報道関係者各位
    プレスリリース
    2025年12月12日 17:10
    一般社団法人愛玩動物健康管理協会

    専門家主体の保護拠点拡大へ:動物福祉向上を掲げた犬猫シェルター増設クラウドファンディング稼働中

    115頭の犬猫を守る!専門知識と経験に基づく保護ケアを目指す拠点拡張プロジェクト

    一般社団法人愛玩動物健康管理協会(所在地:静岡県沼津市、代表理事:望月紗貴)は、国内における動物福祉水準の体系的向上と、行き場を失う犬猫の受け入れ機能の強化を目的として、新たな保護シェルター増設に向けたクラウドファンディング(READYFOR)を開始いたしました。

    当協会はこれまで、ペットフードの受託開発(栄養設計)、ペット用品受託開発、共同開発等のB to Bビジネスによる収益を主な財源として、動物保護シェルターの運営資金を自助的に賄ってまいりましたが、医療的ケアや行動特性への専門的対応を要する犬猫が増加する中、従来の枠組みのみでは十分な拠点整備が困難となっており、現状依頼が入っている犬猫の受入に関しても困難な状況です。

    本プロジェクトは、こうした状況を踏まえ、受入場所の拡大を図り、医療的ケアや行動特性への専門的対応を要する犬猫を含む115頭に対し、継続的かつ高度な保護管理を行うための拠点整備を進めるものです。

    取り組みの背景:高まる「保護動物の医療・行動ケアニーズ」

    近年、日本における動物の飼育形態は多様化しており、飼い主の高齢化、疾病、経済的理由により飼育継続が困難となる事例も増加しています。それに伴い、老齢動物・疾患を抱える個体・行動課題を有する個体の受け入れ需要が顕著に増えているのが現状です。

    当協会では、獣医師・動物看護師・行動学専門家・栄養管理士など、多分野の専門家が連携し、特別なケアを必要とする犬猫の保護・管理体制を中心に構築を試みてきました。しかし現在、既存施設では受け入れ可能頭数に限界が生じつつあり、38頭の犬猫(2025年12月12日時点)が限界となっております。動物保護体制の維持・受入頭数の増加・質向上のためには新規拠点の確保、及び整備が不可欠となっています。

    プロジェクトの目的:QOLを基軸とした高度保護環境の構築

    本プロジェクトが目指すのは、現状依頼が入っている多くの行き場のない保護動物の「収容スペースの拡大」が第一目標となっておりますが、動物福祉の国際基準に準拠した生活環境・医療体制・行動ケアの提供が第二ステージの目標です。具体的には以下の通りです。

    ●保護受入頭数の強化
    依頼が入っている居場所を失った犬猫の受入場所の確保

    ● 医療・看護機能の強化
    慢性疾患を持つ個体への継続的治療
    高齢動物への疼痛管理、終末期ケア
    感染症対策の分離環境の整備

    ● 行動学的アプローチ
    不安・恐怖症・攻撃行動等の専門的トレーニング
    個体の特性に合わせた生活動線の設計
    社会化不足動物への適正な馴化プログラム

    ● QOL向上のための環境エンリッチメント
    運動スペースの確保
    ストレス軽減のための静音設計
    好奇心や探索行動を促す設備の導入

    これらを総合的に整備し、保護動物が“家族同等の尊厳ある生活”を送れる拠点を確立することが本プロジェクトの核心です。

    支援金の使途

    本プロジェクトにより皆さまからお預かりする支援金は、現状保護依頼がある犬猫含む保護動物115頭のQOL(Quality of Life)向上および長期的な保護・管理体制の確立を目的としたインフラ整備費・運営費として、以下の項目に重点配分いたします。なお、クラウドファンディングで資金確保ができなかった場合は、現状の38頭の犬猫の保護スペースしか確保できない状況となっております。

    1. シェルター施設インフラ整備・改修に関する費用

    ・新規拠点の取得・賃借に係る初期費用
    ・個体差(年齢・体格・行動特性・疾病等)に応じたゾーニング設計およびケンネル・キャッテリーの構築
    ・温度・湿度・換気・採光など、環境エンジニアリングの観点を踏まえた環境制御設備の導入
    ・感染症リスク低減を目的とした隔離室、クリーン/ダーティ動線の分離、洗浄・消毒設備等の整備・改修

    1. 必要に応じた高度医療提供に係る費用
      保護個体の健康状態は、年齢、既往歴、環境要因、ストレス反応などにより大きく異なります。
      当協会では、獣医師による診断・治療を外部動物病院にて実施する体制を採用しており、支援金の一部を以下の医療関連費に充当いたします。

