プレスリリース
在宅医療機器の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「在宅医療機器の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Home Healthcare Equipment Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、在宅医療機器の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本の在宅医療機器市場は、2025年時点で21.6億米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)7.0%で拡大し、2035年には42.5億米ドルに達すると予測されている。市場拡大を支える主な要因は、高齢化、糖尿病など慢性疾患の増加、在宅療養への認知向上、比較的低コストで利用できる医療機器の普及、民間医療サービスの拡大、さらにデジタルヘルスや遠隔モニタリング技術の導入である。
在宅医療機器は、病院や診療所で行われてきた治療・測定の一部を自宅で実施できるようにする製品群であり、治療機器、診断・モニタリング機器、移動支援機器に大別される。高齢者や慢性疾患患者にとっては、通院回数を減らしながら継続的に健康状態を管理できることが大きな利点であり、日本の人口構造との親和性が高い市場である。
タイプ別では、治療機器が予測期間中に約40%を占める主要カテゴリーになるとされる。治療機器には、創傷ケア、透析、静脈内投与、睡眠時無呼吸治療、酸素供給、吸入器、人工呼吸器、インスリン投与機器などが含まれる。病院で行われていた治療の一部を自宅へ移す流れが、このカテゴリーの需要を押し上げている。
中でも創傷ケアは重要な分野である。高齢者や糖尿病患者では慢性創傷や皮膚トラブルが長期化しやすく、在宅で継続的な処置を行える製品への需要が高まる。2024年7月にはAMS BioteQが「SIPSIP Foam Wound Dressing」で日本市場へ参入し、PMDAの医療機器販売許可を取得したとされる。高吸収性、非接着性、組織再生支援などを特徴とする製品として紹介されており、高機能創傷ケアへの需要拡大を示している。
また、2023年4月にはGunzeがGunze Medicalを通じて創傷ケア製品の流通体制を強化し、人工真皮や創傷被覆材の供給拡大を進めたとされる。こうした取り組みは、専門的な創傷治療製品を病院だけでなく在宅療養へ広げるうえで重要になる。
糖尿病も市場の大きな需要源である。レポートでは、日本の20~79歳の糖尿病患者数は約1,076万人で、成人の約8%を占めるとしている。また、一人当たりの関連医療費は平均3,155.9米ドルとされる。この疾病負担を背景に、血糖測定器、インスリン投与機器、継続的な自己管理用デバイスへの需要が高まっている。
糖尿病管理では、患者が自宅で日常的に数値を確認できることが重要であり、血糖モニターやインスリンデリバリーデバイスは在宅医療機器市場の代表的な製品となる。今後は測定データをスマートフォンやクラウドへ送信し、医療従事者と共有する仕組みとの統合も進むと考えられる。
透析も在宅医療との関連が大きい。慢性腎疾患患者の一部では在宅透析が選択肢となり、透析装置、ダイアライザー、消耗品などの需要が生じる。Fresenius Medical Careは在宅透析機器や関連消耗品を提供する主要企業として挙げられており、病院外での腎疾患管理を支える役割を持つ。
呼吸器領域では、酸素濃縮器、酸素ボンベ、液体酸素システム、人工呼吸器、PAP機器などが含まれる。LindeはCOPDや睡眠時無呼吸などに対応する在宅酸素療法を提供し、設置、患者教育、メンテナンスまで含むサービスを展開しているとされる。
ResMedも睡眠・呼吸器領域の主要企業として挙げられ、AirSense 10 AutoSetやAirSense 11 AutoSetなどCPAP機器を展開している。ただし、資料内のResMedの企業説明では末尾に「Mexican home healthcare equipment market」とあり、日本市場のレポートとしては明らかな編集上の混入である。この部分は日本市場の分析根拠としては扱わない方がよい。
診断・モニタリング機器には、血糖モニター、心拍モニター、補聴器、活動量計、ECG機器、パルスオキシメーター、妊娠・排卵検査、HIV検査などが含まれる。これらは治療そのものではなく、患者自身が健康状態や疾病リスクを自宅で把握するための機器である。
デジタルヘルスとの統合は、この分野の重要な成長テーマである。測定機器から得られたデータをスマートフォン、クラウド、遠隔医療システムへ送信することで、医師や看護師が患者の状態を継続的に確認できる。これにより、異常の早期発見や不要な通院の削減につながる可能性がある。
特に高齢者では、複数の慢性疾患を抱えるケースが多く、血圧、血糖、酸素飽和度、心拍など複数指標を自宅で継続管理する需要が大きい。そのため、単一機器の性能だけでなく、複数デバイスを統合して管理できるプラットフォームの価値も高まっている。
