プレスリリース
日本の希少疾患患者特定サービス市場2026~2033年、市場規模・企業動向・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「日本の希少疾患患者特定サービス市場2026~2033年、英文タイトル:Japan Rare Disease Patient Identification Services Market Research 2026-2033」調査資料を発表しました。本資料には、日本市場規模、企業動向、セグメント別予測、市場シェアなどの情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本の希少疾患患者特定サービス市場は、2024年に4,000万米ドル、2025年に4,480万米ドルへ拡大し、2033年には1億1,092万米ドルに達すると予測されている。2026~2033年の年平均成長率(CAGR)は12%であり、希少疾患政策、全国レジストリ、ゲノム解析、未診断患者の発見、臨床試験向け患者探索などを背景に、高い成長が見込まれている。
この市場でいう希少疾患患者特定サービスとは、希少疾患や難病の患者を、病院データ、レジストリ、遺伝子検査、ゲノム解析、保険請求データ、電子カルテ、臨床ネットワークなどを活用して発見・特定し、診断、研究、臨床試験参加、治療アクセス、長期追跡につなげるサービスを指す。希少疾患は患者数が少なく、症状も多様で、一般診療の中では診断まで長期間かかることが多いため、体系的な患者探索の価値が非常に高い。
日本市場は、厚生労働省による制度設計や、難病を中心としたレジストリ管理の影響を強く受けている。原文では、日本の「難病法」のもとで、国内患者数が5万人未満の疾患が希少疾患として扱われる枠組みが示されている。また、330を超える疾患が医療費助成や構造化データ収集の対象として正式に認定され、指定された希少・難治性疾患の患者は全国で100万人を超えるとされる。こうした制度が、患者特定、診断追跡、長期モニタリングの基盤になっている。
日本の患者特定基盤として特に重要なのが、AMEDが推進するIRUD(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases)である。IRUDは、診断まで長期間かかる患者や、原因不明のまま診断されていない患者を減らすことを目的とした全国的な取り組みで、400を超える病院から構成されるネットワークを運営している。患者は専門医による診察、ゲノムシーケンシング、データ登録などを受けることができ、その情報が中央データベースへ集約されることで、患者特定の精度向上につながる。
IRUDのような全国ネットワークが重要なのは、希少疾患では一施設だけでは十分な患者数や症例情報を集めにくいためである。症例が全国に分散している場合、各病院が孤立して診断を進めるより、専門家、ゲノム情報、症例データをネットワーク化した方が、類似症例の比較や原因遺伝子の発見につながりやすい。この意味で、患者特定サービスは単なる「患者募集」ではなく、診断インフラ、データ統合、研究基盤を含む広い概念として発展している。
PMDAも重要な役割を持つ。原文では、オーファンドラッグ指定、市販後監視、レジストリベースのデータ利用・連携などを通じて、希少疾患患者の追跡と規制監督を支えているとされる。患者数が少ない希少疾患では、承認前の臨床試験だけでは十分な安全性・有効性データを得にくいため、市販後に患者を継続追跡し、リアルワールドデータを収集することが重要になる。
厚生労働省が管理する全国レジストリも、市場の基盤となっている。対象疾患について、疫学、臨床情報、治療内容などを収集し、医療費助成の対象判定、患者の長期追跡、研究者間の連携などに利用している。政府による疾患指定制度、全国診断ネットワーク、ゲノム研究、レジストリ報告制度が組み合わさることで、日本では病院、研究機関、専門医療施設を結ぶ患者特定エコシステムが形成されている。
疾患領域別では、希少遺伝性疾患が2025年に41.88%の売上シェアを占める最大セグメントとなっている。希少疾患の多くが遺伝子変異を原因とするため、ゲノム解析との親和性が非常に高いことが背景にある。
市場成長を牽引する最大の要因の一つが、ゲノム解析と診断技術の進歩である。従来は、症状や家族歴、一般的な検査だけでは原因を特定できなかった患者でも、全ゲノム解析やその他の高度な遺伝子解析によって診断できるようになってきた。IRUDでは多数の患者・家族を対象に全ゲノム解析を行い、その結果として多くの患者が確定診断に至ったとされている。
さらに、IRUDの研究を通じて、これまで知られていなかった原因遺伝子や病原性バリアントも多数発見されたとされる。これは、患者特定サービスが既存疾患の患者を探すだけでなく、新しい疾患概念や遺伝子変異そのものを発見する研究基盤としても機能していることを意味する。
