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報道関係者各位
プレスリリース

2015.04.21 11:00
水を考えるプロジェクト

“水”の安全性や選び方、活用方法を改めて考え直すことを目的とする「水を考えるプロジェクト」では、ゴールデンウィークを前に、観光地をはじめとした全都道府県の水事情を明らかにするため、全国47都道府県の10代から60代の男女4,700名(男女各都道府県50名ずつ)を対象に、「水についての意識実態調査」を実施しました。

水の安全性についての意識ランキング(1-10位)
水の安全性についての意識ランキング(1-10位)

今回の調査では、“在住地域の水のおいしさの調査”をはじめ、“水のトレーサビリティについての注目度”“在住地域の水への信頼性”など、複数分野で「熊本県」が1位を獲得。「熊本県」の水に対しての意識の高さがあきらかとなりました。また、都道府県ごとに意識の違いがみられ、“在住地域の水のおいしさの調査”では、上位と下位の都道府県の間には約50ポイントの差が表れる結果となりました。


▼地元県民がおいしいと思う水ランキング
「熊本県」「富山県」「鳥取県」が同率1位!
関東・近畿・中部の大都市圏は20位圏外

・ランキング上位の都道府県は、米を炊く、味噌汁を作る際に水道水をそのまま使用。
下位都道府県ほど各シーンで“浄水器”“ミネラルウォーター”“ウォーターサーバー”を使用。

▼水の安全性についての意識ランキング
熊本県民の水への思いは熱かった!ここでも「熊本県」が1位を獲得!
2位「埼玉県」同率3位「山梨県」「福岡県」、おいしさランキングとは違った顔触れ!

・「埼玉県」「福岡県」「徳島県」「神奈川県」では、4人に1人がミネラルウォーターを愛飲!
・水の安全性を気にする理由は様々。キーワードは“自分”と“家族”の「健康」
・「福岡県」は他都道府県の約3倍の“ウォーターサーバー”利用者がいることが発覚!


■水の専門家 橋本淳司氏が語る
熊本でタクシーに乗ったとき、運転手さんが「ここには何もないけど水はうまいよ」と話しかけてきた。「何もないけど」は謙遜だろうが、たしかに熊本の水はおいしい。ホテルマンが「蛇口からミネラルウォーターが出ます」と誇らしげなのもうなずける。熊本の人は地元の水の味に誇りをもっている。と同時に安全面への意識も高く、安全な水を自分たちで守るとりくみをしている。熊本市の水道水の水源は100%地下水だが、減反政策で田んぼに水が張られなくなると、少しずつ水量が減ってきた。そこで企業が協力して稲刈り後の田んぼに水を張りはじめた。さらには安全な水を次の世代に引き継ぐため、農薬をつかわない農業が奨励されている。市民は地元の田んぼで育った米を食べ、無農薬の野菜を買う。それが水を守ることにつながるからだ。市民が協力的なのは、自分たちの飲み水がどこで育まれ、どのような過程を経て、家庭までやってくるかがわかっているからだ。

水のおいしさや安全性について考えるのは大切だが、その根拠が曖昧だったり、感覚的に判断してしまうことも多いもの。毎日口にする水が、どんな旅のすえに自分のところにやってきたのかと、あらためて考えてみたいものだ。

橋本淳司(水ジャーナリスト / アクア・コミュニケーター / アクアスフィア橋本淳司事務所代表)


“地元県民がおいしいと思う水ランキング”
“水の安全性についての意識ランキング”
ともに1位!!熊本県民の水への思いは熱かった!

日本海側が大健闘!
おいしい水上位に多数ランクイン!
地元県民に愛される水は日本海にある?

関東・近畿・中部の大都市圏は20位圏外

水の安全性についての意識ランキング
2位「埼玉県」同率3位「山梨県」「福岡県」、
おいしさランキングとは違った顔触れ!


▼調査概要
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:10代から60代の男女
回答数 :4,700名(各都道府県 男性50名、女性50名)
調査日 :2015年3月20日(金)~2015年3月21日(土)
調査主体:水を考えるプロジェクト
ホームページ: http://www.mizu-kangaeru.jp/


【地元県民がおいしいと思う水ランキング】
「熊本県」「富山県」「鳥取県」が同率1位!
関東・近畿・中部の大都市圏は20位にも入らず!

●ランキング上位の都道府県は、米を炊く、味噌汁を作る際に水道水をそのまま使用。
下位都道府県ほど“浄水器”“ミネラルウォーター”“ウォーターサーバー”を使用
●おいしさ=満足度?上位都道府県ほど地元の水への満足度が高い!

