プレスリリース
動物飼料の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「動物飼料の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Animal Feed Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、動物飼料の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本の動物飼料市場は、2025年時点で約21.43キロトンに達しており、2026~2035年の予測期間には年平均成長率(CAGR)1.50%で拡大し、2035年には約24.87キロトンに達すると見込まれている。市場の成長率自体は比較的緩やかだが、畜産物需要の増加、飼料生産技術の高度化、畜産業の規模拡大、水産養殖分野の成長、さらにペットフード市場の拡大などが継続的な需要を支えている。
需要面では、動物性タンパク質に対する消費者需要の増加が重要な成長要因となっている。日本では食生活の欧米化やグローバル化の影響を受け、特に豚肉や鶏肉の消費が増加する傾向がみられており、これに伴って養豚・養鶏向け飼料の需要も高まっている。畜産業者は安定した生産量と品質を確保する必要があるため、栄養バランスを調整した配合飼料や用途別専用飼料への依存度が高まっている。
飼料生産技術の進歩も市場の重要なトレンドである。新しい製造技術は、生産効率を高めるだけでなく、飼料の栄養価や消化吸収性を向上させることを目的としている。特に、家禽、豚、水産養殖など畜種ごとに必要な栄養構成が異なるため、アミノ酸、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどを最適化した専用飼料の開発が進んでいる。こうした技術革新は、飼料コストの抑制、生産性向上、飼育期間の短縮などにもつながるため、畜産業者にとって重要性が高い。
畜産業の規模拡大も市場を押し上げている。動物性タンパク質への需要が増えるにつれ、家禽、豚、牛、水産動物などの飼養頭数や生産量を増やす動きが進み、それに比例して飼料生産量も増加している。特に大規模経営では、生産効率を高めるために標準化された高機能飼料を大量に使用する傾向が強く、これが配合飼料市場の安定需要につながっている。
一方で、トウモロコシや大豆など従来型の主要飼料原料の価格上昇や供給リスクは、市場にとって課題となっている。こうした状況を背景に、藻類、昆虫ミール、植物由来タンパク質などの代替飼料原料への関心が高まっている。これらの代替原料は、従来の穀物原料への依存を減らせるだけでなく、持続可能性や資源循環の観点でも注目されている。特に昆虫由来タンパク質は、食品残渣などを利用しながら高タンパク原料を生産できるため、将来的な飼料原料の多様化において重要な役割を果たす可能性がある。
この分野では日本企業による投資も進んでいる。2024年2月には、住友商事がブラジル・サンパウロに拠点を置くバイオテクノロジー企業Cynsのシード資金調達ラウンドへ共同投資した。Cynsは南米で持続可能な昆虫由来動物飼料の生産を手掛けており、両社は商業提携契約も締結した。これにより、住友商事のブラジル子会社がアメリカ地域でCyns製品の用途開発、研究、マーケティングを担うこととなり、昆虫由来飼料の商業化を推進する取り組みとして注目されている。
鶏肉・食肉生産の拡大は、日本の動物飼料市場における主要な需要促進要因の一つである。日本国内では鶏肉やその他の食肉に対する消費が高水準で推移しており、それに対応して生産量も増加している。米国農務省(USDA)の推計では、2022年1月から2023年にかけて日本の鶏肉・食肉生産量は177万トン程度で安定していたとされる。今後、食生活の変化や国際的な食文化の浸透によって肉類消費がさらに増加すれば、養鶏・養豚向け飼料需要も継続して拡大するとみられる。
特にブロイラーの大規模飼育が進んでいることは、飼料消費量の増加に直結している。USDAによると、2023年2月時点で日本のブロイラー飼養羽数は前年比で約2%増加したとされる。その中でも30万羽以上を飼育する大規模ブロイラー農場が成長の大きな部分を占めており、こうした大規模施設では安定した栄養設計と供給体制を持つ専用ブロイラー飼料が必要になる。そのため、単純な飼料量の増加だけでなく、高効率・高栄養型の専用飼料市場が拡大する可能性が高い。
水産分野も重要な成長領域である。日本は水産物の生産・輸出基盤を持ち、魚肉、魚油、魚脂肪およびその分別製品などの輸出拡大が高品質な水産飼料、いわゆるアクアフィードの需要を押し上げている。世界銀行のデータによれば、2023年に日本は冷凍魚肉を約86万9,873kg輸出し、輸出額は約1,114万9,000米ドルに達した。また、魚油、魚脂肪およびその分別製品の輸出額は同年に約7,019万2,000米ドルとされる。日本は主要輸出市場に近く、港湾・海運インフラも整備されているため、水産物輸出が今後さらに伸びれば、養殖業向けの高品質飼料需要も拡大する可能性がある。
