報道関係者各位
    プレスリリース
    2026年9月3日 10:30
    株式会社マーケットリサーチセンター

    世界の転移性骨がんの市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表

    株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の転移性骨がんの市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Metastatic Bone Cancer Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。

    ■主な掲載内容

    本レポートは、転移性骨癌(Metastatic Bone Cancer)、より正確には他臓器原発癌から骨へ転移した骨転移性悪性腫瘍の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。骨転移は、乳癌、前立腺癌、肺癌、甲状腺癌、腎癌などから生じることが多く、骨痛、病的骨折、脊髄圧迫、高カルシウム血症などの骨関連合併症を引き起こす。調査会社は、骨転移が進行癌の主要合併症であり、米国では年間数十万規模の患者が存在すると整理している。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間として、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場における有病患者数、年齢、性別、原発癌別患者構成、診断患者数などを分析している。

    まず重要なのは、「転移性骨癌」という表現が原発性骨癌を意味しない点である。今回の資料が扱っているのは、骨肉腫や軟骨肉腫のように骨から発生する原発性骨悪性腫瘍ではなく、他臓器の癌が骨へ転移した「骨転移」である。したがって、疫学評価では原発癌の種類と、その癌が骨へ転移する割合を組み合わせて考える必要がある。

    骨は肺、肝臓に次いで3番目に多い転移部位とされる。これは複数の固形癌を横断した一般的な転移部位順位であり、すべての原発癌で骨が3番目という意味ではない。原発癌ごとに転移パターンは異なり、前立腺癌や乳癌では骨転移が非常に重要である一方、他癌種では肝・肺・脳などの方が優位な場合がある。

    2022年には世界で約2,000万件の新規癌症例が報告されたとされるが、これは「全癌」の新規症例数であり、骨転移患者数ではない。したがって、この2,000万件を転移性骨癌の患者プールとして扱ってはいけない。

    今回の資料では、骨転移の絶対的な世界患者数は明示されていない。世界2,000万癌新規症例という背景値と、「骨が3番目に多い転移部位」という情報が示されているだけであるため、世界全体の骨転移患者数をこの抜粋から直接算出することはできない。

    原発癌別では、非小細胞肺癌(Non-Small Cell Lung Cancer:NSCLC)患者の約40%が疾患経過中に骨転移を発症するとされる。これは一般人口の40%という意味ではなく、NSCLC患者という選択された高リスク集団内の累積発生割合である。

    また、「eventually develop」とされているため、診断時すでに骨転移を有する患者だけではなく、その後の治療経過中に骨転移へ進展した患者も含む可能性が高い。したがって、「診断時骨転移率」と「生涯・疾患経過中の骨転移率」を区別する必要がある。

    骨転移は高齢者に多く、平均診断年齢は約62歳とされる。これは骨転移そのものが加齢で直接発生するというより、乳癌、前立腺癌、肺癌など主要原発癌が中高年以降に多いことを反映している。

    したがって、骨転移患者の年齢構成は原発癌の年齢構成に強く依存する。例えば前立腺癌由来骨転移と乳癌由来骨転移、肺癌由来骨転移では患者年齢分布が異なる可能性がある。

    資料冒頭では、骨転移が存在すると、骨転移を有しない同じ原発癌患者より生存が有意に悪化するとされる。ただし、生存期間は原発癌の種類によって非常に大きく異なる。

    あるレビューでは、骨転移を有する悪性黒色腫で生存期間が約6か月、骨転移を有する前立腺癌では50か月超とされる。

    この約6か月と50か月超という差は、骨転移という共通病態があっても原発癌の生物学、治療感受性、進行速度などによって予後が大きく異なることを示す。

    したがって、「骨転移患者の平均余命は何か月」と単一の数字で表すのは不適切である。転移性骨癌市場・予後分析では原発癌別に層別化する必要がある。

    また、今回の抜粋では「survival times」とだけ記載されており、中央値なのか平均値なのか、診断時点からの生存なのかは明示されていない。したがって、6か月や50か月超を厳密な比較生存中央値として扱うには注意が必要である。

    米国では、転移性骨癌の有病患者数が年間約30万~60万人と推定されている。

    この幅がかなり広いことからも、骨転移の症例定義、対象癌種、観察期間、診断方法などによって患者数推計が大きく変わることがわかる。

    また、「prevalent cases annually」という表現はやや曖昧である。有病率・有病患者数は通常ある時点または期間内に生存している患者数を意味し、「年間」という表現は新規発生数との混同を招きやすい。

