報道関係者各位
    プレスリリース
    2016年7月28日 10:30
    株式会社タス

    なぜ賃貸住宅の空室率が悪化しているのか?  賃貸住宅市場レポート  首都圏・関西圏・中京圏・福岡県版 2016年7月

     不動産評価Webサイト「TAS-MAP」( http://www.tas-japan.com/ )を運営する株式会社タス(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:尾暮 敏範)は、「賃貸住宅市場レポート 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2016年7月」を発表しました。

    首都圏の賃貸住宅世帯数の増減(12か月移動平均)


     「なぜ賃貸住宅の空室率が悪化しているのか?」および「2016年5月期の1都3県賃貸住宅指標(空室率TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率、中途解約確率)」および「2016年5月期の関西圏・中京圏・福岡県賃貸住宅指標(空室率TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率、中途解約確率)」を掲載しています。
     これらの分析はアットホーム株式会社から提供を受けた、アットホーム全国不動産情報ネットワークに公開された情報若しくは成約状況を用いて行われています。

    詳細PDF:
    「賃貸住宅市場レポート 首都圏・関西圏・中京圏・福岡県版 2016年7月」
    http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol79_Vol51residential20160728.html


    ■レポートの概要
    (1) なぜ賃貸住宅の空室率が悪化しているのか?
     各月の貸家の供給戸数と賃貸住宅居住世帯数の差(需要と供給の差)は、リーマンショック後に一旦ほとんどなくなりましたが、その後拡大に転じています。これが空室率の悪化に影響を及ぼしていると考えられます。住民登録をしていない世帯(例えば学生等)、また建て替えにより除却されている賃貸住宅を考慮すると需要と供給の差は統計データからの算出よりも小さいと考えられます。しかしながら、相続税対策で賃貸住宅を建築する場合、特に郊外部で新築されるアパートの場合は、建築前は賃貸住宅ではないケースが多いと考えられます。したがって、相続税対策目的のアパート新築が増加すると、需要と供給の差が拡がる、つまり空室率が悪化する傾向が強くなることになります。
     貸家の着工量(供給)の増加は継続しているため、今後アパート系のファンダメンタルズはさらに悪化する可能性があります。

    図 首都圏の賃貸住宅世帯数の増減(12か月移動平均)
    https://www.atpress.ne.jp/releases/108368/img_108368_1.jpg


    (2) 2016年5月期 1都3県賃貸住宅指標
     首都圏のアパート系空室率TVIは埼玉県が横ばいで推移しているのを除いて、その他の地域では悪化が続いています。ただし、東京23区では頭打ちに兆候が見えてきました。新築の供給量増加が継続していることが空室率TVIを引き上げています。一方でマンション系空室率TVIは埼玉県と千葉県で引き続き悪化傾向となっています。

    【東京都】
    <全域>
    空室率TVI(ポイント):11.54
    募集期間(か月)   : 2.93
    更新確率(%)    :42.96
    中途解約確率(%)  :39.07

    <23区>
    空室率TVI(ポイント):11.27
    募集期間(か月)   : 2.91
    更新確率(%)    :42.56
    中途解約確率(%)  :39.80

    <市部>
    空室率TVI(ポイント):14.22
    募集期間(か月)   : 3.10
    更新確率(%)    :47.26
    中途解約確率(%)  :33.19

    【神奈川県】
    空室率TVI(ポイント):14.45
    募集期間(か月)   : 3.55
    更新確率(%)    :47.73
    中途解約確率(%)  :36.14

    【埼玉県】
    空室率TVI(ポイント):17.17
    募集期間(か月)   : 3.36
    更新確率(%)    :52.71
    中途解約確率(%)  :32.67

    【千葉県】
    空室率TVI(ポイント):15.10
    募集期間(か月)   : 3.16
    更新確率(%)    :48.08
    中途解約確率(%)  :37.29

    (出所)データ提供:アットホーム株式会社、分析:株式会社タス


    (3) 2016年5月期 関西圏・中京圏・福岡県賃貸住宅指標
     アパート系空室率TVIは大阪府、京都府で悪化傾向が続いています。大阪府では貸家の月間の着工数が2,200戸~2,500戸という高い水準を2年以上継続しているため、供給過剰感が出てきていると思われます。福岡県ではアパート系、マンション系ともに空室率TVIは堅調に推移しています。

    【大阪府】
    空室率TVI(ポイント): 8.52
    募集期間(か月)   : 5.33
    更新確率(%)    :39.09
    中途解約確率(%)  :47.76

    【京都府】
    空室率TVI(ポイント):13.76
    募集期間(か月)   : 6.27
    更新確率(%)    :45.32
    中途解約確率(%)  :40.99

    【兵庫県】
    空室率TVI(ポイント):11.93
    募集期間(か月)   : 5.79
    更新確率(%)    :39.64
    中途解約確率(%)  :49.04

    【愛知県】
    空室率TVI(ポイント):14.49
    募集期間(か月)   : 5.84
    更新確率(%)    :40.72
    中途解約確率(%)  :47.75

    【静岡県】
    空室率TVI(ポイント):23.05
    募集期間(か月)   : 7.33
    更新確率(%)    :41.78
    中途解約確率(%)  :45.64

    【福岡県】
    空室率TVI(ポイント):10.63
    募集期間(か月)   : 5.20
    更新確率(%)    :39.34
    中途解約確率(%)  :46.81

    (出所)データ提供:アットホーム株式会社、分析:株式会社タス


    詳細はPDFファイルをご参照ください。
    詳細PDF:
    「賃貸住宅市場レポート 首都圏・関西圏・中京圏・福岡県版 2016年7月」
    http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol79_Vol51residential20160728.html

    なお、バックナンバーは以下のページから取得可能です。
    http://www.tas-japan.com/updates/index.html


    ■株式会社タスについて
     株式会社タスはトヨタ自動車株式会社(T)、豊田通商株式会社(T)、朝日航洋株式会社(A)、株式会社三友システムアプレイザル(S)が出資するトヨタのグループ企業です。システム評価のパイオニアとして不動産に関わる情報を収集・分析・ディスクローズすることにより、専門知識を誰でも簡単に視える化することを目指しています。不動産評価サービスTAS-MAPは、担保評価や顧客へのプレゼンテーション資料作成ツールとして多くの金融機関や不動産会社の時短に貢献しています。

    会社名  : 株式会社タス(英語名 TAS Corp.)
    所在地  : 東京都中央区八丁堀2-25-9 トヨタ八丁堀ビル7F
    設立年月日: 2000年8月28日
    資本金  : 1億8千万円
    出資   : トヨタ自動車株式会社
           朝日航洋株式会社
           株式会社三友システムアプレイザル
           豊田通商株式会社
    Web    : http://www.tas-japan.com/