報道関係者各位
    プレスリリース
    2022年5月23日 17:00
    あさ出版

    循環器専門医が伝授!心臓・血管にいい運動法

    循環器専門医が伝授!心臓・血管にいい運動法
    循環器専門医が伝授!心臓・血管にいい運動法

    天気のよい日も増えてきて、運動にはベストシーズンの5月。

    自粛生活が続き、そろそろ運動不足を解消したいという人もいるでしょう。

    しかし、運動不足だった人や日頃からストレスをためている人が急に運動をはじめると、心臓に大きな負担がかかり「突然死」を招くことも。

    また最近、「アップルウォッチからの心房細動の通知で、心臓の異常が見つかった」エピソードのツイートに22万超のいいねがついたこともあり、心臓の健康への関心が高いことがうかがえます。

    そこで知っておきたいのが、心臓に負担をかけない運動法です。

    今回は循環器専門医であり心臓血管研究所・所長の山下武志先生の著書『動機・息切れ・胸の痛みが気になったら最初に読む本』http://www.asa21.com/book/b557081.htmlより、心臓に負担をかけない運動法をご紹介します。

    ※以下、本書より抜粋

    心臓にやさしい運動は「早歩き」

    心臓にやさしい運動は「早歩き」
    心臓にやさしい運動は「早歩き」

    血管は、その中を走る血液の流れが速くなったり、遅くなったりすることで、しなやかさが保ちやすくなることが知られています。

    血液の流れに変化があることが、しなやかさを保つ秘訣なのです。

    ゆるやかに心臓や血管に緊張を与える運動の代表的なものとしては、ジョギングやエアロビクスやスクワットなどの有酸素運動があります。

    有酸素運動の効果は絶大で、心血管系に対しては、副交感神経を刺激して「血圧を下げる」「安静時心拍数を下げる」「血中の中性脂肪を減少させる」などの効果があります。

    さらには血糖値の低下や体重の減量も期待でき、何より無酸素運動より苦しくないので、長く続けられるという利点があります。

    ただし、ふだん運動習慣がない人がいきなりジョギングやエアロビクスやスクワットなどに挑戦するのは身体への負担が大きいです。

    「うんっ」と息を止めないと力が入らないような運動、たとえば筋トレやダッシュのような動きは、運動に伴って血圧が上昇し、心臓や血管に負担がかかるので避けておいたほうがいいでしょう。

    過度な刺激になってしまうと、心臓や血管をかえって傷めてしまうことになりかねません。

    まずは、すぐにできる「早歩き」から始めましょう。

    週に2~3回、1回30分を「走る」のはムリでも30分「早めに歩く」ことはできそうですね。

    少し息が上がってじんわり汗をかくくらい、しゃべったり鼻歌が歌えたりするくらいのペースを目指しましょう。

    最初から30分ずっと早歩きするのは難しいので、普通の速度で3分、早歩きで3分を10回くらい繰り返すイメージでやってみましょう。

    また、心臓に負担をかけない運動としては、ボーリング、ゴルフ、水中ウォーキングなどの歩行をともなうスポーツもおすすめです。好きなものがあればやってみてください。

    自転車など、足を動かす運動もいいでしょう。ヨガなども、心身をリラックスさせる効果があるのでやってみてください。

    長く歩いたり、スポーツをしたりするのが難しい方には、筋肉を鍛える器機がおすすめです。

    最近は、電気刺激により、ふくらはぎやすね、足裏の筋肉が鍛えられる便利な機械があります(ただし、この器械で運動以上の効果を得られるわけではないため、まずは運動することが一番です)。