移動支援機器では、車椅子、モビリティスクーター、歩行器、ロレータ、松葉杖、杖などが含まれる。日本では高齢者人口が多いため、疾病治療だけでなく日常生活の自立を支える機器も在宅医療市場の重要な一部となる。
適応症別では、がん、呼吸器疾患、移動障害、妊娠、心血管疾患、創傷ケア、糖尿病、聴覚障害などに分類される。レポートでは、がん分野が予測期間中に顕著な成長を示すとされているが、具体的な市場シェアやCAGRは示されていない。
がん患者では、治療期間が長期化することも多く、在宅での症状管理、栄養管理、疼痛管理、創傷ケア、モニタリングなど複数の在宅医療機器が必要になる可能性がある。高齢がん患者の増加も、在宅療養環境の整備を後押しする要因になる。
流通チャネル別では、小売薬局、病院薬局、オンライン薬局に分類され、歴史的には病院薬局が最大シェアを占めたとされる。高度な医療機器は医師の診断や治療計画と連動して導入されることが多いため、病院経由の供給が重要になる。
一方、小型モニターや一部の補助機器では、小売薬局やオンライン販売の重要性も高まりやすい。オンラインチャネルでは、自宅配送や消耗品の定期購入との相性が良く、今後の在宅医療拡大に伴って利用が増える可能性がある。
競争環境では、Fresenius Medical Care、Linde、Philips、ResMedが主要企業として紹介され、このほかAbbott、Roche、GE Healthcare、Omron Healthcareなどが挙げられている。
Philipsは、遠隔モニタリングや接続型医療機器を通じて在宅医療を支援する企業として位置付けられている。資料ではICU@home、高齢者ケア、緩和ケア、創傷療法、遠隔モニタリングなどが挙げられており、単一機器販売ではなく、在宅ケア全体を支えるソリューションを志向している。
Omron Healthcareは日本企業として、家庭用血圧計など日常的な健康管理機器で国内市場との接点が大きい。今回の資料では詳しい企業説明はないものの、在宅モニタリング市場における重要な国内プレイヤーとして捉えられる。
なお、2024年4月のAxceleadとTeijinによる「Axcelead Tokyo West Partners」の設立は、創薬研究支援を目的とする事業であり、在宅医療機器市場との直接的な関連は弱い。研究開発基盤強化という広い意味で医療産業へ貢献するものではあるが、在宅医療機器市場の主要な需要ドライバーとして扱うのは適切ではない。
総合すると、日本の在宅医療機器市場は2025年の21.6億米ドルから2035年には42.5億米ドルへほぼ倍増し、CAGR7.0%の比較的高い成長が見込まれる。市場の中心は治療機器で、約40%を占める見通しである一方、遠隔モニタリングやデジタル連携を伴う診断機器も今後の成長を支える。
市場の本質的な変化は、医療を「病院へ行って受けるもの」から「自宅でも継続的に受けるもの」へ広げる動きにある。治療、測定、リハビリ、移動支援を自宅で行えるようになれば、高齢者や慢性疾患患者の負担軽減だけでなく、医療機関側の外来・入院負担を抑えることにもつながる可能性がある。
2035年に向けた主要テーマは、「在宅治療」「糖尿病管理」「創傷ケア」「在宅透析」「酸素療法」「遠隔患者モニタリング」「デジタルヘルス」「高齢者向け移動支援」「オンライン流通」に集約できる。日本の在宅医療機器市場は、個別の家庭用医療機器を販売する市場から、治療・診断・モニタリング・生活支援を一体化する在宅ケア基盤市場へ発展していくと考えられる。
※目次構成
序文
1.1 調査目的
1.2 主要前提条件
1.3 レポート対象範囲 ― 主要セグメンテーションおよび分析範囲
1.4 調査方法エグゼクティブサマリー
在宅医療機器市場概要
3.1 アジア太平洋地域の在宅医療機器市場概要
3.1.1 アジア太平洋地域の在宅医療機器市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.1.2 アジア太平洋地域の在宅医療機器市場予測(2026~2035年)
3.2 日本の在宅医療機器市場概要
3.2.1 日本の在宅医療機器市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.2.2 日本の在宅医療機器市場予測(2026~2035年)
- 日本の在宅医療機器市場ランドスケープ
4.1 日本の在宅医療機器市場:開発企業ランドスケープ
4.1.1 設立年別分析
4.1.2 企業規模別分析
4.1.3 地域別分析
4.2 日本の在宅医療機器市場:製品ランドスケープ
4.2.1 タイプ別分析
4.2.2 適応症別分析
- 日本の在宅医療機器市場ダイナミクス
5.1 市場促進要因および制約要因
5.2 SWOT分析
5.2.1 強み
5.2.2 弱み
5.2.3 機会
5.2.4 脅威
5.3 PESTEL分析
5.3.1 政治的要因
5.3.2 経済的要因
5.3.3 社会的要因
5.3.4 技術的要因
5.3.5 法的要因
5.3.6 環境要因
5.4 ポーターの5フォース分析
5.4.1 サプライヤーの交渉力
5.4.2 買い手の交渉力
5.4.3 新規参入の脅威
5.4.4 代替品の脅威
5.4.5 競争の激しさ
5.5 主要需要指標
5.6 主要価格指標
