報道関係者各位
    プレスリリース
    2026年3月26日 15:00
    国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所

    OCTARVIAプログラムのAPI版をリリース-実船モニタリングデータ解析、船舶のライフサイクル燃費評価を各社アプリケーションに組込可能に-

    国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 平田宏一、以下「当所」)は、実船モニタリングデータ解析プログラム、船舶のライフサイクル燃費評価プログラム、船体形状・船体性能簡易推定プログラムのAPI版を、令和8年3月26日に海技研クラウドでリリースしました。海事クラスター共同研究「実海域実船性能評価(OCTARVIA)プロジェクト」で開発した船舶の実海域性能を高精度に解析・推定・評価するためのプログラムのAPI化により、大量データの高速処理や既存システムとの連携が可能となります。当所は、これらのプログラムのAPI提供により、船舶分野からの温室効果ガス排出削減の取組みを支援します。

    当所は、海事クラスター共同研究「実海域実船性能評価(OCTARVIA)プロジェクト」で開発した、船舶の実海域性能を高精度に解析・推定・評価するためのプログラムのAPI化を行い、実船モニタリングデータ解析プログラム(SALVIA-OCT.-API)、船舶のライフサイクル燃費評価プログラム(OCTARVIA-API)、船体形状・船体性能簡易推定プログラム(EAGLE-OCT.-API)として、令和8年3月26日に海技研クラウドでリリースしました。

    API(Application Programming Interface)は、外部のシステムからプログラムの機能を直接呼び出して利用するための仕組みです。API版プログラムでは、従来のWeb版の機能を継承し、実船モニタリングデータによる運航性能評価および船舶のライフサイクル全体を通じた実海域性能評価が可能です。設計段階から就航後の実運航までを対象とし、実海域における運航条件を考慮した評価により、現実に即した環境性能の把握と性能向上の検討を支援します。

    API化により、大量の運航データや性能データを対象とした高速かつ効率的な計算処理が可能になります。解析結果は各社の業務システムやデータ基盤と連携して活用でき、既存システムとの統合や各社フォーマットへの対応も容易になります。高精度の実海域性能プログラムのAPI化により、船舶の実海域性能評価の効率化を促進し、データに基づく運航最適化やエネルギー効率・環境負荷の改善に貢献します。当所は、これらのプログラムを国内外で広くご利用いただくことで、船舶分野からの温室効果ガス排出削減の取組みを支援します。

    1.APIプログラムの機能と特徴

    今回リリースしたAPI版プログラムは以下の3つで、いずれも海技研クラウド上で提供され、APIを通じて各社システムから利用することが可能です。

    (1)実船モニタリングデータ解析プログラム(SALVIA-OCT.-API)

    実船モニタリングデータのデータフィルタリング機能、波・風の外乱修正機能があり、平水中性能および任意海象下の実海域性能(船速・回転数・主機出力関係)を求めることができます。品質評価結果を出力することで、客観性が高く、恣意性のない実船モニタリングデータ解析が可能です。平水中性能評価の結果から、経年劣化、生物汚損の影響を評価することが可能であるとともに、
    平水中性能の解析結果を、OCTARVIA-APIの入力として用いることができます。

    (2)船舶のライフサイクル燃費評価プログラム(OCTARVIA-API)

    ライフサイクル燃料消費量にて検討船や省エネ技術の経済性評価が可能です。
    世界最高精度※1の実海域性能モデルを実装し、個船ごとのEEXI※2やCII※3の検討の他、運航状態での外力影響の分析や航路・メンテナンス計画等の運航計画の評価が可能です。また、外力推定結果をSALVIA-OCT.-APIの入力として用いることができます。EAGLE-OCT.-APIの結果を入力とした計算が可能です。

    (3)船体形状・船体性能簡易推定プログラム(EAGLE-OCT.-API)

    船種(コンテナ船、自動車運搬船、バルカー、タンカーより選択)や船長・船幅などの主要目を入力することで、OCTARVIA-APIでの実海域性能推定やSALVIA-OCT.-APIでの実船モニタリングデータ解析で必要となる水線面形状・横断面情報等の船体情報や代替燃料の消費率を簡易推定します。造船設計データを保有していない船社・舶用メーカー等の利用者も、船舶の実海域性能を評価できます。

    API版プログラムにより得られるスピードパワーカーブの例※4
    API版プログラムにより得られるスピードパワーカーブの例※4

    ※1 波、風の外力推定法は、国際試験水槽会議(International Towing Tank Conference:水槽試験及び数値シミュレーションにより船舶及び海洋構造物の流体性能の予測を行う国際機関)にて比較を行い、最も精度の高い方法と認められた当所が開発した方法を実装しています。
    ※2 EEXI(Energy Efficiency Existing Ship Index)は既存船エネルギー効率指標で、船舶からの温室効果ガス排出削減策の一環として2023年から規制が開始されました。
    ※3 CII(Carbon Intensity Indicator)は船舶に対する燃費実績の格付け制度で、船舶からの温室効果ガス排出削減策の一環として2023年から開始されました。
    ※4 SOGIHARA, N., Evaluation of Ship Performance in Actual Seas Using Onboard Monitoring Data -Application of Resistance Criteria Method to Designated Weather Condition-, Proceedings of Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineering, Vol. 32, 2021.

    2.開発プログラム間の連携

    プログラム間の連携は、Web版の連携方式を踏襲しています。従来は、Web版プログラムに備えた外部API連携機能を通じて他システムとの連携が可能でしたが、本体プログラムのAPI化により、各社のシステムからプログラムの機能を直接利用できるようになります。

    ※SALVIA-OCT.-web V2: 実船モニタリングデータ解析プログラム
    ※SALVIA-OCT.-web V2: 実船モニタリングデータ解析プログラム

    実船モニタリングデータ解析プログラム(SALVIA-OCT.-web V2)のリリース(令和5年5月24日)については以下のリンクをご覧ください。 https://www.nmri.go.jp/news/press/2023/press20230524.html

    ※OCTARVIA-web V2: ライフサイクル燃費評価プログラム
    EAGLE-OCT.-web V2: 船体形状・船体性能簡易推定プログラム
    ライフサイクル燃費評価プログラム(OCTARVIA-web V2)のリリース(令和7年3月28日)及び船体形状・船体性能簡易推定プログラム(EAGLE-OCT.-web V2)のリリース(令和7年4月4日)については以下のリンクをご覧ください。
    https://www.nmri.go.jp/news/press/2025/press20250328.html

    3.プログラム利用料

    利用料は以下となります。
    ご利用方法については海技研クラウド( https://cloud.nmri.go.jp/portal/pub/top )をご確認ください。

    ※1 入力エラーなどで計算できなかった分は超過料金をカウントしません。
    ※2 段階料金となります。例)1~100,000行の超過利用で16,500円の、100,001~200,000行の超過利用で33,000円の超過料金となります。

    <問い合わせ先>
    国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
    海上技術安全研究所 企画部広報係
    Tel:0422-41-3005 Fax:0422-41-3258
    E-mail:info2@m.mpat.go.jp
    URL:https://www.nmri.go.jp/