プレスリリース
日本の心臓外科手術器具市場2025~2033年、市場規模・企業動向・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「日本の心臓外科手術器具市場2025~2033年、英文タイトル:Japan Cardiac Surgery Instruments Market Research 2025-2033」調査資料を発表しました。本資料には、日本市場規模、企業動向、セグメント別予測、市場シェアなどの情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本の心臓外科手術器具市場は、2024年に8,268万米ドルに達し、2033年には1億6,665万米ドルまで拡大すると予測されている。2025~2033年の年平均成長率(CAGR)は8.1%であり、高齢化に伴う心血管疾患患者の増加や、低侵襲・ロボット支援手術など高度な外科技術の普及が市場成長を支えている。市場データの対象期間は2022~2033年、予測期間は2025~2033年で、売上高ベースで評価されている。
心臓外科手術器具とは、心臓や大血管に対する複雑な外科手術を行う際に、心臓胸部外科医を支援するために設計された高度に専門的な器具を指す。心臓手術では、冠動脈、心臓弁、心腔、大血管など極めて繊細な組織や構造を扱う必要があるため、器具には高い精度、操作性、安全性が求められる。これらの器具は、組織の把持、血管の遮断、正確な切開、縫合、視野確保などに用いられ、手術効率の向上と合併症リスクの低減に重要な役割を果たしている。
代表的な適用手術には、冠動脈バイパス術(CABG)、心臓弁の修復・置換術、心臓移植、先天性心疾患の修復術などがある。手術内容によって必要な器具は異なり、血管クランプ、リトラクター、鉗子、持針器など、多様な専用器具が使い分けられる。近年では、従来の開胸手術用器具に加えて、低侵襲手術用の細径・長軸器具やロボット支援手術向け器具の開発も進んでおり、術後の回復期間短縮、創部縮小、出血や感染などの術後リスク低減に貢献している。
日本市場を押し上げる最大の要因の一つは、心血管疾患の増加である。日本は世界でも特に高齢化が進んだ国で、人口の28%以上が65歳以上とされている。高齢になるほど冠動脈疾患、心不全、心臓弁膜症などを発症する可能性が高くなるため、高齢人口の増加は心臓外科手術件数の増加と直結しやすい。
2024年に発表された研究では、日本の心不全患者数は2030年までに約130万人に達すると予測されている。心不全患者が増加すれば、冠動脈バイパス術、心臓弁修復・置換術をはじめとする心臓外科手術の需要も高まり、それに伴って専用の手術器具への需要も増加する。心不全そのものだけでなく、その背景疾患となる冠動脈疾患や弁膜症の治療件数増加も市場を支える要因となる。
また、食生活、運動不足、肥満、その他の生活習慣要因による心血管疾患負担の増加に加え、診断技術の向上によって疾患が以前より早期かつ正確に発見されるようになっていることも、市場拡大につながっている。診断される患者が増え、外科手術や低侵襲手術を受ける患者数が増加すれば、病院や心臓専門施設はより高性能な手術器具を導入する必要がある。このため、臨床上のニーズと医療技術の高度化が相互に市場成長を促進している。
一方で、市場成長の大きな制約となっているのが、高度な心臓外科手術器具の価格である。特にロボット支援手術システムや低侵襲手術用の高機能器具は、手術の精度向上や患者の早期回復に貢献する反面、導入費用が非常に高い。大型病院であれば投資可能でも、予算が限られている中小規模病院や地域医療施設では初期投資が負担となり、最新機器の導入が進みにくい場合がある。
日本の6病院で実施された経皮的冠動脈形成術(PTCA)の費用分析では、1件当たりの人件費は6万5,000~9万8,000円程度とされている。また、使い捨て材料の費用は1件当たり1,000~3万9,000円と幅があり、人件費、材料費、設備投資などを合計した総コストは9万5,000~22万4,000円程度に達したとされる。この数字は心臓治療に相当な医療資源と資金が必要であることを示している。
施設ごとのコスト差が大きい点も重要である。地域や病院ごとに予算規模、設備投資方針、患者数、手術件数などが異なるため、高額な新技術への投資余力にも差が生じる。その結果、ロボット支援システムや先端的な低侵襲器具が一部の大規模病院に集中し、市場全体への普及速度が抑えられる可能性がある。
市場は、製品タイプ、用途、エンドユーザーによって分類されている。製品タイプ別では、一般外科用手術器具、心臓モニタリング機器、冠動脈バイパス術用器具、心臓弁修復・置換用器具、内視鏡・ロボット手術用器具、人工心肺関連機器、その他に分けられる。用途別では、冠動脈バイパス術、心臓弁手術、小児心臓外科、心臓移植、その他が含まれる。エンドユーザー別では、病院・心臓専門センター、外来手術センター、その他に分類される。
