プレスリリース
世界の全身性強皮症の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の全身性強皮症の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Systemic Sclerosis Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
本レポートは、全身性強皮症(Systemic Sclerosis:SSc)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。SScは、皮膚硬化、線維化、血管障害を特徴とし、肺、消化管、腎臓、心血管系など複数臓器に影響し得る希少な自己免疫性結合組織疾患である。調査会社は、世界有病率を人口10万人あたり約17.6~18.9例、年間発症率を10万人年あたり約1.4~8.6例とし、高齢化や診断精度向上などを背景に今後も患者負担が増加する可能性を示している。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間として、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場における有病率、発症率、年齢、性別、病型、診断患者数などを分析している。
全身性強皮症の病態は、免疫異常、血管内皮障害、過剰なコラーゲン沈着・線維化が相互に関与して進行する。皮膚だけでなく、肺、消化管、腎臓、心臓、末梢血管などに病変が及ぶ可能性があり、臓器障害の程度によって予後が大きく異なる。
代表的な臨床症状としては、Raynaud現象、手指硬化、皮膚硬化、消化管障害、肺高血圧、腎合併症などが挙げられる。Raynaud現象は末梢血管障害を反映する重要な所見であり、しばしば他の症状に先行する。
資料では、びまん皮膚硬化型SScはより急速な進行と臓器障害を伴いやすいとされる。したがって、SScは単に「皮膚が硬くなる疾患」ではなく、皮膚病変の範囲と内臓病変の程度によって疾病負担が大きく変わる全身性疾患である。
疫学的には、世界有病率が人口10万人あたり約17.6~18.9例とされる。これは人口100万人あたり約176~189例に相当し、希少疾患である一方、一定数の患者が継続的に存在することを示す。
年間発症率は10万人年あたり約1.4~8.6例とされる。
この範囲はかなり広く、地域、診断基準、登録方法、研究対象集団などによる差が大きいことを示唆する。したがって、世界全体で単一の発症率が確立しているというより、複数研究の範囲として理解するのが適切である。
また、有病率17.6~18.9/10万人と発症率1.4~8.6/10万人年は異なる指標である。有病率はある時点で生存している患者数、発症率は一定期間に新たに発症する患者数を示すため、両者を直接比較・加算することはできない。
地域別では、欧州の有病率が7.2~33.9/10万人、北米では13.5~44.3/10万人とされる。
年間発症率は欧州で0.6~2.3/10万人、北米で1.4~5.6/10万人とされる。
北米の有病率・発症率レンジが欧州より高めにみえるが、これをそのまま「北米では生物学的にSScが多い」と結論づけるのは慎重である。
診断体制、患者レジストリ、人口構成、人種・民族構成、症例捕捉率などが異なる可能性があるためである。
さらに、冒頭の世界年間発症率1.4~8.6/10万人年は、欧州0.6~2.3、北米1.4~5.6より上限が高い。したがって、世界1.4~8.6という値は他地域の高発症研究を含んだ広いレンジである可能性が高い。
年齢については、疾病負担が年齢とともに増加し、高齢者が有病患者プールの大きな割合を占めるとされる。
ただし、国別の米国データでは発症ピークが女性で45~64歳にみられており、「高齢者だけの疾患」という意味ではない。
特に米国では、アフリカ系米国人女性の発症ピークが45~54歳、欧州系米国人女性では55~64歳とされる。
したがって、SScは中年期から高齢期にかけて患者数が増加する疾患として理解する方が適切である。
