほっとした表情は、今も忘れられません。
     小さな一皿が、どれほど心を支えることがあるのかを教えていただいた出来事でした。

    プロポーズ成功率100%の秘密

    不思議なことに、名嘉真荘は「プロポーズの場」として選ばれることが少なくありません。
    これは、沖縄在住の30代前半の男性のお話です。彼はなんとプロポーズをすると決めてから事前に4回も当館に足を運んで、入念な準備をされました。音楽のタイミングにまで心を砕かれるその熱意に、私たちスタッフも胸を打たれました。当日は料理長から清掃スタッフまで総勢30名ほどが「絶対に成功してほしい」と心をひとつにし、夕食後、部屋でプロポーズしたいと言う彼のために、部屋の隅々まで掃除をし、照明の具合や小さな飾り付けまで徹底的に整えました。

    ところが翌朝、朝食会場となるレストランにやってきた女性の表情はどこか曇って見えました。心配になった私は、迷った末に、彼らがお帰りになる際、女性にそっと近寄り、次のようにお伝えしました。
    実は彼、これまでに四度もお越しくださり、プロポーズの準備を重ねていらしたんですよ」
    差し出がましいとは思いましたが、彼の想いを知ったうえで気持ちを決めていただきたい――そう願ったからです。

    私の言葉を聞いた瞬間、女性の顔がふっと明るくなり、瞳が少し潤んでいるようにも見えました。その笑顔を見たとき、ようやく私も安心できたのです。

    書籍情報

    表紙
    表紙

    タイトル:初めてでも「ただいま」と言いたくなる
          沖縄唯一の日本旅館女将の「愛されるおもてなし」
    著者:富島美樹
    ページ数: 216ページ
    価格:1,650円(10%税込)
    発行日: 2025年10月7日
    ISBN: 978-4-86667-775-0
    書籍紹介ページ:https://www.asa21.com/book/b665586.html

    amazon:https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866677759/asapublcoltd-22/
    楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/18340004/

    目次

    第1講 沖縄唯一の日本旅館だけが知っている「おもてなし」の心
    第2講 流されて気がつけば沖縄で旅館の女将に
    第3講 お客さまとの「縁」を織りなす名嘉真荘のおもてなし
    第4講 「こだわり&アレンジ」こそがおもてなし料理の真髄
    第5講 移住したからわかった沖縄の人と自然の素晴らしさ
    第6講 「沖縄に恩返し」の思いを込めて

    著者プロフィール

    富島美樹(とみしま・みき)

    著者:
    著者:

    海の旅亭 おきなわ名嘉真荘 総女将
    1965年、東京都生まれ。旅館の仲居をしていた母のもとで育ち、高校卒業後、歯科衛生士の専門学校に進学。資格取得後、17年間、歯科の仕事に従事。2002年結婚を機に、夫の会社を手伝うため北海道に移住する。2016年、「海の旅亭 おきなわ名嘉真荘」が開業。その後、立て直しのため女将として沖縄に移住する。現在は、沖縄には珍しい日本旅館として、沖縄と本土の両方の良さを旅館のサービスに生かし人気を博している。また、地域の健康支援をすることで沖縄への恩返しをしたいと考え、歯科医療を促進するために、旅館敷地内にデンタルケア施設の建設を予定している。地元の人も沖縄を訪れた人も、すべての人が笑顔になり喜んでもらえる旅館を目指して日々奮闘中。本書が初の著書。