プレスリリース
雪印メグミルクと雪印ビーンスタークの母乳調査 国内初 日本人母乳中の糖鎖の濃度変化を詳細に解析
「第44回日本糖質学会年会」にて発表
雪印メグミルク株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:佐藤 雅俊)は、雪印ビーンスターク株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:松永 政也)と共同で実施している第3回全国母乳調査で、母乳中に豊富に含まれる糖たんぱく質糖鎖※1について、国内で初めて※出産後の濃度変化を詳細に解析し、その研究成果を2025年10月2日から4 日まで開催された「第44回日本糖質学会年会」において発表いたしました。
※雪印メグミルク調べ 2025年9月12日時点
■発表概要
【測定内容】
20名の母親から提供された、出産後日数の異なる母乳に含まれる28種類の糖たんぱく質糖鎖の濃度を最新の分析技術で測定しました。
注)図中の丸や四角等の記号は、糖鎖を構成しているマンノースやシアル酸などを示している。

【結果】
出産後の日数に伴い、大半の糖たんぱく質糖鎖は濃度が減少しましたが、一部の糖たんぱく質糖鎖は逆に濃度が上昇するなど、糖たんぱく質糖鎖の種類によって異なる濃度変化パターンを示すことを見出しました。
母乳には赤ちゃんの健康や発育を支える様々な成分が含まれています。その中でも糖たんぱく質糖鎖やヒトミルクオリゴ糖(HMO)※2は、赤ちゃんの腸内環境の形成や免疫機能の発達にとって重要な役割を担っています。HMOの化学構造や母乳中の濃度については、これまでに詳細に調べられてきました。しかし、母乳中の糖たんぱく質糖鎖の化学構造は多様で、分析には煩雑な前処理と高度な解析技術が必要なため、糖たんぱく質糖鎖の濃度が出産後日数の経過に伴いどのように変化するかは、ほとんど明らかにされていませんでした。今回、雪印メグミルクと雪印ビーンスタークが国内で初めて出産後の濃度変化を詳細に解析した結果を明らかにしました。
濃度が変化した糖鎖は赤ちゃんの発育に重要である可能性があるため、本研究成果を活用し、母乳の成分と機能のより深い理解に努め、赤ちゃんの成長に応じて最適な育児用ミルクや機能性素材の製品化を推進してまいります。
【第44回日本糖質学会年会】
会 期:2025年10月2日(木)~4日(土)
演題名:母乳中のN/O結合型糖鎖濃度の泌乳期変化
発表者:山口敏幸1、辻森祐太2、酒井史彦1、日暮聡志2、福留博文1
1 雪印メグミルク株式会社、2 雪印ビーンスターク株式会社
※1 糖鎖
複数の糖が鎖のようにつながったものを指します。たんぱく質に結合した糖鎖は、糖たんぱく質糖鎖と呼ばれ、結合部位の違いから、N結合型糖鎖とO結合型糖鎖に分かれます。これらの糖鎖は、細胞の認識、免疫、たんぱく質の安定化、腸内環境の形成など様々な役割を担っていると考えられています。
※2 ヒトミルクオリゴ糖(HMO)
母乳に多く含まれるオリゴ糖です。乳児の腸内環境の形成を助けたり、免疫機能の発達を促進したりする働きが知られています。また、感染症予防や知的発達への影響など、数多くの健康機能が研究されています。
■本件に関する雪印ビーンスターク㈱へのお問い合わせ
雪印ビーンスターク株式会社
ウェルネス事業部 広報担当
TEL 03-3226-2335
E-mail m990020@beanstalksnow.co.jp