また、冒頭の「older adults are disproportionately affected」という記述は、有病患者の年齢構成や高齢化による患者数増加を示すものと考えられるが、発症年齢ピークそのものが75歳以上という意味ではない。
性別では、SScは強い女性優位を示す。
米国Detroit tricounty地域の人口ベース研究では、女性対男性比が約5対1とされる。
したがって、SSc患者の大多数は女性である。
ただし、今回の資料では世界全体の男女比は示されていないため、この5:1をすべての地域にそのまま適用することはできない。
また、性別は単に患者数だけでなく、発症年齢や臨床表現型にも影響する可能性があるが、今回の抜粋では詳細な病型別性差までは示されていない。
米国では、Detroit tricounty地域の人口ベース研究で、年間発症率が成人100万人あたり19.3例と報告されている。
これは成人10万人あたり約1.93例/年に相当する。
有病率は成人100万人あたり242例、すなわち10万人あたり約24.2例である。
この米国データは、北米全体の有病率13.5~44.3/10万人、発症率1.4~5.6/10万人年という範囲内に収まっており、地域推定と概ね整合する。
米国では女性対男性比約5:1と強い女性優位があり、アフリカ系米国人女性では45~54歳、欧州系米国人女性では55~64歳に発症ピークがみられる。
この年齢差は人口集団によってSScの発症時期が異なる可能性を示している。
ただし、この差を単純に遺伝的要因だけで説明することはできない。環境因子、医療アクセス、診断時期、社会的背景なども影響し得るためである。
ドイツを含む欧州では、有病率7.2~33.9/10万人、年間発症率0.6~2.3/10万人とされる。
ただし、これはドイツ単独の数値ではなく、欧州疫学研究全体のレンジである点に注意が必要である。
したがって、「ドイツの有病率が7.2~33.9/10万人」と断定するのではなく、「ドイツを含む欧州地域ではこの程度の範囲が報告されている」と理解するのが正確である。
フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドについては、今回の抜粋では具体的な国別SSc有病率や発症率は示されていない。
そのため、8主要市場を対象としたレポートではあるものの、この資料だけで各国を定量的に比較することはできない。
また、今回の資料は「aging populations and improved diagnosis」によって欧州の疾病負担が増加するとしている。
この点は重要であり、今後有病患者数が増えても、それがすべて真の発症率上昇を意味するとは限らない。
高齢化によって発症しやすい年齢層が増えること、早期診断が増えること、患者の生存期間が延長することによっても有病患者数は増加し得る。
SScの治療は臓器別管理と免疫調節が中心となる。
Raynaud現象や血管障害に対しては血管拡張薬が用いられる。
肺高血圧に対してはエンドセリン受容体拮抗薬などが挙げられている。
ただし、Raynaud現象と肺高血圧では病態と治療目的が異なるため、同じ薬剤群でも使用状況は患者ごとに異なる。
免疫抑制薬としては、ミコフェノール酸モフェチルやシクロホスファミドが挙げられている。
これらは炎症や線維化進行を抑える目的で用いられる。
ただし、すべてのSSc患者に一律に使用されるわけではなく、臓器病変、病勢、重症度を踏まえて選択される。
支持療法としては、理学療法、皮膚ケア、消化管症状の管理などが重要である。
皮膚硬化や関節拘縮が進行すると手指機能や移動能力が低下するため、リハビリテーションによる機能維持が重要となる。
消化管病変も頻度が高く、症状管理がQOLに大きく影響する。
資料では、新規抗線維化薬や生物学的製剤が研究中とされている。
これはSSc治療が従来の免疫抑制だけでなく、線維化そのものや特定免疫経路を直接標的とする方向へ進んでいることを示す。
ただし、今回の資料では具体的な薬剤名、臨床試験成績、承認状況までは示されていないため、これらをすでに標準治療として確立したものと解釈するべきではない。
SSc管理では多職種連携が特に重要である。
リウマチ科だけでなく、肺病変には呼吸器科、肺高血圧や心病変には循環器科、消化管病変には消化器科などの関与が必要になる。
