報道関係者各位
    プレスリリース
    2010年1月12日 13:30
    インペアード・パフォーマンス ゼロプロジェクト

    中学受験生の母親に対し花粉症対策セミナーを12月14日に実施 ~ 中学受験を万全の状態で迎えるため、適切な花粉症対策について講演 ~

    インペアード・パフォーマンス ゼロプロジェクト(代表:東北大学大学院医学系研究科 機能薬理学分野教授 谷内 一彦)は、12月14日に服部栄養専門学校にて、中学受験を目指す子どもの母親で構成されるコミュニティーサロン「母活ノススメ」のメンバー30人を対象にセミナーを開催しました。過日発表された「2010年の花粉飛散の開始が早まる」との予測(※1)により、中学受験シーズンと花粉飛散期との重複が心配されます。そのため、子どもの健康管理に加え、花粉症対策という負荷のかかる母親を応援する目的で本セミナーが実施されました。

    図1 花粉飛散図

    セミナーでは、受験生が受験本番を万全の状態で迎えられるよう、早期飛散が予測される2010年春の適切な花粉症対策について、東京逓信病院 薬剤部副薬剤部長 大谷 道輝先生が講演を行いました。

    ※1 NPO花粉情報協会発表


    ■2010年の中学受験は、例年と異なり、花粉症対策も必要になる可能性が
    受験生にとってはいよいよ追い込みの時期となりましたが、NPO花粉情報協会によると、今冬にエルニーニョの影響が残るため、2010年のスギ・ヒノキ科花粉の飛散開始時期が早まると予想されています(下記URL 図1を参照)。このため例年であれば重ならないはずの花粉飛散時期と中学受験時期が、2010年は重複する可能性が高くなります。
    図1: http://www.atpress.ne.jp/releases/13386/1_1.jpg

    花粉症患者数は、年々増加傾向にあり、特に10代のスギ花粉有病率は1998年に19.7%だったのに対し、2008年には約1.6倍の31.4%と著しく上昇しています(下記URL 図2を参照)。中学受験を志す子どもとその母親にとって、2010年は、健康管理に加え、花粉症対策も課題となることが予想されます。
    図2: http://www.atpress.ne.jp/releases/13386/2_2.jpg

    花粉症治療に広く用いられる抗ヒスタミン薬は、種類によっては薬剤が脳に移行して活動性が抑えられてしまい、「インペアード・パフォーマンス(気づきにくい能力ダウン)」と呼ばれる集中力や判断力、作業能率の低下をきたしてしまうことがあります。眠気は本人が自覚できる状態ですが、インペアード・パフォーマンスは本人が無自覚なままにパフォーマンスが低下してしまう点が問題となります。

    受験生にとって、受験当日はまさに一世一代の勝負の日。花粉症対策は万全と安心していたのに実はインペアード・パフォーマンスをきたしていたとなっては、本末転倒となってしまいます。

    東京逓信病院 薬剤部副薬剤部長 大谷 道輝先生は、「インペアード・パフォーマンスをきたすことにより受験に影響してしまうことがないよう、花粉症の症状を抑えながらも、脳に移行しにくい抗ヒスタミン薬を選択できるよう、医療機関で医師または薬剤師の先生に相談してください。また、早めの服用は本格飛散期の症状を軽くしますので、早めに病院で、医師・薬剤師に相談することが大切です」とアドバイスされました。

    セミナーに参加した「母活ノススメ」のメンバーは、「受験を経験した先輩ママたちから、これまで色々なアドバイスをもらってきましたが、花粉症は初めて。受験本番に向けて、今日のセミナーで得た花粉症予防・対策の知識をすぐに生かしたい。中学受験に向けて頑張っている全国の子どもたちとお母さんのためにも、花粉の早期飛散のこと、花粉症対策のこと、そしてインペアード・パフォーマンスのことを知らせていきたいです」と語りました。
    セミナー受講の様子: http://www.atpress.ne.jp/releases/13386/3_3.jpg


    花粉飛散情報と中学受験のための花粉症対策の情報は、インペアード・パフォーマンス ゼロプロジェクトのウェブサイト( http://www.allergy-i.jp/ipzero/index.html )にて公開されます。


    【インペアード・パフォーマンスとは】
    アレルギー疾患には、花粉症などのアレルギー性鼻炎やじんましん、アトピー性皮膚炎などのかゆみを伴う皮膚疾患があり、その多くはヒスタミンという物質が症状部位で過剰に分泌されることによって起こります。このようなアレルギー症状を改善させる薬として広く処方されているのが、ヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬です。しかしヒスタミンは脳の働きを活発にする作用もあるため、抗ヒスタミン薬が脳内に移行すると、脳の働きを低下させることが知られています。抗ヒスタミン薬の服用によって、自覚症状としての眠気のほか、眠気がなくても知らず知らずのうちに集中力や判断力、作業能率が低下してしまうことがあり、この状態を「インペアード(※)・パフォーマンス」といいます。これは、患者さんが無自覚なままパフォーマンスの低下をきたしてしまう点が問題となります。インペアード・パフォーマンスをきたしにくい抗ヒスタミン薬もありますので、医療機関を受診して医師または薬剤師の先生に相談することが大切だといわれています。
    ※インペアード(impaired)=正常な機能が損なわれた、正常に機能しない、の意


    【インペアード・パフォーマンス ゼロプロジェクトについて】
    インペアード・パフォーマンス ゼロプロジェクトとは、アレルギー疾患の治療で使われる抗ヒスタミン薬を服用することにより無自覚なままに集中力・判断力・作業能率が低下してしまう状態「インペアード・パフォーマンス」(気づきにくい能力ダウン)の認知・啓発を目的に、2009年1月15日に発足した任意団体です。インペアード・パフォーマンスの無い(ゼロの)社会を目指し、インペアード・パフォーマンスの認知および正しい理解と、適切なアレルギー疾患の治療の啓発に努めています。


    ■プロジェクト メンバー(2009年11月現在)
    <代表者>
    東北大学大学院医学系研究科 機能薬理学分野教授 谷内 一彦
    <参加専門家>
    東京逓信病院 皮膚科部長 江藤 隆史
    東京逓信病院 薬剤部副薬剤部長 大谷 道輝
    アクティ大阪耳鼻咽喉科医院 副院長 大橋 淑宏
    大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻教授 荻野 敏
    大阪大学大学院医学系研究科 情報統合医学講座皮膚科教授 片山 一朗
    クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社 医療アセスメント研究部部長 小林 慎
    順天堂大学医学部附属練馬病院 小児科教授 新島 新一
    <協賛企業>
    サノフィ・アベンティス株式会社
    <賛同団体>
    財団法人日本アレルギー協会、算数オリンピック委員会、社団法人静岡県観光協会、
    社団法人信州・長野県観光協会、財団法人長野県交通安全協会、母活ノススメ
    <賛同企業>
    株式会社宇佐美鉱油、宇野自動車株式会社、京成電鉄株式会社、
    しずてつジャストライン株式会社、銚子電気鉄道株式会社、津軽鉄道株式会社、

    東和運輸株式会社、中日本高速道路株式会社、株式会社ハロー・トーキョー、
    ひたちなか海浜鉄道株式会社、松本電気鉄道株式会社、アルピコハイランドバス、
    諏訪バス株式会社、川中島バス株式会社、アルピコタクシー5社、
    アルピコ自工株式会社、松本運送株式会社、アルピコ自動車学校、
    その他アルピコグループ8社