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報道関係者各位
プレスリリース

2016.02.19 09:30
学校法人 工学院大学 総合企画部広報課

工学院大学(学長:佐藤 光史、所在地:東京都新宿区/八王子市)先進工学部は2月26日(金)、チタニアナノチューブを利用した研究の世界的権威であるSchmuki教授と、本学の小野 幸子名誉教授を講師として迎え、公開講座を開催します。
チタニアナノチューブの作製方法として用いられる陽極酸化技術および陽極酸化によって作製された様々な機能性ナノ材料に焦点をあて、研究動向から、応用、将来展望までご講演いただきます。

Prof. Patrik Schmuki(ドイツ・エアランゲン大学)
Prof. Patrik Schmuki(ドイツ・エアランゲン大学)

【公開講座 概要】
日時:2016年2月26日(金)15:00~17:00 ※入場無料・予約不要
場所:工学院大学 新宿キャンパス20階 第6会議室
内容:TiO2 nanotube arrays: Recent features and applications
   Prof. Patrik Schmuki(ドイツ・エアランゲン大学)
   陽極酸化皮膜とは? -今わかっていること・いないこと-
   小野 幸子(工学院大学名誉教授)
主催:工学院大学先進工学部
共催:工学院大学先進工学部応用化学科
協賛:工学院大学・機能表面研究センター
   一般社団法人表面技術協会・金属のアノード酸化皮膜の機能化部会


【公開講座 詳細】
多様な可能性を秘める酸化チタンを陽極酸化で創りだす
~光触媒、電池、太陽エネルギー変換材料から生体親和性材料まで~

<プログラム>
15:00~15:05 開会の辞
15:05~15:55 TiO2 nanotube arrays: Recent features and applications
       Prof. Patrik Schmuki(Department of Material Science,
       University of Erlangen-Nuremberg, Germany)
15:55~16:05 休憩
16:05~16:55 陽極酸化皮膜とは? -今わかっていること・いないこと-
       小野 幸子(工学院大学名誉教授)
16:55~17:00 閉会の辞

<Patrik Schmuki教授の紹介>
酸化チタン(チタニア)は、太陽光のエネルギーを電気に変換したり、空気や水を浄化したり、人工光合成でクリーンなエネルギーを生み出したりと多様な可能性を秘めています。そんなチタニアをチタンの陽極酸化(*1)で創り出し、基礎・応用研究の観点で精力的に研究し続け、常に世界をリードしてきたのがPatrik Schmuki教授(ドイツ・エアランゲン大学)です。
同氏は、これまでに500報以上(被引用数25,000回以上)の論文を発表している高被引用論文著者であり、チタニアナノチューブを利用した研究の世界的権威であります。

<Patrik Schmuki教授の研究内容>
同氏が作製したチタニアナノチューブアレイは、高比表面積を持つだけでなく、ナノサイズの孔が規則配列したユニークな幾何学構造を持つことから、様々なセンシングデバイスや生物・医学的応用で関心を集めるだけでなく、太陽電池やLiイオン電池の電極材料としても実用化に向けた取り組みが注目されています。
[参考文献]Chem. Rev. 2014, 114, 9385-9454

*1 陽極酸化
日本が誇る世界的な表面処理技術。最も有名なのは「アルマイト」の名前でも知られるアルミニウムの陽極酸化。電解液中で金属表面を電気化学的に処理することで、ナノメートルスケールで構造を制御した酸化皮膜を形成することができる。同技術は住宅用建材等への耐食性、装飾性の付与だけでなく、自動車や機械等の広範な分野にも用いられている。近年では、携帯電子機器や腕時計型端末の表面処理にも、この技術が採用されている。Schmuki教授は、この技術をチタンに適用し、陽極酸化と酸化チタン両者の融合で新しい研究分野を切り開き、現在世界を牽引する研究者として活躍されている。


【先進工学部 概要】
現代社会に山積する課題を世界と共に解決していくためには、既成概念にとらわれない新しい先進的発想力を持ち、その発想を技術へと展開できる工学の知識が必要です。こうした社会の流れを受け、2015年4月に新たに開設した「先進工学部」は、「生命化学科」「応用化学科」「環境化学科」「応用物理学科」「機械理工学科」の5学科制で、ハイレベルな実験・研究を展開。基幹的な自然科学の基礎を確実に身に付け、それらを融合して高度な科学技術を創造できる力を習得し、国際的な教養や創造性、工学技術を柔軟に組み合わせ、社会に新しい技術を普及する、“科学技術イノベーション”を実現できる研究者・技術者の育成をめざします。


【応用化学科 概要】
応用化学科は、『「くらし」を支え「みらい」を拓く化学のちから。』を基礎理念としています。課題に対し化学の力を使って積極的に取り組むことで、環境に調和した持続循環型社会の実現に寄与し、食品・バイオから次世代エネルギー素材まで、様々な産業分野で広く活躍できる健全で幅広い視野、基礎学力、および実践力を備えた化学技術者・研究者を育成しています。

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