このため、治療目標は単に皮膚硬化を改善することではなく、肺、心臓、腎臓、消化管などの臓器障害を早期発見し、その進行を抑えることである。
市場の観点では、SScは希少疾患である一方、患者一人あたりの医療負担が大きい。
複数臓器の継続的モニタリング、免疫抑制療法、肺高血圧治療、リハビリテーション、支持療法などが長期間必要になる可能性があるためである。
さらに、びまん皮膚硬化型など高リスク患者では進行が速く、より集中的な管理が必要となる。
したがって、市場規模を評価する際には、単なるSSc総患者数だけでなく、病型、臓器障害、肺高血圧や肺病変の有無、免疫抑制治療対象などによって患者プールを細分化する必要がある。
2026~2035年の患者プールを押し上げる第一の要因は高齢化である。
SScの疾病負担は年齢とともに増えるため、中高年・高齢人口の増加は絶対患者数を押し上げる可能性がある。
第二に、診断技術と疾患認知の向上がある。
Raynaud現象や初期皮膚症状から早期に専門医へ紹介される患者が増えれば、従来未診断だった患者が診断される可能性がある。
第三に、臓器別治療の進歩によって生存期間が延長すれば、有病患者数が増える可能性がある。
したがって、2026~2035年に有病率が上昇したとしても、それを単純に「自己免疫疾患の発症率が悪化した」と解釈するのは適切ではない。
診断率向上と長期生存も重要な要因となる。
一方、早期診断によって肺高血圧やその他臓器障害を早期に発見し、治療介入できれば、重症化や死亡負担を減らせる可能性がある。
このため、患者数増加と予後改善が同時に起こる可能性がある。
全体として本レポートは、SScを「免疫異常、血管障害、過剰線維化を背景に、皮膚硬化とともに肺、消化管、腎臓、心血管系など多臓器を障害し得る希少な自己免疫性結合組織疾患」と位置づけている。
世界有病率は約17.6~18.9/10万人、年間発症率は約1.4~8.6/10万人年とされる。欧州では有病率7.2~33.9/10万人、発症率0.6~2.3/10万人年、北米ではそれぞれ13.5~44.3、1.4~5.6/10万人年と地域差が大きい。
ただし、これらの地域差には診断基準、登録制度、症例捕捉率、人口構成などの違いが影響し得るため、単純な生物学的地域差として解釈すべきではない。
米国Detroit地域では、年間発症率19.3/100万人、すなわち1.93/10万人年、有病率242/100万人、すなわち24.2/10万人とされ、女性対男性比は約5:1である。発症ピークはアフリカ系米国人女性45~54歳、欧州系米国人女性55~64歳とされ、人口集団による年齢差もみられる。
一方、今回の資料ではドイツ以外を含む欧州諸国、日本、インドの具体的な国別数値は十分に示されていないため、8市場の精密比較はできない。
治療では、Raynaud現象や肺高血圧に対する血管作動薬、ミコフェノール酸モフェチルやシクロホスファミドなどの免疫抑制薬、理学療法、皮膚・消化管管理などを組み合わせる。新規抗線維化薬や生物学的製剤も研究されており、将来的には臓器・病態別の個別化治療がさらに進む可能性がある。
2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、高齢化、診断精度向上、疾患認知の改善、治療進歩による長期生存が有病患者数を押し上げる可能性がある。一方、早期から臓器障害をスクリーニングし治療できれば、重症化や死亡負担を抑えられる可能性がある。
したがって、今後のSSc管理における中心的課題は、皮膚硬化だけを追跡するのではなく、Raynaud現象を含む初期徴候から早期診断につなげ、肺高血圧、肺病変、腎障害、心病変、消化管障害を定期的に評価し、病型と臓器障害に応じて免疫調節・血管治療・支持療法を個別化することである。2026~2035年は、SScを単なる希少自己免疫疾患としてではなく、加齢する患者集団に対して多臓器障害を長期的に監視・管理する慢性全身疾患として捉え、早期診断と臓器特異的介入によってQOLと長期予後をどこまで改善できるかが、臨床・疫学・研究開発・市場の主要テーマになるとまとめられる。
※目次構成
01
序文
1.1 はじめに
1.2 調査目的
