プレスリリース
第40回(2025)京都賞受賞者決定
公益財団法人稲盛財団(理事長:金澤しのぶ)は第40回(2025)京都賞の受賞者を以下の3名に決定しました。京都賞は、科学や文明の発展、また人類の精神的深化・高揚に著しく貢献した方々を讃える国際賞です。
授賞式は11月10日、国立京都国際会館で行われ、受賞者にはそれぞれディプロマ、京都賞メダル、賞金1億円が贈られます。
詳細URL: https://www.kyotoprize.org/250620
第40回(2025)京都賞受賞者の3名
■先端技術部門 授賞対象分野:情報科学
甘利 俊一/数理工学者
帝京大学 特任教授
理化学研究所 栄誉研究員
【人工知能の理論的基盤を拓く先駆的貢献と情報幾何学の確立】
人工ニューラルネットワークにおける先駆的な研究を行うとともに、微分幾何学の手法を用いて統計モデルを研究する情報幾何学の分野を確立して多くの重要な理論を提唱した。さまざまな分野に影響を与える理論と応用の両面にわたる貢献は、今なお極めて大きな意義を持ち続けている。
■基礎科学部門 授賞対象分野:生命科学及び医学(分子生物学・細胞生物学・システム生物学等)
アジム・スラーニ/発生生物学者
ケンブリッジ大学 ガードン研究所 研究ディレクター
【哺乳類におけるゲノムインプリンティングの発見および分子機構の解明】
哺乳類の正常な発生には父親および母親由来両性のゲノムが必須なことを示した上で、それぞれに特異的な修飾と相補的な機能を付与するゲノムインプリンティングを発見した。加えて、作動機序の解明も先導し続け、生命科学の広範な分野にわたる基盤的知見の形成に貢献した。
■思想・芸術部門 授賞対象分野:思想・倫理
キャロル・ギリガン/心理学者
ニューヨーク大学 ユニバーシティ・プロフェッサー
【女性の思考と行動の分析を通じて従来の心理学理論の歪みと限界を指摘し、「ケアの倫理」の新たな地平を開拓】
人びとの関係性を重視する「ケア」の観点を女性の道徳観として劣位に置く従来の心理学理論が、人格形成のモデルを狭隘にしている点を批判し、「正義の倫理」と「ケアの倫理」との編み合わせを展望することで、ケアに関わるグローバルな課題に取り組む新たな学問的基礎を築いた。
■稲盛財団・京都賞公式ウェブサイトおよびSNSアカウント
稲盛財団公式サイト : https://www.inamori-f.or.jp
京都賞公式サイト : https://www.kyotoprize.org
京都賞公式Facebook : https://www.facebook.com/KyotoPrize
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京都賞公式Instagram: https://www.instagram.com/kyoto.prize