ゲノム技術の進歩によって、希少疾患患者探索の流れも変化している。従来は「症状から病名を推測し、その疾患に患者が該当するか確認する」診断が中心だったが、現在は「ゲノムデータから原因変異を検出し、その変異と臨床症状を照合して診断する」アプローチが増えている。この変化により、患者特定サービスには遺伝子解析、バリアント解釈、データベース検索、表現型情報の標準化など、より高度な技術が求められる。
市場は、サービスタイプ、疾患フォーカス、方法、エンドユーザー、提供形態によって細分化されている。具体的には、患者特定、レジストリ管理、データ解析、臨床試験患者募集、遺伝子ベースのスクリーニング、リアルワールドデータ解析などが含まれると考えられ、対象顧客には製薬・バイオ企業、病院、研究機関、CRO、専門医療施設などが含まれる。
希少遺伝性疾患が最大セグメントとなる背景には、診断の難しさと未診断患者の多さがある。世界では7,000を超える希少疾患が報告され、その多くに遺伝的要因が関与するとされている。一方、原文では、日本の国管理の「難病」制度で認識されている疾患は約1,800にとどまり、多くの希少遺伝性疾患が十分に認識・診断されていない可能性があるとしている。
原文では、NHIデータベースのレビューで、日本国内で希少疾患と診断された患者が約4,500人確認され、そのうち約3,000件が国際的なデータベースにも記録されているという記述がある。ただし、この数値は前段で示される「指定難病患者100万人超」という数字とは対象範囲や集計方法が明らかに異なるため、同一母集団の患者数として単純比較するべきではない。ここはレポート内でも定義の違いがある可能性を意識して読む必要がある。
日本では、同じ疾患であっても他国より診断まで時間がかかるケースがあるとされ、先端的な遺伝子検査へのアクセス不足も課題として挙げられている。希少疾患では、患者が複数の診療科や病院を何年も受診した後にようやく確定診断へ至る「診断オデッセイ」が生じやすいため、患者特定サービスの社会的価値は大きい。
患者を早期に特定できれば、本人にとっては適切な治療や疾患管理へ早く到達できるだけでなく、不要な検査や誤った治療を減らすことができる。また、家族にも同じ遺伝子変異が存在する可能性があるため、家族スクリーニングや遺伝カウンセリングにつながる場合もある。
製薬企業にとっても、患者特定は極めて重要である。希少疾患治療薬では、薬が承認されても対象患者がどこにいるか分からなければ、実際の治療につなげることができない。そのため、市場アクセス戦略では、医師教育、遺伝子検査、患者レジストリ、病院ネットワーク、患者団体との連携などを通じて、未診断患者を発見する活動が重要になる。
臨床試験ではさらに重要性が高い。希少疾患では患者数自体が少なく、さらに年齢、遺伝子変異、重症度、治療歴など厳しい組み入れ基準を満たす患者はごく限られる。そのため、適格患者を迅速に見つけられるかどうかが、試験期間、開発コスト、承認時期に直接影響する。
競争環境は中程度に集中しており、国内主要企業としてCMIC Holdings、3H Medi Solution、Buzzreach、Linical、DCT Japanが挙げられている。これらの企業は、患者募集、臨床レジストリ管理、分散型臨床試験インフラ、デジタルマッチングなどを提供し、希少疾患・遺伝性疾患の臨床研究に必要な患者探索を支援している。
グローバルCROではParexelやIQVIAなどが市場に参入している。これらの企業は、リアルワールドデータ、高度分析、ゲノム情報を組み合わせて、臨床試験候補患者の探索や試験実施可能性の評価を支援する。特に超希少疾患では、通常の病院紹介だけでは患者を十分に集められないため、複数のデータソースを横断して患者候補を探す能力が強い競争力になる。
競争戦略としては、国内企業と海外企業の提携、共同事業、レジストリ統合、テクノロジーを用いた患者リクルートなどが重要になっている。希少神経疾患、希少遺伝性疾患、オンコロジーなどに注力し、自社の患者データベース、病院ネットワーク、分散型試験の仕組みを活用して、患者探索を高速化しようとする動きがみられる。
特に分散型臨床試験との相性は良い。希少疾患患者は全国に散在しているため、試験実施施設まで頻繁に通院することが難しい場合がある。オンライン診療、在宅採血、ウェアラブル機器、電子同意、遠隔モニタリングなどを利用すれば、地理的制約を減らし、従来なら参加できなかった患者を臨床試験へ組み込める可能性がある。
また、AIや機械学習の活用も患者特定の精度向上につながる。電子カルテや請求データから、特定の症状、検査値、処方歴、受診パターンなどを組み合わせて、未診断希少疾患の可能性が高い患者を抽出できれば、医師にスクリーニング候補を提示できる。特に、症状が複数診療科にまたがる疾患では、人間が単独で診療履歴全体からパターンを見つけるよりAIが有効な場合がある。
