報道関係者各位
    プレスリリース
    2026年9月14日 17:25
    東京昭和医院

    不整脈治療に新たな可能性 3Dマッピングで治療標的をより正確に把握

    非典型AVNRTのカテーテル治療を検証 前田真吾医師らの研究が「JACC: Clinical Electrophysiology」に掲載

     突然脈が速くなり、動悸や息苦しさなどを引き起こす不整脈の一つに、「房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)」がある。心臓内で電気信号が一定の回路を繰り返し巡ることで、心拍数が急激に上昇する病気だ。治療には、不整脈の回路に関わる組織をカテーテルで焼灼する「カテーテルアブレーション」が広く行われている。
     一方、AVNRTには、一般的なタイプとは電気信号の伝わり方が異なる「非典型AVNRT」がある。従来の方法では治療すべき部位を正確に捉えることが難しい場合もあり、不整脈の回路をより詳しく把握する方法が求められてきた。
     こうした課題に対し、前田真吾医師らの研究グループは、心臓内の電気信号の伝わり方を立体的に可視化する三次元電気解剖学的マッピング(3Dマッピング)を活用。非典型AVNRTの回路から電気信号が心房へ伝わる「出口」を詳しく解析した。研究成果は2023年、循環器・不整脈領域の専門誌「JACC: Clinical Electrophysiology」に掲載された。
     研究では、非典型AVNRTを認めた14例における計19種類の頻拍を解析した。その結果、電気信号の出口として、冠静脈洞(CS)側の「左下方進展(LIE)」だけでなく、三尖弁輪側の「右下方進展(RIE)」も確認された。また、同一患者で左右両方の出口が確認されたケースもあった。
     注目されるのは、これまで臨床上十分に認識されていなかったRIEが、約半数の症例で不整脈の回路に関与していた点だ。限られた部位を調べる従来の方法では、こうした出口を見逃す可能性がある。3Dマッピングを用いて広い範囲を調べることで、治療標的をより正確に把握できる可能性が示された。
     実際に、特定された出口などを標的に治療を行った結果、14例中13例(93%)でAVNRTの治療に成功し、本研究では合併症は認められなかった。
     今回の研究は、従来の標準的な焼灼部位に加え、患者ごとの電気信号の伝わり方を3Dで「見える化」し、不整脈の回路に関わる部位を特定して治療することの意義を示している。
     研究グループは、局所的な電気信号を手がかりとする従来の治療から、冠静脈洞や三尖弁輪を広く3Dマッピングし、LIE・RIEの出口を特定して標的とする治療への転換を「パラダイムシフト」と位置づけている。
     対象が14例と限られていることから、今後はより多くの患者を対象とした検証や長期的な経過観察が必要となる。本研究は、複雑な非典型AVNRTに対し、患者一人ひとりの不整脈回路に応じた、より精密で選択的なカテーテル治療につながる可能性を示した。

    東京昭和医院について
    東京昭和医院は、東京都港区麻布十番に所在する医療機関である。内科、循環器内科、皮膚科などの保険診療に加え、予防医療、再生医療、健康診断などを提供している。
    名称: 東京昭和医院
    所在地: 〒106-0045 東京都港区麻布十番三丁目1番6号
    総院長: 前田 真吾
    診療科: 内科、循環器内科、皮膚科
    アクセス: 東京メトロ南北線・都営大江戸線「麻布十番駅」1番出口より徒歩約3分
    電話: 03-6811-5618