    ・一般身体検査、血液検査、画像診断(X線・超音波検査 等)など、初期評価・継続評価に必要な診療費
    ・ワクチン接種、不妊去勢手術、フィラリア・ノミダニ等の寄生虫予防、慢性疾患・基礎疾患に対する継続治療費
    ・皮膚疾患・歯科疾患・消化器疾患等、専門性の高い診療科目での検査・処置にかかる費用
    ・高齢個体や疾患個体に対する疼痛管理、緩和ケア、定期モニタリングに関わる外来診療費
    ・救急搬送、緊急検査、手術など、突発的状況に対応するための予備的医療費

    専門家チームによる健康観察と外部医療機関の獣医師による診療を組み合わせ、個体ごとに適切な医療介入を選択するケースマネジメント型保護医療を可能とするための費用として位置づけています。

    1. 行動学的ケア・リハビリテーション環境整備に関する費用

    ・問題行動(攻撃行動、不安・恐怖反応、分離不安等)に対する動物行動学に基づく行動修正プログラムの実施費用
    ・行動評価・行動記録のためのツール・機材(評価シート、記録システム、カメラ等)の整備
    ・社会化不足個体やトラウマを有する個体の馴化・社会化を促進するためのトレーニング環境の設計・整備
    ・行動学的評価と環境調整を継続的に行うためのモニタリング体制構築費

    1. 環境エンリッチメントおよび日常ケア用品の整備に関する費用

    ・個体の健康状態・ライフステージに応じた総合栄養食・療法食等の給与に要する費用
    ・知育トイ、スクラッチポール、キャットタワー、ベッド・マット類等、ストレス軽減と行動レパートリーの拡大を目的とした環境エンリッチメント資材の導入
    ・トイレ砂・ペットシーツ・タオル・洗剤・消毒剤等、衛生管理・清掃に必要な消耗品費
    ・洗浄・消毒・廃棄物管理など、衛生水準維持に不可欠な日常運用コスト

    その他、クラウドファンディング実施に伴うプラットフォーム利用手数料および事務手続きに係る諸経費

    なお、支援金の具体的な配分・執行状況については、プロジェクト終了後および一定期間経過後に活動報告書・収支報告として公表し、第三者による検証が可能な形で透明性の確保に努めます。

    これにより、単なる「寄付」ではなく、動物福祉インフラへの社会的投資としての位置づけを明確にしてまいります。

    代表理事コメント

    「当協会はこれまで、ペットフードの受託開発(栄養設計)等のB to Bビジネスによる収益を主な財源とし、保護シェルターの運営を自助的に継続してきました。しかし近年、飼い主の高齢化や疾病、経済事情の変化を背景として、医療的・行動学的により高度なケアを必要とする犬猫の保護依頼が明らかに増加しています。

    こうした個体は、単に「安全な居場所」を確保するだけでは不十分であり、獣医療、行動学、栄養管理、環境エンリッチメント等を組み合わせた、総合的なマネジメントが求められます。私たちは、保護犬猫一頭一頭について健康状態・行動特性・生活歴などを評価したうえで、必要に応じて外部の動物病院と連携しながら医療介入を行い、日々の飼養管理に反映させる“ケースマネジメント型”の保護を試みてきました。

    本プロジェクトは、そのような専門的ケアを前提とした保護拠点を拡張し、現在保護依頼のある犬猫を含む115頭規模の動物に対して中長期的にQOL(Quality of Life)を確保するためのインフラを整備する取り組みです。当協会単独の自己資金のみでは、現在保護依頼が入っている動物の保護スペース確保・必要とされる水準の環境整備・医療体制・人材育成を十分に賄うことが難しくなっているのが実情です。

    保護動物の福祉においては、もはや一団体だけの善意や努力で支えきれる段階を超え、社会全体で支えるべき「インフラ」として捉える必要があります。本クラウドファンディングを通じて、多くの皆様に現状と課題、そして専門家主体の保護拠点の意義をご理解いただき、共に新たなモデルケースを築いていければと考えております。」

    一般社団法人愛玩動物健康管理協会 
    代表理事 望月紗貴

    社会全体で支える保護インフラへ

    本シェルターは、単なる保護施設ではなく「動物福祉の質的向上モデルケース」としての役割も担います。

    ・行動学的データの蓄積と発信
    ・高齢動物の医療・ケアモデルの提示
    ・地域連携型の保護支援ネットワーク構築
    ・人と動物の共生推進に資する教育活動

    これらを通じ、全国的な保護体制の標準化と高度化に寄与することを目指しています。

    取材・問い合わせ

    一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)
    代表理事 望月 紗貴

    所在地:静岡県沼津市足高93-12
    TEL:055-957-1337
    Mail:inquiry@caha.or.jp