2024年3月にはIQVIAが、日本の電子カルテや保険請求データのリアルワールドデータを活用し、希少疾患の患者コホート分析を高度化したとされている。高度分析や機械学習を用いることで、通常の病院紹介だけに依存せず、複雑・希少な疾患を持つ患者候補をデータドリブンに探索する取り組みである。
このようなRWDベースの患者探索は、臨床試験だけでなく、市販後調査や市場アクセスにも応用できる。例えば、特定の薬剤が承認された後に、実際にその治療対象になり得る患者数を地域別・年齢別に推定したり、どの病院に患者が集中しているかを把握したりできる。
レジストリ統合も今後の重要テーマとなる。希少疾患では、行政レジストリ、研究レジストリ、病院データベース、患者団体のデータ、企業の臨床試験データなどが別々に存在することが多い。これらを安全に連携できれば、患者探索効率を大きく改善できる。
ただし、患者データの利用にはプライバシーと倫理上の配慮が不可欠である。希少疾患では患者数が少ないため、匿名化されたデータでも疾患名、地域、年齢などを組み合わせると個人が特定されるリスクが高くなる。そのため、一般疾患以上に厳格なアクセス管理、同意管理、データ最小化が求められる。
ゲノム情報はさらにセンシティブである。遺伝子情報は本人だけでなく血縁者にも関係する可能性があり、一度流出すれば変更できない。そのため、ゲノムベースの患者特定サービスでは、情報セキュリティ、同意、データ保管、二次利用ルールなどが市場参入の重要な要件になる。
今後の市場成長では、個別化医療・精密医療の拡大も追い風になる。疾患名だけではなく、特定の遺伝子変異やバイオマーカーによって治療対象を定義する薬が増えると、「その変異を持つ患者をどのように見つけるか」が薬剤開発と商用化の中心課題になる。希少疾患患者特定サービスは、診断支援市場から精密医療インフラ市場へ広がる可能性が高い。
遺伝子治療や核酸医薬などとの関係も強い。これらの治療法は特定の遺伝子変異を持つ患者だけを対象とする場合が多いため、投与可能患者を見つけるには遺伝子検査が不可欠である。治療薬の開発が進めば、患者特定・遺伝子検査サービスの需要も連動して増える可能性がある。
一方で、市場の大きな課題は、希少疾患ごとに患者数が非常に少ないことである。大規模な市場ではないため、一疾患だけを対象とした患者探索サービスでは十分な採算を得にくい場合がある。そのため、複数疾患へ共通利用できるデータ基盤、病院ネットワーク、ゲノム解析プラットフォームを構築することが重要になる。
また、専門医の不足も制約要因となり得る。高度な遺伝子検査で病原性バリアントが見つかっても、その臨床的意味を解釈し、患者の症状と結びつけられる専門家が必要になる。したがって、患者特定市場の成長には、検査装置やAIだけでなく、臨床遺伝専門医、遺伝カウンセラー、バイオインフォマティクス人材の育成も重要である。
総合すると、日本の希少疾患患者特定サービス市場は、2025年の4,480万米ドルから2033年には1億1,092万米ドルへ約2.5倍に拡大し、CAGR12%で成長すると予測されている。
最大セグメントは希少遺伝性疾患で、2025年に41.88%の売上シェアを占める。全ゲノム解析をはじめとする遺伝子検査の普及、IRUDの全国病院ネットワーク、政府レジストリ、PMDAによるオーファンドラッグ・市販後データ利用の枠組みなどが、市場の制度的基盤を形成している。
今後の競争力を左右するのは、患者データベースの規模だけではなく、病院ネットワーク、ゲノム解析能力、AI・RWD分析、レジストリ統合、患者同意管理、分散型臨床試験への対応などをどれだけ組み合わせられるかである。患者数が少なく全国に分散する希少疾患では、「幅広く患者を探す能力」と「正確に適格患者を絞り込む能力」の両方が必要になる。
また、患者特定サービスの価値は臨床開発の効率化だけではない。診断の早期化、適切な治療へのアクセス、医療費助成、長期フォロー、患者家族への情報提供など、患者本人の医療体験にも直接影響する。そのため、今後は製薬会社、CRO、病院、行政、研究機関、患者団体が共同で患者探索基盤を作る方向が強まる可能性がある。
この市場調査レポートでは、サービスタイプ、疾患フォーカス、方法、エンドユーザー、提供形態別の需要分析に加え、PMDAガイドライン、臨床試験経路、患者レジストリ要件、データプライバシー、市販後監視などの規制環境も分析対象となっている。またFDA、EMA、NMPA、CDSCOとの比較も含み、国際開発における規制差を評価する構成となっている。
さらに、主要サービス事業者について、サービス範囲、技術力、病院・専門クリニックとの提携、希少疾患患者エンゲージメント戦略などを比較し、患者特定プログラムの設計、価格体系、テクノロジー導入、患者募集上の課題、市場アクセス、希少疾患プログラムのライフサイクル管理などを分析する内容となっている。
※目次構成
- 定義および概要
調査目的
市場定義