    したがって、この30万~60万人は米国内で一定期間に骨転移を有して生存している患者規模を示す概算と理解するのが適切で、年間新規発症数と同義ではない。

    米国の2010~2016年の大規模人口ベースコホートでは、約220万人の成人固形癌患者のうち約11万3,317人が診断時に骨転移を有していたとされる。

    単純計算では約5.1%に相当する。

    ただし、この約5.1%は「全固形癌患者のうち、診断時に骨転移が確認された割合」であり、疾患経過中に後から骨転移を発症した患者は含まれない可能性がある。

    そのため、NSCLCで約40%が最終的に骨転移を発症するという累積率と、全固形癌の診断時骨転移約5%を直接比較して矛盾とみなすべきではない。分母、原発癌構成、時間軸が異なるからである。

    また、米国の11万3,317人は2010~2016年の特定コホート内の診断時骨転移症例数であり、米国全国の年間患者総数ではない。

    30万~60万人という米国有病患者推計と11万3,317人という診断時骨転移患者数も、同じ指標ではないため単純比較すべきではない。

    前者は広い有病患者プール、後者は特定期間の診断時骨転移患者であり、時間軸と症例定義が異なる。

    米国で骨転移患者数が増加している背景として、資料では主に2つの要因が挙げられている。

    一つは乳癌、前立腺癌、肺癌など進行癌患者の生存期間が延びていることである。患者が長く生存するほど、疾患経過中に骨転移を発症する機会が増え、かつ骨転移後にも長く生存するため、有病患者数が蓄積する。

    もう一つは画像診断技術の向上である。従来なら見逃されていた小さな骨転移を早期に検出できるようになれば、真の生物学的転移率が変わらなくても診断患者数は増える。

    したがって、2026~2035年に骨転移患者数が増加しても、それが必ずしも癌の悪性度増加や転移率悪化を意味するわけではない。長期生存と診断精度向上によって有病者が増える可能性が大きい。

    骨転移の臨床像では、骨痛、病的骨折、脊髄圧迫、高カルシウム血症などが重要である。これらはいわゆるskeletal-related eventsや骨関連合併症として患者のQOLと医療資源利用を大きく悪化させる。

    特に脊髄圧迫は神経学的障害につながる可能性があり、緊急対応を要する。

    また、病的骨折は歩行能力や日常生活機能を大きく低下させ、入院、手術、リハビリテーション需要を増加させる。

    骨転移は骨格全体に均等に発生するわけではなく、資料では血流が豊富な体軸骨格、すなわち脊椎、骨盤、肋骨などが多いとされる。

    病変タイプは原発癌によって異なり、骨溶解性、骨形成性、混合性に分類される。

    したがって、同じ「骨転移」でも画像所見、骨折リスク、治療反応は一様ではない。

    性別については、今回の抜粋では骨転移全体の男性・女性比は提示されていない。

    これは当然とも言え、骨転移の性差は原発癌構成に大きく依存するためである。乳癌由来は女性中心、前立腺癌由来は男性のみであり、肺癌・腎癌などは男女双方に発生する。

    したがって、転移性骨癌全体に一律の男女比を設定するのは適切ではない。

    今回の抜粋では、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドについて具体的な骨転移患者数や発症率は示されていない。

