報道関係者各位
    プレスリリース
    2012年7月11日 10:30
    成安造形大学 広報室

    成安造形大学&滋賀県立近代美術館 連携推進事業 企画展「自然学|SHIZENGAKU ‐来るべき美学のために‐」

    ~ 芸術と自然の関係を国際的な視点で掘り下げ、   時代の新たな「自然美学」を展開します ~

     成安造形大学(所在地:滋賀県大津市、学長:牛尾 郁夫)と滋賀県立近代美術館は、連携推進事業として企画展「自然学|SHIZENGAKU ‐来るべき美学のために‐」を開催いたします。成安造形大学がパートナーシップを締結しているロンドン大学ゴールドスミスカレッジの協力も得て、大学と美術館が深く恊働した新たな文化創出の形を試行します。 【企画展のテーマ「自然」について】  今世紀の最も大きな課題は地球環境の問題です。自然は人間存在の基盤であり、生成の契機です。人間社会が自然の力を損なうようであれば、人類は存続できません。そのような価値観に貫かれた社会作りが国際的に急がれるのは、周知の事実です。この地球環境問題の時代において、「芸術」という枠組みが真にグローバルな平和的社会基盤として機能するためには、それにふさわしいテーマが必要となります。我々に提案できることは、「芸術」におけるテーマとして「自然」を語ることです。 【企画展開催の背景】  本展は、成安造形大学とロンドン大学ゴールドスミスカレッジの国際学術交流プロジェクトが発端となっています。「自然学|SHIZENGAKU」、それは東西の文化、すなわち欧米とアジアが共有すべきテーマであり、21世紀における自然認識や芸術と自然の関係を日英双方からの視点で掘り下げ、グローバルな時代の新たな「自然美学」の構築を目指すものです。日英双方で展覧会と国際シンポジウムを開催し、複数の芸術媒体と複数の批評的枠組み(理論/実践、日本/英国)によって立体的な探求を行います。このプロジェクトの成果から、日英の自然観を基盤としながらも、それぞれの美意識の主張にとどまらない提案の契機を生み出せればと考えています。  日本展は、プロジェクト・コアメンバーのアーティスト2名によるコラボレーションを中核に、成安造形大学の教員や卒業生も参加する大規模な展覧会となります。調和と共存を目的とした感性の獲得を目指して、鑑賞者・アーティスト・学者・学生が語り合っていける活性化された場を形成したいと考えます。英国展と第2回国際シンポジウムは2013年3月にロンドン大学ゴールドスミスカレッジ他で開催される予定です。 *このタイトルは、アリストテレスの同名理論書『自然学』、及びジル・ドゥルーズの論文『ルクレティウスと自然主義』、今西錦司の著書『自然学の提唱』などに由来しています。 【みどころ】  日英の大学による国際学術交流プロジェクトの中でも、大きな企画のひとつである滋賀県立近代美術館との連携推進事業がスタートします。大学間の国際学術交流+大学と美術館の連携事業という、国際交流・地域交流が立体的に結びついた、アートを通じた新しい文化交流のかたちといえるでしょう。  日英のアーティスト2名、岡田 修二とジョン・レヴァック・ドリヴァーが、「自然学」というテーマに沿ったコラボレーション作品を、本展のために制作します。岡田 修二は絵画、ドリヴァーは、サウンドアーティストとして、岡田の作品や滋賀、琵琶湖からインスピレーションを受けた、音の作品を制作します。その他の出品作家も全員、本展のための新作を制作する予定です。  立体的な探求を重視する「自然学」プロジェクトでは、鑑賞者の皆様にもさまざまな視点から本展を楽しんでいただけるよう、多彩なイベントを企画しています。三井寺流声明と琵琶の演奏を解説付きで楽しめるコンサートや、出品作家+各界で活躍する論客ゲストによるトークイベント、自然とアートを体験しながら楽しめるワークショップ、期間限定の特別展示を、会期中に開催します。  また、成安造形大学では、在学生・卒業生のなかから、テーマに沿った作品制作を展開する期待の若手アーティスト達を集めたグループ展「自然学 蕾」を同時開催します。 ■展覧会 開催概要 成安造形大学&滋賀県立近代美術館 連携推進事業 「自然学|SHIZENGAKU ‐来るべき美学のために‐」 会期  :2012年8月11日(土)~9月23日(日) 時間  :9時30分~17時(入館は16時30分まで) 休館  :月曜日 *ただし、9月17日(月)は開館、翌18日(火)は休館 会場  :滋賀県立近代美術館 企画展示室 出品作家:石川亮、宇野君平、岡田修二、木藤純子、      ジョン・レヴァック・ドリヴァー、Softpad、西久松吉雄、      馬場晋作、真下武久 主催  :成安造形大学、滋賀県立近代美術館 協力  :ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ、株式会社ナルディック 協賛  :大和日英基金 入場料 :一般850円(650円)・高大生600円(400円)・小中生400円(300円)      *()内は前売および20名以上の団体料金 ■第1回国際シンポジウム ※ テーマ「芸術の基礎としての自然とクリエイティヴィティ」 自然学プロジェクト・コアメンバー6名によるレクチャーと討論(通訳あり) 日時:8月11日(土)10:00~16:00(開場9:40) 会場:滋賀県立近代美術館 講堂(定員150名)    *出品作家によるギャラリートーク 16:00~16:50     (シンポジウム終了後に企画展示室にて開催) ■関連イベント ・レクチャー&コンサート(※) 8月12日(日)  「悉皆成仏(しつかいじょうぶつ)の世界 ~三井寺流声明と琵琶の演奏~」 ・ゲストによるレクチャー&出品作家によるギャラリーツアー(※) 9月8日(土)、15日(土)、23日(日) ・特別展示  木藤純子によるインスタレーション展示 8月16日(木)~19日(日)  (会場:滋賀県立近代美術館 ギャラリー) ・たいけんびじゅつかん(※) 9月22日(土)  キッズ ミーツ アーティスト! 