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報道関係者各位
プレスリリース

2014.01.30 16:00
自転車の安全利用促進委員会

2012年の自転車乗用中の交通事故件数は約13万件で、交通事故件数に占める割合は19.9%と前年度と比較しても未だに2割と高い割合で推移しています(警視庁調べ)。また、2013年12月に改正道路交通法が施行され、ますます自転車のルールが厳格になり、自転車を利用する人のルール・マナーへの意識が、より重要となってきています。
そこで、利用者の方々に安全安心な自転車生活を送って頂くため、自転車利用に関する様々な情報発信を行うことで自転車が関連する社会問題を減少させることを目的として活動する「自転車の安全利用促進委員会」を発足しました。
そして今回、本委員会は、自転車を利用する機会の多い主婦の中でも、週一回以上利用している20~50代の主婦を対象に、「主婦の自転車利用に関する意識調査」を実施し、1,000名の回答を集計しました。

グラフ1
グラフ1

■調査トピックス
(1) 自転車に乗っている時に事故に遭った(遭いそうになった)・起こした経験のある主婦は47.4%

(2) 主婦の半数以上は、ほとんど自転車のメンテナンスをしていない。理由1位は「やりかたがわからない」、2位は「めんどくさい」

(3) 2013年12月に施行された「改正道路交通法」について、正しく理解している主婦は4割未満

(4) 67.5%の主婦が路側帯で自動車と逆方向(右側走行)の経験がある“逆走主婦”

(5) 自転車事故における賠償金の主婦の平均予想は、実際の賠償金額の半分以下という結果に

(6) 7割以上の主婦は、「自転車保険に今後入る・入りたい」と思っている


今回の調査結果を受け、自転車ジャーナリスト遠藤まさ子さんは次のように述べています。

■遠藤 まさ子さんコメント(※)
「自転車事故に遭った、遭いそうになった主婦が約半数おり、さらにその原因の7割以上が主婦側にあるという結果に非常に驚かされました。上記の結果から推測すると、これは自転車に乗っている主婦のうち、3割近くの人が事故を起こしかねないということ。大都市圏のママたちは『子どもと一緒に移動する手段』として自転車を選択している人も多く、悲惨な事故がいつ起きてもおかしくないと考えられます。それにも関わらず自転車をとりまくルールやマナーに疎い人が多い一因として、多くの人が自転車の正しい乗り方やメンテナンス方法を教わる機会がなく、また運転免許証のような制度もないことから「乗りものに乗っている意識が希薄」であることが挙げられるのではないでしょうか。
ここ数年、自転車が加害者となる重大事故が増えており、道路交通法も自転車に対する規定の新設や明文化が進められています。事故に遭うことはもちろん、自分自身が加害者とならないためにも自転車のルールを良く知ると同時に、きちんと整備された安全な自転車に乗る習慣をつけることをおすすめします。」


■調査概要
調査方法   :インターネットリサーチ
調査対象   :全国の週一回以上自転車を利用している主婦
回答数    :1,000名
調査日    :2013年12月25日(水)~12月27日(金)
調査主体説明文:
利用者の方々に安全安心で快適な自転車生活を送って頂くため、自転車の購入時に知っておくべき自転車の選び方から購入後のメンテナンス、正しいルール・マナーといった自転車の利用方法、そして日々の心がけの大切さを啓発し、安全安心な自転車利用に関する様々な情報発信を行うことで自転車が関連する社会問題を減少させることを目的として活動してまいります。

ホームページ: http://jitensha-anzen.com


(※)本調査結果にコメントをいただいた有識者のプロフィール
遠藤 まさ子(えんどう まさこ)
自転車ジャーナリスト
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い、各誌に寄稿している。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアでコメンテーターとして登場する機会も多い。


■自転車に乗っている時に事故に遭った(遭いそうになった)・起こした経験のある主婦は47.4%、7割以上が利用者の責任
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主婦にとって自転車は、無くてはならず、生活の一部とも言える身近な乗り物です。毎日のように使うものだからこそ、気をつけなくてはならないのが、自転車事故です。
そこで「あなたは自転車を運転中、事故に遭った(起こした)ことはありますか」と聞いたところ、47.4%と半数近くの主婦が事故に遭った、もしくは遭いそうになったと回答しています。また、その原因について聞いたところ、71.7%が主婦側の責任であり、主な原因として「人・車の飛び出しへの対応遅れ」(34.4%)「前方不注意・よそ見運転」(23.6%)という結果になりました。
この結果から、半数近くの主婦が事故に遭う(遭いそうになった)経験があり、また原因からも「対応遅れ」「前方不注意・よそ見運転」など利用者側が原因となっている部分が多く、この課題を解決するためには、より一層のルール・マナーの順守を徹底しなければならいということが浮き彫りになりました。