    そのため、8主要市場を対象とするレポートではあるものの、この資料だけで国別患者数を定量的に比較することはできない。

    各国の骨転移負担は、乳癌・前立腺癌・肺癌など主要癌種の発症率、進行癌生存率、画像診断アクセス、癌治療へのアクセスなどによって変化する。

    治療では、骨転移そのものだけを治療するのではなく、まず原発癌の種類に応じた全身治療が中心となる。

    資料では化学療法、ホルモン療法、分子標的治療、免疫療法などが挙げられており、これらは原発癌の生物学に応じて選択される。

    したがって、転移性骨癌に共通する単一の抗癌薬が存在するわけではない。

    例えばホルモン依存性癌ではホルモン療法が重要となり、適切な分子標的が存在する場合には標的治療、免疫感受性のある癌では免疫療法が選択される。

    骨そのものへの合併症予防には、ビスホスホネートやdenosumabなどのbone-modifying agentsが用いられるとされる。

    これらは骨転移を完全に消失させることを目的とするというより、骨折など骨関連イベントを抑制する役割が重要である。

    放射線療法は骨痛の緩和や局所病変制御に用いられる。

    外科治療は、病的骨折や骨折リスクの高い部位、脊椎不安定性などで骨格を安定化する目的で必要となる場合がある。

    したがって、骨転移治療では腫瘍制御だけでなく疼痛管理、歩行・機能維持、骨折予防が主要な治療目標となる。

    放射性医薬品としてradium-223が挙げられており、骨を標的とした治療選択肢の拡大が示されている。

    ただし、今回の資料では全骨転移患者に適応されるとは記載されておらず、特定の原発癌・病態を対象とする治療として理解する必要がある。

    多職種管理も重要であり、腫瘍内科、整形外科、放射線治療科、緩和ケアなどの連携が必要とされる。

    骨転移患者では治療目標が生存延長だけではなく、疼痛軽減、骨折予防、神経機能保護、QOL維持など多岐にわたるためである。

    市場・疫学の観点では、「転移性骨癌」という一括カテゴリーより、原発癌別の骨転移患者プールを分析する方が実態に近い。

    第一に、骨転移発生率が原発癌によって大きく異なる。

    第二に、生存期間も原発癌によって約6か月から50か月超まで大きく異なる。

    第三に、使用される全身療法が異なる。

    第四に、骨溶解性・骨形成性など病変タイプも異なる。

    したがって、乳癌骨転移、前立腺癌骨転移、肺癌骨転移などを別々に評価することが、患者数・治療需要・市場規模を理解するうえで重要になる。

    2026~2035年の患者プールを押し上げる第一の要因は、高齢化に伴う原発癌患者数の増加である。

    第二に、癌治療の進歩によって進行癌患者が長く生存することがある。

    第三に、高感度画像診断によって骨転移がより早期・高頻度に検出されることがある。

    第四に、骨転移治療自体の改善によって骨転移後の生存期間が延長すれば、有病患者数はさらに蓄積する。

    一方、原発癌の早期診断・治療によって遠隔転移への進行率を下げることができれば、新規骨転移の発生を抑えられる可能性がある。

    したがって、転移性骨癌市場では「原発癌の治療成功が骨転移を減らす方向」と「進行癌の長期生存が骨転移有病者を増やす方向」が同時に存在する。

    全体として本レポートは、転移性骨癌を「乳癌、前立腺癌、肺癌、甲状腺癌、腎癌など他臓器原発癌が骨へ二次的に転移した進行癌病態」と位置づけている。

    骨は肺・肝臓に次いで3番目に多い転移部位とされるが、2022年世界約2,000万新規癌症例という数字は全癌負担であり、骨転移患者数ではない。

    NSCLCでは約40%が疾患経過中に骨転移を発症するとされるが、これはNSCLC患者内の累積割合である。

    米国では骨転移有病患者が約30万~60万人と推定される一方、2010~2016年の約220万人の成人固形癌患者コホートでは約11万3,317人が診断時に骨転移を有していた。前者は広い有病患者推計、後者は診断時骨転移という異なる指標であり、直接比較してはいけない。

    予後は原発癌によって大きく異なり、あるレビューでは骨転移を伴う悪性黒色腫で約6か月、前立腺癌で50か月超とされる。このため、「骨転移患者の予後」を単一値で表現するのは不適切である。

    治療では原発癌に応じた化学療法、ホルモン療法、標的治療、免疫療法に加え、ビスホスホネートやdenosumabによる骨関連イベント予防、放射線療法による疼痛緩和、外科的骨格安定化、選択例でのradium-223などを組み合わせる。

    2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、原発癌患者数の増加、高齢化、進行癌の生存延長、画像診断向上によって骨転移有病患者プールが拡大する可能性がある。一方、原発癌の早期治療が改善すれば、新規骨転移発生率を低下させる余地もある。

    したがって、今後の転移性骨癌管理における中心的課題は、骨転移を単一癌として扱うのではなく、原発癌、骨病変タイプ、診断時転移か後発転移か、骨関連イベントリスク、予後を適切に層別化し、それぞれに応じた全身治療と骨標的治療を組み合わせることである。2026~2035年は、癌患者の長期生存によって増加する骨転移有病者に対し、疼痛、骨折、脊髄圧迫などの骨関連合併症をどこまで抑えながらQOLと生存を改善できるかが、臨床・疫学・腫瘍学・整形腫瘍学・研究開発・市場の主要テーマになるとまとめられる。