ペット人口の増加も、動物飼料関連企業に新たな事業機会をもたらしている。日本のペット人口は2023年に約5,580万匹に達し、過去5年間で約0.6%増加したとされる。また、日本向けペットフードの主要輸出国であるカナダ政府の予測では、2028年までに猫の飼育数は約860万匹、犬は約620万匹に達する可能性がある。日本のペットフード市場規模は約42億米ドルと推定され、世界第9位の規模とされている。ペットの家族化や高齢化に伴い、プレミアムフード、機能性フード、健康管理用飼料などへの需要も伸びており、動物飼料メーカーにとって畜産以外の重要市場となっている。
市場はタイプ別に、粗飼料・飼料作物と配合飼料に分類される。粗飼料・飼料作物は主に牛など反芻動物向けに利用され、牧草、乾草、サイレージなどが含まれる。一方、配合飼料はトウモロコシ、大豆粕、ビタミン、ミネラル、その他添加物を用途に応じて調整したもので、豚、家禽、水産養殖などで広く使用される。日本では生産効率や栄養管理の重要性が高いため、配合飼料が市場の中心的な役割を担っている。
畜種別では、豚、水産動物、牛、家禽、その他に分類される。養豚・養鶏分野は食肉需要に支えられて安定した飼料需要を形成しており、水産動物向けは輸出や養殖業の高度化を背景に成長余地が大きい。牛向けでは、乳牛・肉牛の飼養に必要な粗飼料と配合飼料の両方が需要の中心となる。また、その他のカテゴリーにはペットや特殊飼育動物などが含まれ、今後はペットフード関連需要の存在感が高まる可能性がある。
原材料別では、大豆、トウモロコシ、その他に区分される。このうちトウモロコシが最大の市場シェアを占めている。トウモロコシは炭水化物が豊富で、家畜に効率的にエネルギーを供給できるため、特に鶏や豚などエネルギー需要の高い畜種向け飼料に不可欠な原料である。また、世界的に供給量が多く、比較的コスト効率が高いことから、大量生産型の配合飼料に適している。一方、大豆は高タンパク源として重要であり、特に大豆粕はアミノ酸供給源として幅広く利用されている。
競争環境では、各社が市場で優位性を確立するため、栄養効率、消化吸収性、成長促進、健康維持、環境負荷低減などを重視した革新的な飼料製品の開発を進めている。単純な価格競争だけでなく、原料調達の安定性、代替タンパク源の活用、畜種別の精密栄養設計、持続可能性への対応などが重要な差別化要因になっている。
主要企業としては、Alltech Inc.、FEED ONE CO., LTD.、Nutreco N.V.、Archer-Daniels-Midland Company、Marubeni Nisshin Feed Co., Ltd.、Showa Sangyo Co., Ltd.、Mitsubishi Corporation傘下のNosan Corporationなどが挙げられている。これらの企業は、配合飼料、飼料原料、添加物、畜種別栄養ソリューションなどを幅広く提供しており、日本国内の畜産・水産業における安定供給と高付加価値化を支えている。
総じて、日本の動物飼料市場は、2026~2035年のCAGRが1.50%と緩やかな成長にとどまるものの、食肉需要の安定、大規模養鶏・養豚の拡大、水産養殖と水産物輸出の伸び、ペットフード市場の拡大などにより、底堅い需要が続くと考えられる。一方で、穀物原料価格の上昇や輸入依存、持続可能性への対応が大きな課題となるため、今後は昆虫ミール、藻類、植物性タンパク質などの代替原料、飼料生産の効率化、精密栄養技術などが市場成長の重要なテーマになるとみられる。量的拡大が限定的な成熟市場であるからこそ、企業にとっては、高機能化、原料多様化、持続可能性、用途別の専門化による付加価値向上が競争力を左右すると考えられる。
※目次構成
エグゼクティブサマリー
1.1 市場規模(2025~2026年)
1.2 市場成長予測(2026年予測~2035年予測)
1.3 主な需要促進要因
1.4 主要企業と競争構造
1.5 業界のベストプラクティス
1.6 最新動向と最近の展開
1.7 業界見通し市場概要およびステークホルダー分析
2.1 市場動向
2.2 主要産業分野
2.3 主要地域
2.4 サプライヤーの交渉力
2.5 買い手の交渉力
2.6 主な市場機会とリスク
2.7 ステークホルダーによる主要施策経済概要
3.1 GDP見通し
3.2 一人当たりGDPの成長
3.3 インフレ動向
3.4 民主主義指数
3.5 政府総債務比率
3.6 国際収支(BoP)の状況
3.7 人口見通し
3.8 都市化動向カントリーリスク分析
4.1 カントリーリスク
4.2 ビジネス環境アジア太平洋地域の飼料市場概要
5.1 主要業界ハイライト
5.2 アジア太平洋地域の飼料市場の過去実績(2019~2025年)