宇野君平ワークショップ  「琵琶湖の微生物をモティーフに、アートしてみよう」 ※印のイベントはすべて要予約、参加無料です ■同時開催 「自然学 蕾:SHIZENGAKU TSUBOMI‐来るべき美学のために‐」 開催日:9月5日(水)~9月23日(日) 会場 :成安造形大学【キャンパスが美術館】 【関連イベント資料】 ■レクチャー&コンサート *要予約、参加無料  「悉皆成仏(しつかいじょうぶつ)の世界 ~三井寺流声明と琵琶の演奏~」 声明は、仏、菩薩、神々を賛美する歌曲として、僧侶によって詠われはじめ、後に、修業として重視され、声明成仏(悉皆成仏=自然と一体となり仏となる)の方便として盛んに行われるようになった。この旋律は日本音楽の原点となり、今様、平家琵琶、謡曲、浄瑠璃、小唄、浪花節、演歌などに広く影響を与えていることは知られている。日本において『自然学』を考えるとき、この音色を抜いて語ることはできない。 日時:8月12日(日) 13:00~14:30(開場12:30) 会場:講堂(定員150名) 進行:岡田修二・加藤賢治[成安造形大学 附属近江学研究所 研究員] 協力:総本山三井寺  第1部 :ゲストによる基調講演「悉皆成仏の世界‐天台声明と平家琵琶‐」  ゲスト:木村至宏[成安造形大学附属近江学研究所 所長]  第2部:琵琶の紹介と実演  解説 :小谷昌代[四ノ宮琵琶ひろめびと]  第3部:三井寺流声明の解説と実演  解説 :福家俊彦[総本山三井寺執事長] ■トーク(進行:岡田修二 *要予約、参加無料) ・日時 :9月8日(土) 14:00~15:40  第1部 :14:00~14:50(開場13:30)      ゲストによるレクチャー「西洋美術における自然の表現」  会場 :講堂(定員150名)  ゲスト:千速敏男[成安造形大学教授 西洋美術史]  第2部:15:00~15:40(企画展示室入口に集合・要観覧券・定員なし)      千速敏男・要真理子・真下武久によるギャラリーツアー ・日時 :9月15日(土) 13:00~16:00  第1部:13:00~14:00(企画展示室入口に集合・要観覧券・定員なし)      出品作家・ゲストによるギャラリーツアー:出品作家・ゲスト:石川亮、宇野君平、岡田修二、西久松吉雄  第2部 :14:10~16:00(開場13:40)      ゲストによるレクチャー「日本人と自然美学 南方熊楠と曼荼羅より」&出品作家とのディスカッション  ゲスト:稲賀繁美[国際日本文化研究センター教授 比較文化・比較交渉史]  会場 :講堂(定員150名) ・日時 :9月23日(木) 11:00~16:00  第1部:11:00~12:00(企画展示室入口に集合・要観覧券・定員なし)      出品作家・ゲストによるギャラリーツアー:木藤純子、Softpad、馬場晋作、真下武久  第2部 :13:00~16:00(開場12:30)      ゲストによるレクチャー「自然・アート・知覚」&出品作家とのディスカッション  ゲスト:廣瀬浩司[筑波大学准教授 哲学]      松嶋健[京都大学人文科学研究所研究員 人類学]      三脇康生[仁愛大学大学院教授 精神医学・美術批評]  会場 :講堂(定員150名) ■特別展示 出品作家の木藤純子によるインスタレーション展示 会期:8月16日(木)~19日(日) 9:30~17:00(入館は16:30まで) 会場:滋賀県立近代美術館 ギャラリー ■たいけんびじゅつかん 「キッズ ミーツ アーティスト!」:出品作家の宇野君平によるワークショップ 「琵琶湖の微生物をモティーフに、アートしてみよう」 多様な自然に触れる感動は、美術も科学も同じです。また、このような人類の好奇心は、あらゆる学問の原点です。 プランクトンの解説に滋賀県立琵琶湖博物館の楠岡泰博士をお迎えして、実際に顕微鏡で覗きながら、造形作品を制作します。 このワークショップは、アートとサイエンスのコラボレーションです。 日時  :9月22日(土)13:00~16:30 会場  :ワークショップルーム 対象  :小中学校全学年とその保護者 申込締切:9月10日(月)必着 協力  :滋賀県立琵琶湖博物館 解説  :滋賀県立琵琶湖博物館 学芸員 楠岡泰博士 *国際シンポジウム、レクチャー&コンサート、トークへのお申込は、イベント名・日時・氏名・住所・電話番号を明記のうえ、メール( artcenter@seian.ac.jp )またはFAX(077-574-2120)にて成安造形大学【キャンパスが美術館】事務局までお申込みください。なお、定員が決まっているものに関しては先着順とし、定員になり次第締め切らせていただきます。 *たいけんびじゅつかんへのお申込は滋賀県立近代美術館までお申込みください。 【「自然学|SHIZENGAKU ‐来るべき美学のために‐」出品作家資料】 http://www.atpress.ne.jp/releases/28408/a_5.pdf