なかでも、冠動脈バイパス術(CABG)関連のセグメントが日本市場で大きなシェアを占めると予測されている。CABGは、冠動脈が狭窄または閉塞し、心筋への血流が十分に確保できなくなった重症冠動脈疾患に対して行われる代表的な心臓手術である。薬物療法や血管形成術などでは十分な血流回復が得られない場合に実施されることが多く、重症患者の治療において重要な位置を占めている。
日本で冠動脈疾患患者が多いことから、CABGに関連するクランプ、リトラクター、吻合用器具、縫合関連器具などへの安定した需要が存在する。また、CABGでは胸骨を切開する開胸手術が行われるケースも多く、術後に胸骨を確実に固定するための器具も重要な市場領域となる。
製品イノベーションもCABG関連分野の成長を支えている。2024年8月には、Johnson & Johnson MedTech傘下の整形外科部門DePuy Synthesが「MatrixSTERNUM Fixation System」を発売した。このシステムは、開心術や胸部外科手術後に胸壁前面、特に胸骨を安定化・固定するためのプレートとスクリューから構成される。手術後の胸骨をより効率的かつ確実に固定することを目的としており、心臓・胸部外科領域における術後管理のニーズに対応する製品である。
MatrixSTERNUMのような新しい固定システムの導入は、単なる手術中の器具だけでなく、術後の回復と安全性まで含めた心臓外科関連デバイス市場の高度化を示している。日本で心臓・胸部外科手術が増加するなか、病院は手術時間の効率化、術後安定性の向上、合併症低減、患者の回復促進などを目的として、より高性能で信頼性の高い製品を求めるようになっている。
競争環境では、Medtronic、Johnson & Johnson(Ethicon)、Abbott、Siemens Healthineers、GE Healthcare、Boston Scientific、Terumo Cardiovascular Systems、Stryker、Philips、Edwards Lifesciencesなどが主要プレーヤーとして挙げられている。これらには、外科用器具メーカーだけでなく、心血管医療機器、画像診断、患者モニタリング、人工心肺、弁膜症治療など幅広い分野を手掛ける企業が含まれており、心臓外科の周辺領域まで含めた総合的な競争が行われている。
特に日本企業では、Terumo Cardiovascular Systemsのように心臓血管領域に強みを持つ企業が存在する一方、欧米の大手医療機器メーカーも高度な心臓手術用器具やデバイスを投入している。今後は、従来型の手術器具だけでなく、低侵襲化、ロボット支援、デジタル技術との統合、画像ガイダンス、術中モニタリングなどを組み合わせた製品・システムでの競争がより重要になると考えられる。
市場成長の方向性としては、単に心臓外科手術の件数が増えるだけでなく、1件あたりの手術で使用される器具・デバイスの高度化も重要である。高齢患者は複数の基礎疾患を抱えていることが多く、手術時のリスク管理がより難しいため、高精度かつ低侵襲な機器への需要が高まりやすい。これにより、ロボット支援手術、内視鏡手術、精密な血管操作器具、高性能な人工心肺装置、術後固定システムなどの市場機会が拡大すると考えられる。
また、医療現場では患者アウトカムだけでなく、医師・看護師の業務効率も重要になっている。手術を短時間で正確に行える器具、操作性が高く標準化しやすい製品、セットアップ時間を短縮できるシステムなどは、医療従事者不足への対応という観点からも価値が高まる可能性がある。したがって、今後の製品競争では、純粋な性能や精度だけでなく、操作性、手術時間短縮、教育・トレーニングのしやすさ、院内ワークフローへの適合性なども重要な差別化要因となる。
総合すると、日本の心臓外科手術器具市場は、高齢化による冠動脈疾患、心不全、弁膜症などの増加、外科手術件数の拡大、診断・治療技術の進歩、低侵襲手術やロボット支援手術の普及、病院による高性能機器への投資を背景として、2033年まで安定した成長が期待される。特にCABG関連器具は重要な市場セグメントであり、冠動脈疾患の治療需要が続く限り、一定以上の需要を維持するとみられる。
一方で、高性能な手術器具やロボット支援システムには多額の初期投資が必要であり、病院の財務状況や地域によって導入格差が生じることが市場拡大の制約となる。そのため、メーカーにとっては単に高機能製品を提供するだけでなく、費用対効果を示すこと、長期的な患者アウトカム改善や入院期間短縮による経済的メリットを証明すること、導入・保守コストを抑えることが重要になる。
この市場調査レポートでは、市場規模や製品・用途・エンドユーザー別の分析に加えて、進行中の臨床試験や製品パイプライン、今後の医療機器・医薬品の技術革新、各製品の性能や市場ポジショニング、成長可能性なども分析対象としている。また、患者から得られるリアルワールドデータ、医師の製品選択傾向、医療制度や病院再編が導入戦略へ与える影響、規制・政策変更、新興技術、競合企業の戦略、市場シェア、新規参入企業などについても扱うとしている。