5.3 アジア太平洋地域の飼料市場予測(2026~2035年)日本の飼料市場概要
6.1 主要業界ハイライト
6.2 日本の飼料市場の過去実績(2019~2025年)
6.3 日本の飼料市場予測(2026~2035年)種類別・日本の飼料市場
7.1 粗飼料・牧草
7.1.1 過去の推移(2019~2025年)
7.1.2 予測推移(2026~2035年)
7.2 配合飼料
7.2.1 過去の推移(2019~2025年)
7.2.2 予測推移(2026~2035年)
- 畜種別・日本の飼料市場
8.1 豚
8.1.1 過去の推移(2019~2025年)
8.1.2 予測推移(2026~2035年)
8.2 水産動物
8.2.1 過去の推移(2019~2025年)
8.2.2 予測推移(2026~2035年)
8.3 牛
8.3.1 過去の推移(2019~2025年)
8.3.2 予測推移(2026~2035年)
8.4 家禽
8.4.1 過去の推移(2019~2025年)
8.4.2 予測推移(2026~2035年)
8.5 その他
- 原材料別・日本の飼料市場
9.1 大豆
9.1.1 過去の推移(2019~2025年)
9.1.2 予測推移(2026~2035年)
9.2 トウモロコシ
9.2.1 過去の推移(2019~2025年)
9.2.2 予測推移(2026~2035年)
9.3 その他
- 市場ダイナミクス
10.1 SWOT分析
10.1.1 強み
10.1.2 弱み
10.1.3 機会
10.1.4 脅威
10.2 ポーターの5フォース分析
10.2.1 サプライヤーの交渉力
10.2.2 買い手の交渉力
10.2.3 新規参入の脅威
10.2.4 競争の激しさ
10.2.5 代替品の脅威
10.3 主要需要指標
10.4 主要価格指標
- 競争環境
11.1 サプライヤー選定
11.2 主要グローバル企業
11.3 主要地域企業
11.4 主要企業の戦略
11.5 企業プロファイル
11.5.1 Alltech Inc.
11.5.1.1 企業概要
11.5.1.2 製品ポートフォリオ
11.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.5.1.4 認証
11.5.2 FEED ONE CO., LTD.(フィード・ワン株式会社)
11.5.2.1 企業概要
11.5.2.2 製品ポートフォリオ
11.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.5.2.4 認証
11.5.3 Nutreco N.V.
11.5.3.1 企業概要
11.5.3.2 製品ポートフォリオ
11.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.5.3.4 認証
11.5.4 Archer-Daniels-Midland Company(ADM)
11.5.4.1 企業概要
11.5.4.2 製品ポートフォリオ
11.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.5.4.4 認証
11.5.5 Marubeni Nisshin Feed Co., Ltd.(日清丸紅飼料株式会社)
11.5.5.1 企業概要
11.5.5.2 製品ポートフォリオ
11.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.5.5.4 認証
11.5.6 Showa Sangyo Co., Ltd.(昭和産業株式会社)
11.5.6.1 企業概要
11.5.6.2 製品ポートフォリオ
11.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.5.6.4 認証
11.5.7 Mitsubishi Corporation(Nosan Corporation)
(三菱商事/日本農産工業株式会社)
11.5.7.1 企業概要
11.5.7.2 製品ポートフォリオ
11.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.5.7.4 認証
11.5.8 その他
■当英文調査レポートに関するお問い合わせ・お申込みはこちら
https://www.marketresearch.co.jp/contacts/
■株式会社マーケットリサーチセンターについて
https://www.marketresearch.co.jp
主な事業内容:市場調査レポ-トの作成・販売、市場調査サ-ビス提供
本社住所:〒105-0004東京都港区新橋1-18-21
TEL:03-6161-6097、FAX:03-6869-4797
マ-ケティング担当、marketing@marketresearch.co.jp