    早歩きで30分は歩けないので、20分は機械を使って筋肉を鍛えて10分だけ実際に歩く、というように組み合わせると、少しずつ長く歩ける筋肉がついてきます。

    この方法は私の患者さんの間でも評判がよく、歩くのが苦にならなくなったという方がいます。

    年齢とともに筋力は落ちていきます。

    筋力の維持ができていない限り、運動はもちろん30分歩くこともままなりません。歩かなければさらに筋力が低下する。

    この悪循環に入ると体力は急降下していきます。

    「老いは脚から」の言葉のとおり、歩行速度の遅さや低下が、認知症発症リスクと関連するという報告も多数あります。

    心臓・血管のためだけでなく認知症予防のためにも、しっかり歩く力をつけましょう。

    「足裏のカーブ」をキープすることが運動継続のポイント

    歩くことと密接にかかわる足についても、もう少しお話をしておきましょう。

    人間の足は「土踏まず」の部分がアーチ状になっていて、全身の体重を支えたり、着地の衝撃を受け止めたりしています。

    ところが、運動不足や加齢による筋力の低下、肥満などが原因で、アーチを支えている足底腱(筋) 膜が損傷すると、アーチ構造がくずれ、足底全体が平らになるいわゆる「扁平足」になります。

    「扁平足」は、健康にとって重要な運動習慣の妨げとなります。

    足首やひざ、股関節、腰、首などにダイレクトに衝撃が伝わり、全身の不調をきたしたり、片足立ちをするとぐらぐらしたりするなど、平衡感覚がとりにくくなるからです。

    また、女性に多い外反母趾は実は横向きのアーチのくずれによるもので、関節や全身にまで影響を与えることがあります。

    足裏は非常に大切な部位です。ウォーキングやスポーツを始めるときは、シューフィッターのいる店で、自分の足に適した靴を買うことをおすすめします。

    また、足裏アーチを維持して扁平足を予防するために、青竹踏みや足裏のマッサージ、ストレッチ、足裏エクササイズ(足の下にタオルを置き、足の指でタオルをたぐり寄せる運動など)も有効です。

    インターネットで検索するといろいろなエクササイズが見つかります。ぜひ、やってみてください。

    なお、痛みがあるときは自己判断せず、必ず整形外科を受診しましょう。

    著者プロフィール

    山下武志(やました・たけし)

    著者:山下武志
    著者:山下武志

    日本循環器学会認定循環器専門医。心臓血管研究所・所長。
    1986 年東京大学医学部卒業。内科研修、東京大学医学部附属病院第二内科助手から、2000 年(財)心臓血管研究所付属病院に異動、2011 年(財)心臓血管研究所・所長ならびに付属病院院長を経て、2014 年より(公財)心臓血管研究所・所長。約30 年間にわたり、不整脈の診療、不整脈の成り立ちに関する基礎的な研究、不整脈に関する日本全国規模の大規模臨床研究や疫学研究に従事。日本心臓病学会特別正会員、日本内科学会認定内科医・指導医、日本不整脈心電学会理事。『世界一受けたい授業』(日本テレビ)、『ここが聞きたい!名医にQ』『きょうの健康』(以上、NHK)などTV 出演多数。
    不整脈診療の向上には、医師だけでなく、患者や患者家族の知識が欠かせないとの思いから、医師向けテキストをはじめ、『心房細動に悩むあなたへ 改訂版(NHK 出版 病気がわかる本)』(NHK 出版)、『心臓・血管の病気にならない本』(KK ベストセラーズ)などの書籍を多数執筆。

    ※情報は刊行当時のものです。

    書籍情報

    表紙
    表紙

    タイトル:専門医が教える 動悸・息切れ・胸の痛みが気になったら最初に読む本
    著者:山下武志
    ページ数:192ページ 
    価格:1,430円(10%税込) 
    発行日:2021年2月17日
    ISBN:978-4-86667-254-0
    http://www.asa21.com/book/b557081.html

    amazon:https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866672544/asapublcoltd-22/
    楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/16596846/?l-id=search-c-item-text-01

    目次

    第1章 その動悸は病気のサインかもしれない
    第2章 「あぶない不整脈」はこうして見つける
    第3章 専門医が教える「あぶない不整脈」の正しい治療法
    第4章 自分でできる!心臓・血管にやさしい健康法