報道関係者各位
プレスリリース
プレスリリース
2025年4月17日 11:00
NIQ/GfK Japan
法人向けは二けた継続成長、個人向けは5年ぶりプラス成長へ ーWindows 10サポート終了目前、2025年国内PC市場見通しー
NIQ/GfK Japanは、国内におけるパソコンの2024年販売動向、及び25年の見通しを発表した*1。Windows 10サポート終了を目前に控え、25年の国内PC市場は前年比14%増の1,560万台となる見通しである。ただし、世界経済の動向に加え、米国や各国による相互関税措置の動向によってはPC部品や製品価格への影響も懸念され、今後の市場においては価格変動が不確実性要因となる点には留意が必要である。
【法人向けPC市場動向:Windows 10サポート終了に向けリプレイス加速】
2024年の法人向けPC市場は、前年比21%増の1,060万台と大きく伸長した。年が明けた25年1-2月期においても、法人向けPC市場は前年同期比30%増と引き続き高い成長率を維持しており、拡大基調が継続している。主な要因として、25年10月に控えたWin10サポート終了を見据えた計画的なリプレイスが進んだことが拡大に繋がったものとみられる。特に24年後半より、セキュリティ機能や、デバイス管理に優れたWindows 11 Pro搭載のモデルが数量構成比70%を超えて推移している。ハイブリッドワーク定着といった労働環境の変化と、それに即したPCへの投資が堅調であったことも背景にあるとみられる。
25年通年では、法人向けPC市場はWin10サポート終了に伴うリプレイス需要がピークを迎えることが最大の押し上げ要因となり、前年比16%増の1,240万台を見込む。DX推進を背景に、データ分析やAIの活用、高度な設計・開発ソフトウェア利用に対応する高性能PCの需要が増加するだろう。また、引き続きハイブリッドワーク環境下でのセキュリティ確保のため、Windows 11 Pro搭載デバイスへの需要は一層高まると考えられる。さらに、GIGAスクール構想で導入された端末の更新需要も一部で発生し始めることが予想される。20年前後に「GIGAスクール構想」によって導入された学習用PCが、導入から4、5年を経過し、買い替えタイミングを迎えるものとみられる。これらによって、引き続き堅調な市場環境となるだろう。
【個人向けPC市場動向:リプレイス需要により5年ぶりプラス成長へ、AI PCへの期待も】
24年に大きく拡大した法人向け市場に対して、個人向けPC市場は前年比6%減の300万台となり、20年の特需以降の縮小傾向が継続した。24年個人向けPCの税抜き平均価格は135,000円とここ3年で22%上昇しており、近年の物価高も加わって、PCの購入が先送りにされた可能性が要因の一つとして挙げられる。また、PCの使用用途という観点では、動画視聴等のライトユース層と、オンライン学習、動画編集、ゲーム等で高性能を求める層との二極化が進んだとみられ、これも市場全体が縮小した要因と考えられる。特にライトユースの消費者にとっては動画視聴をスマートフォンで代替するケースも増えているとみられることから、「PCならではの価値」を感じにくい状況があったかもしれない。
しかし、25年に入り、市場には回復の兆しが見られる。25年1‐2月では数量ベースで前年から8%拡大した。最大の要因は、法人市場と同様、25年10月に控えるWindows 10サポート終了に伴う買い替え需要である。個人ユーザーにおいてもOSサポート終了の認知が広がり、一定程度買い替えが始まっているものとみられる。この傾向は、サポートが終了する今年10月前後まで継続するだろう。
しかし、25年に入り、市場には回復の兆しが見られる。25年1‐2月では数量ベースで前年から8%拡大した。最大の要因は、法人市場と同様、25年10月に控えるWindows 10サポート終了に伴う買い替え需要である。個人ユーザーにおいてもOSサポート終了の認知が広がり、一定程度買い替えが始まっているものとみられる。この傾向は、サポートが終了する今年10月前後まで継続するだろう。
25年の個人向けPC市場は前年比6%増の320万台と、5年ぶりのプラス成長に転じると予測する。前述のWindows 10のサポート終了に伴う買い替え需要に加えて、20年のコロナ禍特需で購入されたPCが約5年を経て買い替えのタイミングを迎えることも需要を下支えするとみられる。さらにコロナ禍を経て定着した、高画質動画のストリーミング視聴、オンラインゲーム、行政手続き・ネットバンキングなど、変化したライフスタイルに対応するためのPC性能向上も、市場回復を後押しするだろう。
ここで注目すべきは、高性能PCである「AI PC*2」の動向である。同製品の24年数量構成比は前年から3%ポイント増の25%を占め、25年1-2月においても同構成比は前年から6%ポイント増の27%と拡大傾向にある。また、AI PCのブランドとして24年6月に登場した「Copilot+PC」についても、数量ベースでは市場全体の1%程度ではあるものの、月を追うごとに拡大しており、関心の高まりを予感させる。 AI機能がもたらすパーソナライズされたアシスタント機能、写真・動画編集の効率化、よりリアルなゲーム体験などが新たな付加価値として消費者に広く受け入れられれば、単なるリプレイス需要を超えた市場活性化の起爆剤となる可能性を秘めている。また、AIによる操作の簡便化は、初心者やデジタルに不慣れな消費者の利用ハードルを下げることも考えられる。今後の普及の鍵は、具体的なメリットが価格に見合うものとして消費者に広く理解されるかという点であるとみられ、PC市場全体へ及ぼす影響にも注目したい。
ここで注目すべきは、高性能PCである「AI PC*2」の動向である。同製品の24年数量構成比は前年から3%ポイント増の25%を占め、25年1-2月においても同構成比は前年から6%ポイント増の27%と拡大傾向にある。また、AI PCのブランドとして24年6月に登場した「Copilot+PC」についても、数量ベースでは市場全体の1%程度ではあるものの、月を追うごとに拡大しており、関心の高まりを予感させる。 AI機能がもたらすパーソナライズされたアシスタント機能、写真・動画編集の効率化、よりリアルなゲーム体験などが新たな付加価値として消費者に広く受け入れられれば、単なるリプレイス需要を超えた市場活性化の起爆剤となる可能性を秘めている。また、AIによる操作の簡便化は、初心者やデジタルに不慣れな消費者の利用ハードルを下げることも考えられる。今後の普及の鍵は、具体的なメリットが価格に見合うものとして消費者に広く理解されるかという点であるとみられ、PC市場全体へ及ぼす影響にも注目したい。
*1. 全国の家電・IT製品取扱店約1万店(量販店、専門店等)の販売実績に基づく
*2. NPU(人工知能の処理に適したプロセッサ)を搭載した製品