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プレスリリース
2025年7月26日 17:00
MEDEL GALLERY SHU

「偶然を楽しむ心」が生んだ。愛らしい動物たちに囲まれて…山下圭介個展「Planed Happenstance #02」

MEDEL GALLERY SHUでは、8月15日より27日まで山下圭介の個展「Planed Happenstance #02」を開催いたします。

OVERVIEW

MEDEL GALLERY SHUでは、8月15日より27日まで山下圭介の個展「Planed Happenstance #02」を開催いたします。

山下圭介は木材に着色を施し、削っては色を重ねる「Layered」という独自の技法で作品を制作している作家です。
木材に複数色を重ねては削ることで、予想を超えるグラデーションや形の重層性を引き出す表現を主軸に、常に新たな色味や輪郭を探求しています。
また、木材という自然素材と色彩の重層が編み出す作品は、物と物の「間」や「余白」「背景」といった目には見えにくい存在を可視化し、彫刻・絵画・インスタレーションを横断する表現世界を構築しています。
一つとして同じものがない偶然を楽しむ先に生まれる山下の作品は、その可愛らしいポップな色も相まって見る者に対して生きることへの明るい希望を優しく照らし示してくれるようです。

「楽しむ」

この後に続く山下のステイトメントにもしばしば見られる言葉。
それをまさに体現した作家の意思を継ぐ動物たちの中で何を感じ取るか。

本展を通じて形と色の間に漂う偶然の積層から、自身の中にもある“見えない余白”を感じ取っていただけると幸いです。

「Planed happenstance」は偶然を楽しむ自分の人生そのものであり、表現スタイルそのものを指す言葉だと考え、展覧会タイトルに掲げました。現在住んでいる北海道に来てからは、様々な人の出会いや影響がないと今の自分はいないという考えを特に抱くようになりました。小さな出会いや瞬間的な出来事の一つ一つが今の自分を作っているのだと思います。今回の展示で扱っている動物モチーフの作品はそんな出会いの蓄積によって生まれた作品であると感じてもらえたら嬉しいです。
山下圭介

山下圭介 | Keisuke Yamashita

今回の展示を構成している「Layered」シリーズは、木材に着色を施した作品です。削っては色を重ね、更に削っては色を重ね、下地で塗った色と上から重なる色が組み合わせることで幾重にもグラデーションができることを見出して以来、毎回違う色味、違う形になる、自分の予想を超えてくる表現が気に入り、現在もなお、この方法を主軸にし、作品制作を続けています。
展覧会タイトルに付けた「Planed happenstance(プランド・ハプスタンス/ハップンスタンス)」という言葉は大学在学中に心理学の教養講義で初めて耳にした言葉です。「計画された偶然性」や「計画的偶発性理論」と訳されることが多いのですが、ジョン・D・クランボルツ(Krumboltz.J.D)が提唱した理論で、人生のキャリア形成において人生の分岐点となるターニングポイントや人との出会いなど、いわゆる「人生が変わるキッカケ」のような出来事は自分自身の外側の要因によって生まれるという考え方です。
自分の生い立ちについて振り返ってみると、香川、奈良、愛知、北海道と国内を移り住んできた経緯からも、自分が選んだ道に自分以外の要素が加わり、少しづつ進もうとしていた道からズレたり、ときにそれを楽しみながら生きている状況は、この理論に沿った生き方のように感じています。

プロフィール
1987年香川県坂出市生まれ。2016年愛知県立芸術大学大学院 美術研究科博士後期課程修了。在学期間終了後、拠点を奈良県に移し、教員、美術造形業に従事しながら作品発表活動を続ける。2020年北海道に拠点を移し、現在に至る。北翔大学教育文化学部芸術学科准教授。
日常における物と物の「間」や物の「余白」、「背景」など目で捉えることのできない事柄をモチーフに彫刻、絵画、インスタレーションなどの作品を制作している。
今回の展示では数年に渡り手掛けてきた「Layered」シリーズの中でも新作となるanimalsとdrawingを中心に、偶然性と出会いをテーマに作品を構成している。

【CV】
2011/02 山下圭介展 (ギャラリーArtislong (京都府京都市))
2012/11 Fresh 2012 山下 圭介展「昨日が今日で、今日が明日」 (伊勢現代美術館別館宇空(三重県伊勢市))
2013/09 山下圭介展 「perch」 (GalleryFINGER FORUM(愛知県名古屋市))
2015/10 山下 圭介展 彫刻された日常- Carved daily life – (愛知県立芸術大学藤沢アートハウス(愛知県豊田市))
2017/06 山下圭介展 [Re:] (タネリスタジオビルヂング)
2023/05 Vol 15 山下圭介 「Rain」 (D’s LOUGE SAPPORO CAI04ギャラリー(北海道札幌))
2024/01 山下圭介展 Be my rain (Art & Café Barrack(愛知県瀬戸市))
2025/03 山下圭介展 Planed happenstance (brew gallery(北海道白老町))

2021/09 飛生芸術祭(北海道)出展 以後毎年参加

MEDEL GALLERY SHU

MEDEL GALLERY SHU|愛でるギャラリー祝
https://medelgalleryshu.com/
東京都渋谷区神宮前4-28-18
カトル・バン原宿B1
info@medelgalleryshu.com
13:00〜19:00(最終日は17時まで)
木曜休廊

MEDELとは、日本語で「物の美しさをほめ味わうこと」を意味する「愛でる」からきています。唯一無二のアートを賞美し、慈しむという行為を介して、アーティストと鑑賞者、ギャラリーの間に喜びの行き交いが成立してほしいという想いを込め名づけました。“時代を共にする人々にとっての財産であり、未来の社会を照らす火である”とアーティストの活動・作品を定義し、人々の心に残る独創性に富んだスタイルの作品を鑑賞者と共に愛でつつ、次世代に残るようなマーケットや美術史的評価を確立してゆくことが当ギャラリーのミッションです。そのような私たちの活動を通して、独創的な表現を受け容れる多様な社会的風土の醸成に資することができれば、これに勝る喜びはありません。