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報道関係者各位
プレスリリース                      2008年10月1日
         ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社

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      GfK Japan調べ パソコン販売動向:店頭市場夏商戦
          前年同月比 数量8%増、金額6%減
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ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都
中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、パソコンの家電量販店店頭における
夏商戦の販売動向をまとめた。


【概要】

  ・2008年夏商戦(6-8月)のPC市場の前年比は、数量ベース8%増、
   金額ベース6%減
  ・ノートブックPCにおける画面サイズ10インチ未満の数量構成比は13%
  ・10インチ未満の低価格ノートブックPC購入者は、「買い増し」が8割以上
  ・夏商戦、10インチ未満PCのノートブックPC全体に対する押し上げ効果は、
   数量ベースで推測10%


【PC 店頭市場 夏商戦総括】

2008年夏商戦(6-8月)のPC店頭市場は、前年比 数量ベースで8%増、金額ベース
で6%減となった。
北京オリンピック開催によって薄型TVやDVDレコーダーなどのデジタル家電へと
需要が流れる可能性も懸念されたが、特にノートブックPCの販売好調が、PC市場
全体を押し上げた。今年の夏商戦のノートブックPCの前年比(数量)は12%増
PC全体に占めるノートブックPCの数量構成比は73%と、昨年の夏商戦時期の
構成比70%より3%増加し、ノートブックPCへのシフトが更に進んだ。
しかし平均単価の下落により、金額前年比は前年割れが続いている状況。
特にノートブックPCでの単価下落は大きく、直近では平均単価11万円を下回って
いる。

【画面サイズ10インチ未満の数量構成比 は13%】

2008年8月期、ノートブックPCにおける画面サイズ10インチ未満の数量構成比は
13%まで拡大した。(図1)

2008年1月末のASUSTeK Computer社の「Eee PC 4G-X」の登場を境に、2月期より
10インチ未満の数量構成比は1%未満から3%へと拡大。2008年7月期は、Eee PC
の新モデル「Eee PC 901-X」の発売がきっかけとなり、10インチ未満の数量
構成比は一気に10%まで拡大した。
「Eee PC 901-X」は、以前の「Eee PC 4G-X」に比べ、画面サイズは7インチから
8.9インチに、さらにSSD容量やバッテリー駆動時間などがスペックアップされて
おり、旧モデル発売当初を上回る勢いで販売数を伸ばした。
また「100円PC」で話題の、データ通信カードの契約を条件にした割引キャン
ペーンなども開始され、低価格ノートPCへの注目が高まった。
2008年8月期は、acer社の「Aspire One(AOA150-B)」が登場し、10インチ未満の
数量構成比は13%となった。
9月現時点においても「10インチ未満の低価格PC」市場の勢いが衰える様子はない。

2008年8月期のノートブックPCのモデルランキングでは、6位に「Eee PC 901-X」、
7位に「AOA150-B」がランクインした。「AOA150-B」は8月下旬からの発売で
あったため、8月全体としては7位となった。9月期は両モデルともに8月期より
さらに上位にランクインする可能性が高く、ノートブックPC市場において
「10インチ未満低価格PC」の存在感はさらに増しているようだ。

図1:ノートブックPCにおける画面サイズクラス別 数量構成比
   (プレスリリース末部の付帯情報「画像1」をご参照ください)


【10インチ未満の低価格PC購入者は「買い増し」が8割以上】

GfK購入者調査(CCI)から、画面サイズ10インチ未満で低価格(10万円以下)のPC
購入者を分析した。
10インチ未満の低価格PC購入者の男女比(図2)は、「男性」が75%と、ノート
ブックPC購入者全体と比較して男性比率が高い。さらに購入理由(図3)では、
「買い替え」がノートブックPC購入者全体で57%であるのに対し、10インチ
未満の低価格PC購入者では10%と少なく、「買い増し」が83%を占めた。
7月期までの調査結果からみると、10インチ未満の低価格PC購入者は、「男性」
で「買い増し」の購入者が多く、どちらかといえば「PCのコアユーザー」という
イメージに近いようだ。今後は、「100円PC」等のキャンペーンや各メーカー
からの新製品の登場などにより、新たな購入者層への広がりが期待される。

図2:ノートブックPC購入者 男女比 -10インチ未満の低価格PC購入者との比較
図3:ノートブックPC購入者 購入理由 -10インチ未満の低価格PC購入者との比較
   (プレスリリース末部の付帯情報「画像2」をご参照ください)


【10インチ未満PCの市場全体へのインパクト】

買い増し購入者が多いことからも、10インチ未満PCは、今年の夏商戦のノート
ブックPC市場に対して押し上げ効果をもたらしたといえる。図4はノートブック
PC全体での前年比(数量)と、10インチ未満PCを除いたノートブックPC計の前年比
を比較したものである。この前年比の差分から、PC全体の前年比が、10インチ
未満PCによってどの程度上昇したかを検証した。2008年2月以降2~4%程度の
押し上げ効果がみられるが、7月以降、それは10%となり、さらに8月期では
16%の効果があったと推測される。
夏商戦(6-8月)全体では、10インチ未満PCの数量ベースの押し上げ効果は約10%
とみている。10インチ未満PCを除いても、ノートブックPCの数量前年比は2%増
と前年を越えており、低価格ノートPCによるPC市場全体への注目度の高まりが、
ノートブックPC市場全体を活性化させたといえそうだ。
数量ベースでの貢献が大きい一方、金額ベースでの押し上げ効果は夏商戦で4%
程度とみている。10インチ未満PCが5万円前後と低価格であることから、数量の
場合と比べて金額への影響値は約半減する。ノートブックPC全体の単価下落の
影響もあり、ノートブックPCの金額前年比は前年割れが続いている。

10インチ未満の低価格ノートPC市場は、メーカーの新規参入に加えて、10.2
インチモデルの登場と話題も続いており、年末商戦に向けて引き続き盛り上がり
をみせると思われる。
GfK Japanでは、2008年のPC店頭市場は、数量ベースで約5%のプラス成長を
達成すると見込んでいる。

図4:ノートブックPCの数量対前年比推移 -10インチ未満PCを除いた
   ノートブックPCとの比較
   (プレスリリース末部の付帯情報「画像3」をご参照ください)



≪GfK Japanのデータについて≫

全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆる
カテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えている
のに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなど
からも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの
販売データを構築している。

※ご不明な点がありましたら、下記の連絡先までお気軽にお問い合わせ下さい。
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、
「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。


◆本レポートに関するお問い合わせ先

ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社
担当 : 経営企画室 纐纈(こうけつ)
tel  : 03-5350-4624
email : info@gfkjpn.co.jp

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