さらに、価格設定や償還、市場アクセス、新市場への参入・提携戦略、サプライチェーンリスク、流通戦略、環境配慮や規制への対応、市販後監視データを活用した安全性改善、薬剤経済・医療経済の観点からの価値評価、価値ベース価格設定への移行なども対象となっている。特に高度医療機器は価格が普及を左右するため、製品性能だけでなく、経済合理性をどのように示すかが市場参入・拡大戦略上の重要なポイントとなる。
レポートは176ページで構成され、40以上の主要な表と30以上の図表を収録している。想定読者は、医療機器メーカー、製薬会社、バイオ企業、受託製造企業、販売代理店、病院などの医療関連企業に加え、規制・コンプライアンス担当者、政府機関、医療経済専門家、市場アクセス担当者、AI・ロボティクス企業、研究開発担当者、臨床試験関係者、ファーマコビジランス専門家、ヘルスケア投資家、ベンチャーキャピタル、営業・マーケティング部門、医療コンサルタント、業界団体、アナリスト、物流・サプライチェーン担当者、患者・患者団体、保険会社、大学・研究機関など幅広い関係者となっている。
※目次構成
- 市場の導入および調査範囲
レポートの目的
レポートの対象範囲および定義
調査範囲 - エグゼクティブインサイトおよび主要ポイント
市場ハイライトおよび戦略的示唆
主なトレンドおよび将来予測
製品タイプ別市場概要
用途別市場概要
エンドユーザー別市場概要 - 市場動向
市場への影響要因
成長要因
心血管疾患の罹患率上昇
心臓外科手術技術の進歩
XX
阻害要因
高度な手術器具に伴う高コスト
厳格な規制要件
XX
市場機会
低侵襲手術に対する需要の拡大
XX
影響分析 - 戦略的インサイトおよび業界展望
市場リーダーおよび先駆的企業
新興の先駆的企業および主要プレイヤー
売上上位ブランドを有する有力企業
確立された製品を有する市場リーダー
経営層(CXO)の見解
最新動向および技術的ブレークスルー
ケーススタディ/進行中の研究
規制および償還制度の動向
ポーターの5フォース分析
サプライチェーン分析
特許分析
SWOT分析
アンメットニーズおよび市場ギャップ
市場参入・事業拡大に向けた推奨戦略
シナリオ分析:楽観・基本・悲観ケース予測
価格分析および価格動向
キーオピニオンリーダー(KOL) - 日本の心臓外科手術器具市場 — 製品タイプ別
はじめに
製品タイプ別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
製品タイプ別市場魅力度指数
手術器具*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
鉗子
クランプ
メス
手術用ハサミ
持針器
その他
心臓モニタリング機器
冠動脈バイパス術(CABG)用器具
心臓弁修復・置換術用器具
内視鏡・ロボット手術用器具
人工心肺装置
その他 - 日本の心臓外科手術器具市場 — 用途別
はじめに
用途別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
用途別市場魅力度指数
冠動脈バイパス術(CABG)*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
心臓弁手術
小児心臓外科手術
心臓移植
その他 - 日本の心臓外科手術器具市場 — エンドユーザー別
はじめに
エンドユーザー別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
エンドユーザー別市場魅力度指数
病院・心臓専門センター*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
外来手術センター(ASC)
その他 - 競争環境および市場ポジショニング
競争環境の概要および主要市場プレイヤー
市場シェア分析およびポジショニング・マトリクス
戦略的提携、M&A(合併・買収)
製品ポートフォリオおよびイノベーションに関する主な動向
企業ベンチマーキング - 企業プロファイル
9.1 Medtronic*
企業概要
製品ポートフォリオ
製品概要
製品主要業績評価指標(KPI)
製品売上高の実績および予測
製品販売数量
財務概要
企業売上高
地域別売上構成比
売上高予測
主な動向
M&A(合併・買収)
主な製品開発活動
規制当局による承認など
SWOT分析
9.2 その他の主要企業
Johnson & Johnson(Ethicon)
Abbott
Siemens Healthineers
GE HealthCare
Boston Scientific Corporation
Terumo Cardiovascular Systems Corporation
Stryker
Koninklijke Philips N.V.
Edwards Lifesciences Corporation
※企業一覧は網羅的なものではありません。
- 前提条件および調査方法
データ収集方法
データ・トライアンギュレーション
予測手法
データの検証および妥当性確認 - 付録
当社およびサービスについて
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