1.3 調査方法および前提条件
02
エグゼクティブサマリー
03
全身性強皮症市場概要(8主要市場)
3.1 全身性強皮症市場の過去市場規模(2019年~2025年)
3.2 全身性強皮症市場の予測市場規模(2026年~2035年)
04
全身性強皮症疫学概要(8主要市場)
4.1 全身性強皮症疫学状況(2019年~2025年)
4.2 全身性強皮症疫学予測(2026年~2035年)
05
疾患概要
5.1 症状および徴候
5.2 原因
5.3 リスク要因
5.4 ガイドラインおよび病期分類
5.5 病態生理
5.6 スクリーニングおよび診断
5.7 全身性強皮症の種類
06
患者プロファイル
6.1 患者プロファイル概要
6.2 患者心理および感情面への影響要因
07
疫学状況および予測(8主要市場:2019年~2035年)
7.1 主要調査結果
7.2 前提条件および根拠
7.3 全身性強皮症の診断済み有病患者数
7.4 種類別の全身性強皮症患者数
7.5 性別別の全身性強皮症患者数
7.6 年齢別の全身性強皮症患者数
08
疫学状況および予測:米国(2019年~2035年)
8.1 米国における前提条件および根拠
8.2 米国における全身性強皮症の診断済み有病患者数
8.3 米国における種類別の全身性強皮症患者数
8.4 米国における性別別の全身性強皮症患者数
8.5 米国における年齢別の全身性強皮症患者数
09
疫学状況および予測:英国(2019年~2035年)
9.1 英国における前提条件および根拠
9.2 英国における全身性強皮症の診断済み有病患者数
9.3 英国における種類別の全身性強皮症患者数
9.4 英国における性別別の全身性強皮症患者数
9.5 英国における年齢別の全身性強皮症患者数
10
疫学状況および予測:ドイツ(2019年~2035年)
10.1 ドイツにおける前提条件および根拠
10.2 ドイツにおける全身性強皮症の診断済み有病患者数
10.3 ドイツにおける種類別の全身性強皮症患者数
10.4 ドイツにおける性別別の全身性強皮症患者数
10.5 ドイツにおける年齢別の全身性強皮症患者数
11
疫学状況および予測:フランス(2019年~2035年)
11.1 フランスにおける前提条件および根拠
11.2 フランスにおける全身性強皮症の診断済み有病患者数
11.3 フランスにおける種類別の全身性強皮症患者数
11.4 フランスにおける性別別の全身性強皮症患者数
11.5 フランスにおける年齢別の全身性強皮症患者数
12
疫学状況および予測:イタリア(2019年~2035年)
12.1 イタリアにおける前提条件および根拠
12.2 イタリアにおける全身性強皮症の診断済み有病患者数
12.3 イタリアにおける種類別の全身性強皮症患者数
12.4 イタリアにおける性別別の全身性強皮症患者数
12.5 イタリアにおける年齢別の全身性強皮症患者数
13
疫学状況および予測:スペイン(2019年~2035年)
13.1 スペインにおける前提条件および根拠
13.2 スペインにおける全身性強皮症の診断済み有病患者数
13.3 スペインにおける種類別の全身性強皮症患者数
13.4 スペインにおける性別別の全身性強皮症患者数
13.5 スペインにおける年齢別の全身性強皮症患者数
14
疫学状況および予測:日本(2019年~2035年)
14.1 日本における前提条件および根拠
14.2 日本における全身性強皮症の診断済み有病患者数
14.3 日本における種類別の全身性強皮症患者数
14.4 日本における性別別の全身性強皮症患者数
14.5 日本における年齢別の全身性強皮症患者数
15
疫学状況および予測:インド(2019年~2035年)
15.1 インドにおける前提条件および根拠
15.2 インドにおける全身性強皮症の診断済み有病患者数
15.3 インドにおける種類別の全身性強皮症患者数
15.4 インドにおける性別別の全身性強皮症患者数
15.5 インドにおける年齢別の全身性強皮症患者数
16
患者ジャーニー
17
治療課題および未充足ニーズ
18
キーオピニオンリーダー(KOL)による洞察
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