市場範囲
ステークホルダー分析
使用通貨
調査期間 - エグゼクティブサマリー
主要ポイント
トップダウン/ボトムアップ分析
市場シェア分析
主要一次インタビューから得られたデータポイント
主要二次データベースから得られたデータポイント
市場スナップショット
地域別スナップショット - 市場動向
市場への影響要因
成長要因
ゲノム解析・診断技術の進歩
希少遺伝性疾患への注目の高まり
ステークホルダー間の連携拡大
阻害要因
専門的検査へのアクセス制約
未診断・診断不足およびデータギャップ
市場機会
デジタルヘルスおよびAIツールの活用拡大
希少疾患に関する啓発活動の拡大
臨床試験支援サービスの成長
市場トレンド
全国規模のデータベース・患者レジストリの活用
臨床試験との統合
影響分析 - 業界分析
日本の希少疾患患者特定サービス市場におけるポーターの5フォース分析
地政学・サプライチェーン上のリスク
社会的要因・患者中心の要因
経済的要因
価格分析
規制分析
Go-to-Market(GTM)戦略
イノベーション・研究開発動向
サステナビリティ・ESG分析
主要サービスプロバイダーおよび市場参入企業
購買意思決定基準および採用促進要因
DMI見解 — 日本の希少疾患患者特定サービス市場の戦略的展望 - サービスタイプ別
はじめに
サービスタイプ別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
サービスタイプ別市場魅力度指数
患者リクルート・レジストリサービス*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
患者スクリーニング・適格性評価
患者エンゲージメント・継続支援ソリューション
デジタルアウトリーチ・分析プラットフォーム - 疾患領域別
はじめに
疾患領域別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
疾患領域別市場魅力度指数
希少遺伝性疾患*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
希少神経疾患・神経筋疾患
希少がん
その他の希少疾患 - 患者特定手法別
はじめに
患者特定手法別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
患者特定手法別市場魅力度指数
レジストリベースの患者特定*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
遺伝学的・ゲノム検査支援
AI/データ分析プラットフォーム
デジタル・遠隔医療スクリーニング - エンドユーザー別
はじめに
エンドユーザー別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
エンドユーザー別市場魅力度指数
製薬・バイオテクノロジー企業*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
医薬品開発業務受託機関(CRO)
診断検査機関 - 提供形態別
はじめに
提供形態別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
提供形態別市場魅力度指数
オンサイト型サービス*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
リモートサービス
ハイブリッドモデル - 競争環境分析
競争状況
市場ポジショニング/市場シェア分析
M&A(合併・買収)分析
パートナー候補分析
投資・資金調達動向
戦略的提携およびイノベーション・パイプライン - 企業プロファイル
11.1 IQVIA*
企業概要
サービスポートフォリオ
売上高分析
価格分析
SWOT分析
最近の動向
大型案件
M&A
協業
買収
合弁事業
イノベーション
最近のニュース
イベント
カンファレンス
シンポジウム
ウェビナー
11.2 その他の主要企業
CMIC HOLDINGS Co., Ltd.(シミックホールディングス株式会社)
Parexel International
Eisai Co., Ltd.(エーザイ株式会社)
Buzzreach Inc.(株式会社Buzzreach)
Linical Co., Ltd.(株式会社リニカル)
DCT JAPAN
※企業一覧は網羅的なものではありません。
- 日本の希少疾患患者特定サービス市場 — 調査方法
調査データ
二次データ
一次データ
CAGR分析
市場規模推計手法
ボトムアップ・アプローチ
トップダウン・アプローチ
市場分解およびデータ・トライアンギュレーション
調査上の前提条件
制約事項 - 付録
当社およびサービスについて
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