プレスリリース
非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサ市場分析レポート:2026年1095百万米ドル規模、成長率7.5%推移
非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサ世界総市場規模
非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサの基本原理
非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサは、ガス分子が特定波長の赤外線を吸収する性質を利用して濃度を測定する光学式センサである。赤外線光源から測定管内へ光を照射し、対象ガスによって吸収されなかった光をフィルターと赤外線検出器で受け取る。CO₂をはじめ、ppmから濃度パーセントまで100種類以上のガスを検知できる方式があり、測定対象を消費しない非接触測定であることが大きな特徴となる。一方、混合ガスでは吸収波長が重複するため、交差感度を補正するアルゴリズムや適切な波長選択が精度を左右する。

QYResearch調査チームの最新レポート「非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサ―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」によると、非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサの世界市場は、2025年に1018百万米ドルと推定され、2026年には1095百万米ドルに達すると予測されています。その後、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)7.5%で推移し、2032年には1689百万米ドルに拡大すると見込まれています。

非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサ市場|小型化・低消費電力化と冷媒漏えい検知の進展
▪NDIR CO₂センサから多用途ガスセンシングへ
現在、非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサで最も標準化された用途はCO₂測定である。スマート換気、室内空気質管理、温室栽培、医療、食品加工などで需要が形成されている。2026年1月にはSenseairが超小型のS12 CO₂を発表し、18×15×6mm、平均消費電流34μA未満、15年以上の寿命を示している。これはNDIR CO₂センサが大型光学モジュールから、機器へ直接組み込める小型・低消費電力部品へ移行していることを示す事例である。
▪小型化と長期安定性が技術競争の焦点
非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサでは、光路長を短縮しながら検出感度を維持することが主要な技術課題となる。小型エミッタ、検出器、狭帯域フィルター、光学チャンバーを最適化するだけでなく、温度・圧力補償、自動ベースライン補正、汚染診断などを組み合わせる必要がある。特に無線機器やバッテリー駆動機器では、測定精度だけでなく平均消費電力とピーク電流が製品設計を左右する。実際、最新のNDIR製品では低消費電力化とデジタルインターフェースの統合が進んでいる。
▪冷媒漏えい検知が新たな成長領域
非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサの中で、今後特に注目されるのが冷媒漏えい検知である。低GWP冷媒への移行に伴い、可燃性を持つ冷媒や高圧冷媒を利用する空調・ヒートポンプ・冷凍機器では、ガス漏えいを早期に検知する重要性が高まっている。EUではFガス規則(EU)2024/573が2024年3月から適用され、HFC削減や漏えい防止を含む規制体系が強化されている。
製品面でもR32やR454A/B/C、R290などを対象としたNDIR方式の冷媒センサが開発されている。例えばR290向け製品では、IEC 60079-29-1やIEC/UL 60335-2-40への対応、個別校正、長期安定性などが設計要件となっている。つまり冷媒用NDIRは、単なる濃度測定部品ではなく、安全規格と機器制御を含めたシステム部品へ変化している。
▪NDIRガスセンサの市場拡大要因
需要を支えるのは、スマートビルディング、産業安全、自動プロセス制御、HVAC、自動車、医療、農業などである。建物ではCO₂濃度を利用した需要連動型換気、工場やエネルギー設備では可燃性・プロセスガスの連続監視が求められる。NDIRは化学反応を利用する方式と比較してセンサ素子の消耗が少なく、長寿命化やメンテナンス負担の低減を実現しやすい点が評価される。
▪市場拡大を制約する光学系と校正コスト
一方、非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサには、赤外線光源、検出器、狭帯域フィルター、光学チャンバー、校正工程が必要となるため、単純な半導体式・電気化学式センサより部品コストと設計難度が高い。さらに、粉じん、結露、光学窓の汚染、振動、温度・圧力変化によって受光量が変動する。小型化するほど光路長、検出限界、応答速度、パッケージサイズのトレードオフも大きくなる。
▪産業チェーンと製品差別化
上流では赤外線エミッタ、サーモパイル・焦電検出器、赤外線フォトダイオード、光学フィルター、反射器、光学チャンバー、ASIC、マイコンなどが主要部材となる。中流メーカーは光学設計、組立、ファームウェア、ガス校正、環境補償、信頼性評価まで担う。特に対象ガスの吸収波長に合わせたフィルター設計と校正技術が製品性能を左右するため、競争力はセンサ素子単体よりも光学・電子・ソフトウェアを統合する能力に移っている。
▪非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサの用途別展開
CO₂センサはHVAC、室内空気質、農業、医療、食品加工などの大量用途を形成する一方、メタン、プロパン、冷媒、SF₆、N₂Oなどのセンサは、より小規模ながら高付加価値の市場となる。単一波長・単一チャンネル構成は小型化と低コスト化に適し、デュアルチャンネルやリファレンス方式は光源劣化や汚染への耐性向上に有効である。今後は単なるセンサ素子から、校正済みモジュール、診断機能、通信機能までを統合した製品への移行が進むと考えられる。
▪地域市場と今後の競争軸
アジア太平洋地域は、HVAC、電子機器、自動車、環境計測機器の生産基盤と部品サプライチェーンを持つことから、非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサの重要市場となっている。中国は量産・コスト・カスタマイズ、日本と韓国は精密部品や自動車用途、欧州は環境規制と冷媒転換、北米はHVAC・産業安全・冷凍分野で需要が形成されている。
今後の競争では、単純な検出精度だけでなく、小型化、低消費電力、長期校正安定性、冷媒対応、安全認証、組込みソフトウェアを一体化できるかが重要となる。特に冷媒漏えい検知やワイヤレス環境モニタリングでは、センサ単体ではなく、機器制御や予知保全まで含めたライフサイクル価値が市場差別化のポイントになる。
本レポートでは、2025年を基準年として2021~2032年の非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサ市場を、販売数量(K Units)と売上高(百万米ドル)から分析する。CO₂、メタン、CO、プロパン、冷媒、エチレン、SF₆などのガス種、シングル/マルチチャンネル、単波長/二波長/多波長、産業安全、環境保護、医療、自動車、電力などの用途別に市場を整理することで、ガスセンシング技術の高度化と需要構造の変化を把握できる。
本記事は、QY Researchが発行したレポート「非分散型赤外線(NDIR)ガスセンサ―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」 を紹介しています。
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https://www.qyresearch.co.jp/reports/1823748/non-dispersive-infrared--ndir--gas-sensors
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