全国47都道府県の男女4,700名(男女各都道府県50名ずつ)に対し、「現在お住まいの地域の水をおいしいと思いますか?」と質問し、“はい”の回答数が多い都道府県から順にランキングとしたところ、同率1位の「熊本県」「富山県」「鳥取県」の県民の9割が(100人中94名)「おいしい」と回答。下位の都道府県との間に約50人以上の差が表れる結果となりました。


●米を炊く、味噌汁を作るのは、水道水で!
 下位都道府県ほど“浄水器”“ミネラルウォーター”“ウォーターサーバー”を使用
「熊本県」「鳥取県」ほか、上位にランクインした都道府県ほど“米を炊く”“味噌汁を作る”などの生活シーンで、地元の水道水をそのまま料理にも使用する県民が多い傾向があきらかとなりました。
また、これらの水道水をそのまま使う傾向の高い都道府県では、「浄水器を使って水道水を使用している」という回答が他都道府県の使用平均の半分以下の結果となりました。

一方、関東・近畿・中部といった大都市圏の各都道府県は20位以内にみられず、下位にランクインした都道府県では、おいしい水を求めて、“浄水器”“ミネラルウォーター”“ウォーターサーバー”を活用している実態があきらかとなりました。

地元県民においしいと支持される都道府県ほど、料理にも地元の水を活用しているようです。

●おいしさ=満足度?
 上位都道府県ほど地元の水への満足度が高い!
併せて調査した「在住地域の(都道府県)の水への満足度調査」では、不満があると答えた人数が10名以下だったのは、全47都道府県中10都道府県のみとなりました

一方で、不満の回答数が最も少なかった「富山県」をはじめ、「熊本県」「青森県」の同率2位、「鳥取県」の4位と、『地元県民がおいしいと思う水ランキング』と同様の都道府県がランクインしました。

これらの結果から、おいしさと満足度には強いつながりがあることがわかりました。


【水の安全性についての意識ランキング】
熊本県がここでも1位を獲得!
2位「埼玉県」、続く「山梨県」「福岡県」をはじめ、
上位においしさランキングと違った顔触れがランクイン!

●「埼玉県」「福岡県」「徳島県」「神奈川県」では、4人に1人がミネラルウォーター愛飲
●水の安全性を気にする理由は様々。キーワードは“自分”と“家族”の「健康」
●「福岡県」は他都道府県の約3倍も“ウォーターサーバー”利用者がいることが明らかに!

全国47都道府県の男女4,700名(男女各都道府県50名ずつ)に対し、「あなたは水の安全性を意識していますか?」と質問し、“はい”の回答数が多い都道府県から順にランキングしたところ、おいしさの調査に引き続き、「熊本県」が1位となり、“水のトレーサビリティについての注目度”“地元の水への信頼性”についても1位を獲得するなど、水に対しての意識の高さがみてとれる結果となりました。

▼水の安全性についての意識ランキング(1-10位)
http://www.atpress.ne.jp/releases/60599/img_60599_1.jpg


●「埼玉県」「福岡県」「徳島県」「神奈川県」では、
 4人に1人がミネラルウォーターを愛飲!
「熊本県」に続き、上位を固めたのは、「埼玉県」「福岡県」「徳島県」「神奈川県」など、おいしさランキングでは上位に姿を見せなかった都道府県となりました。これらの地域では、水道水を直接飲んでいる割合が半数以下と低く、その分4人に1人が“ミネラルウォーター”を愛飲していることが明らかになりました。

●水の安全性を気にする理由は様々。
 キーワードは“自分”と“家族”の「健康」
今回の調査で「水の安全性を気にする理由」について尋ねたところ、「水はそのまま飲んだり料理に使ったり多く体に入るから。」「絶対口に入れるものだから。」など、自身の健康への影響を懸念した声や、「子供がいる」「妊娠している」など、家族の健康を気遣う声などが多く寄せられました。
一方で「日本の水は問題ないと思っている」などの、日本の高い水の安全性や浄水技術などに対しての信頼性を示す声も見られました。

●「福岡県」は他都道府県の約3倍“ウォーターサーバー”を利用
今回の調査の中で「福岡県」の飲用水事情をみると、全国平均では2人に1人が水道水をそのまま飲用している一方で、福岡県では4人に1人しか水道水を利用していないことがわかりました。さらに興味深いことに、全国平均と比較し約3倍もウォーターサーバーを利用している人がいることがあきらかになるなど、特徴的な結果がでました。

▼水の安全性についての意識ランキング上位都道府県の飲用水活用事情
http://www.atpress.ne.jp/releases/60599/img_60599_2.jpg


<参考資料>
橋本淳司(水ジャーナリスト / アクア・コミュニケーター / アクアスフィア橋本淳司事務所代表)

週刊「水」ニュース・レポート発行人、NPO法人地域水道支援センター理事、NPO法人WaterAid Japan理事、NPO法人 日本水フォーラム 節水リーダー。水課題を抱える現場を調査し情報発信、国や自治体への水政策提言、子どもや一般市民を対象とする講演活動を行う。現在、水循環基本法フォローアップ委員として国の水基本政策策定をサポート。静岡県立三島北高等学校スーパーグローバルハイスクール推進会議委員として水学習を通じたグローバル人材育成を行う。

▼地元県民がおいしいと思う水ランキング
http://www.atpress.ne.jp/releases/60599/img_60599_3.jpg
▼水の安全性についての意識ランキング
http://www.atpress.ne.jp/releases/60599/img_60599_4.jpg

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