5.7 業界イベント、主要施策およびトレンド
5.8 バリューチェーン分析
- 日本の在宅医療機器市場セグメンテーション(2019~2035年)
6.1 タイプ別・日本の在宅医療機器市場(2019~2035年)
6.1.1 治療用機器
6.1.1.1 創傷ケア機器
6.1.1.2 透析機器
6.1.1.3 静脈内投与機器
6.1.1.4 睡眠時無呼吸治療機器
6.1.1.5 酸素供給システム
6.1.1.6 吸入器
6.1.1.7 人工呼吸器
6.1.1.8 インスリン投与デバイス
6.1.1.9 その他
6.1.2 患者診断・モニタリング機器
6.1.2.1 血糖モニター
6.1.2.2 心拍数モニター
6.1.2.3 補聴器
6.1.2.4 活動量モニター・リストバンド
6.1.2.5 EKG/ECG機器
6.1.2.6 パルスオキシメーター
6.1.2.7 排卵・妊娠検査キット
6.1.2.8 HIV検査キット
6.1.2.9 その他
6.1.3 移動補助・支援機器
6.1.3.1 車椅子
6.1.3.2 モビリティスクーター
6.1.3.3 歩行器・ロレータ
6.1.3.4 松葉杖
6.1.3.5 杖
6.1.3.6 その他
6.2 適応症別・日本の在宅医療機器市場(2019~2035年)
6.2.1 がん
6.2.2 呼吸器疾患
6.2.3 運動機能障害
6.2.4 妊娠
6.2.5 心血管疾患
6.2.6 創傷ケア
6.2.7 糖尿病
6.2.8 聴覚障害
6.2.9 その他
6.3 流通チャネル別・日本の在宅医療機器市場(2019~2035年)
6.3.1 小売薬局
6.3.2 病院薬局
6.3.3 オンライン薬局
規制枠組み
資金調達・投資分析
8.1 資金調達件数別分析
8.2 資金調達タイプ別分析
8.3 資金調達額別分析
8.4 主要企業別分析
8.5 主要投資家別分析
8.6 地域別分析戦略的取り組み
9.1 パートナーシップ件数別分析
9.2 施策タイプ別分析
9.3 主要企業別分析
9.4 地域別分析サプライヤーランドスケープ
10.1 ベンダーポジショニング分析
10.1.1 主要ベンダー
10.1.2 将来有望なリーダー企業
10.1.3 ニッチ市場のリーダー企業
10.1.4 ディスラプター/市場変革企業
10.2 国別市場シェア分析(上位5社)
10.3 Fresenius Medical Care AG
10.3.1 財務分析
10.3.2 製品ポートフォリオ
10.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.3.4 企業ニュースおよび事業展開
10.3.5 認証
10.4 Abbott
10.4.1 財務分析
10.4.2 製品ポートフォリオ
10.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.4.4 企業ニュースおよび事業展開
10.4.5 認証
10.5 Linde plc
10.5.1 財務分析
10.5.2 製品ポートフォリオ
10.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.5.4 企業ニュースおよび事業展開
10.5.5 認証
10.6 F. Hoffmann La Roche
10.6.1 財務分析
10.6.2 製品ポートフォリオ
10.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.6.4 企業ニュースおよび事業展開
10.6.5 認証
10.7 Koninklijke Philips N.V.
10.7.1 財務分析
10.7.2 製品ポートフォリオ
10.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.7.4 企業ニュースおよび事業展開
10.7.5 認証
10.8 Resmed
10.8.1 財務分析
10.8.2 製品ポートフォリオ
10.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.8.4 企業ニュースおよび事業展開
10.8.5 認証
10.9 GE Healthcare
10.9.1 財務分析
10.9.2 製品ポートフォリオ
10.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.9.4 企業ニュースおよび事業展開
10.9.5 認証
10.10 Omron Healthcare Co., Ltd.(オムロン ヘルスケア株式会社)
10.10.1 財務分析
10.10.2 製品ポートフォリオ
10.10.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.10.4 企業ニュースおよび事業展開
10.10.5 認証
日本の在宅医療機器市場 ― 流通モデル(追加分析)
11.1 概要
11.2 潜在的な販売・流通事業者
11.3 流通パートナー評価の主要項目キーオピニオンリーダー(KOL)インサイト(追加分析)
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