    ※目次構成

    1. 序文
      1.1 はじめに
      1.2 調査の目的
      1.3 調査方法および前提条件
    2. エグゼクティブサマリー
    3. 転移性骨がんの市場概要 ― 8主要市場
      3.1 転移性骨がんの市場規模実績(2019~2025年)
      3.2 転移性骨がんの市場規模予測(2026~2035年)
    4. 転移性骨がんの疫学概要 ― 8主要市場
      4.1 転移性骨がんの疫学動向(2019~2025年)
      4.2 転移性骨がんの疫学予測(2026~2035年)
    5. 疾患概要
      5.1 徴候および症状
      5.2 原因
      5.3 リスク因子
      5.4 ガイドラインおよび病期
      5.5 病態生理
      5.6 スクリーニングおよび診断
      5.7 転移性骨がんの種類
    6. 患者プロファイル
      6.1 患者プロファイルの概要
      6.2 患者心理および心理・感情面への影響因子
    7. 疫学動向および予測 ― 8主要市場(2019~2035年)
      7.1 主な調査結果
      7.2 前提条件およびその根拠
      7.3 転移性骨がんの診断済み有病患者数
      7.4 転移性骨がんのタイプ別患者数
      7.5 転移性骨がんの性別患者数
      7.6 転移性骨がんの年齢別患者数
    8. 疫学動向および予測:米国(2019~2035年)
      8.1 米国における前提条件およびその根拠
      8.2 米国における転移性骨がんの診断済み有病患者数
      8.3 米国における転移性骨がんのタイプ別患者数
      8.4 米国における転移性骨がんの性別患者数
      8.5 米国における転移性骨がんの年齢別患者数
    9. 疫学動向および予測:英国(2019~2035年)
      9.1 英国における前提条件およびその根拠
      9.2 英国における転移性骨がんの診断済み有病患者数
      9.3 英国における転移性骨がんのタイプ別患者数
      9.4 英国における転移性骨がんの性別患者数
      9.5 英国における転移性骨がんの年齢別患者数
    10. 疫学動向および予測:ドイツ(2019~2035年)
      10.1 ドイツにおける前提条件およびその根拠
      10.2 ドイツにおける転移性骨がんの診断済み有病患者数
      10.3 ドイツにおける転移性骨がんのタイプ別患者数
      10.4 ドイツにおける転移性骨がんの性別患者数
      10.5 ドイツにおける転移性骨がんの年齢別患者数
    11. 疫学動向および予測:フランス(2019~2035年)
      11.1 フランスにおける前提条件およびその根拠
      11.2 フランスにおける転移性骨がんの診断済み有病患者数
      11.3 フランスにおける転移性骨がんのタイプ別患者数
      11.4 フランスにおける転移性骨がんの性別患者数
      11.5 フランスにおける転移性骨がんの年齢別患者数
    12. 疫学動向および予測:イタリア(2019~2035年)
      12.1 イタリアにおける前提条件およびその根拠
      12.2 イタリアにおける転移性骨がんの診断済み有病患者数
      12.3 イタリアにおける転移性骨がんのタイプ別患者数
      12.4 イタリアにおける転移性骨がんの性別患者数
      12.5 イタリアにおける転移性骨がんの年齢別患者数
    13. 疫学動向および予測:スペイン(2019~2035年)
      13.1 スペインにおける前提条件およびその根拠
      13.2 スペインにおける転移性骨がんの診断済み有病患者数
      13.3 スペインにおける転移性骨がんのタイプ別患者数
      13.4 スペインにおける転移性骨がんの性別患者数
      13.5 スペインにおける転移性骨がんの年齢別患者数
    14. 疫学動向および予測:日本(2019~2035年)
      14.1 日本における前提条件およびその根拠
      14.2 日本における転移性骨がんの診断済み有病患者数
      14.3 日本における転移性骨がんのタイプ別患者数
      14.4 日本における転移性骨がんの性別患者数
      14.5 日本における転移性骨がんの年齢別患者数
    15. 疫学動向および予測:インド(2019~2035年)
      15.1 インドにおける前提条件およびその根拠
      15.2 インドにおける転移性骨がんの診断済み有病患者数
      15.3 インドにおける転移性骨がんのタイプ別患者数
      15.4 インドにおける転移性骨がんの性別患者数
      15.5 インドにおける転移性骨がんの年齢別患者数
    16. ペイシェントジャーニー(患者の診療・治療プロセス)
    17. 治療上の課題およびアンメットニーズ
    18. キー・オピニオン・リーダー(KOL)の見解

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