■主婦の半数以上は、ほとんど自転車のメンテナンスをしていない。理由1位は「やり方がわからない」、2位は「めんどくさい」
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毎日のように使う自転車。だからこそ、長く安全に使うために定期的なメンテナンスが重要です。
そこで、「あなたは自転車をご自身でメンテナンス(※1)したことはありますか」と聞いたところ、半数以上の52.6%の主婦が1年に1回以下または全くメンテナンスしないと回答しました。その理由の1位は「やり方がわからない」(41.4%)、続いて「めんどくさい」(35.0%)という結果となりました。
半数以上の主婦は定期的なメンテナンスをせず、自転車に乗っている現状が明らかとなりました。メンテナンス不足は、重大な事故の原因にもなりえます。自分でメンテナンスができなかったり、やり方がわからない場合は、近所の自転車屋などで見てもらうことが重要です。

(※1) メンテナンスとは自転車を安全に長く使うための整備作業。タイヤへの空気入れ、サドルが固定されているかの確認など。


■2013年12月に施行された「改正道路交通法」について、正しく理解している主婦は4割未満
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2013年12月1日から改正道路交通法が施行されました。これにより、自転車が道路の右側にある路側帯を走行することが禁止され、違反した場合には3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金等ルール変更が行われました。
そこで、今回「12月1日に自転車は右側の路側帯を走行が禁止となり、左側部分に設けられた路側帯の走行が義務付けられた」ことについて聞いたところ、知っていると回答した人は4割未満(38.8%)という結果になり、認知不足が浮き彫りとなりました。


■67.5%の主婦が路側帯で自動車と逆方向(右側走行)の経験がある
 “逆走主婦”
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さらに、「自転車に乗っているときに、路側帯で自動車と逆方向に走ったことがあるか」と聞いたところ、6割以上(67.5%)の主婦が経験ありと回答し、さらに20代の主婦では7割以上(76.5%)の主婦が経験ありと回答しました。
自転車の逆走運転は、正面衝突の危険性もある大変危険な運転でありながら、まだまだ多くの人に守られていない現状が今回の結果でも明らかになりました。今後は、一人一人のルール・マナーの徹底や法律の認知アップが求められる結果となりました。


■自転車事故における賠償金の主婦の平均予想は、実際の賠償金額の半分以下という結果に

実際に起きた自転車事故の賠償金額は5,000万円ですが、主婦の予想平均賠償金額は実際の半分以下で約2,340万円。

ここ数年、自転車事故による多額の賠償金を支払うケースが増えてきております。そこで、実際に起きた自転車事故での事例(※2)をあげ、その事故の賠償金の予想を聞いたところ、主婦の予想は約2,340万円と実際の金額である5,000万円と比較し、半分以下の予想金額という結果となりました。
まだまだ、自転車事故に関する責任(賠償金)に関して、意識が低いという結果が浮き彫りとなりました。このような事故を起こさない・遭わないためにも、より一層ルール・マナーを順守し、正しく自転車を利用する必要があるようです。

(※2) 女子高校生が夜間、携帯電話を操作しながら無灯火で走行中、前方を歩行中の女性(57歳)と衝突。女性は重大な障害が残りました。(横浜地方裁判所、平成17年11月25日判決)


■7割以上の主婦は、「自転車保険に今後入る・入りたい」と思っている
http://www.atpress.ne.jp/releases/42732/img_42732_7.jpg

自転車事故による多額の賠償金請求のニュースが頻繁に報道される中、注目されているのが、自転車保険です。そこで、現在自転車保険に加入していない主婦に、「今後自転車保険に加入したいと思いますか」と聞いたところ、70.7%が加入する予定・加入したいと回答しました。さらに、加入する際に重視する点で半数以上(52.7%)が「賠償限度額(加害者側になった場合)」と、2位の「月払い保険料」の22.5%の2倍以上の差をつける結果となりました。
この結果から、自分が事故に遭った場合の補償額や月払いの保険料よりも、事故を起こした際の賠償額の方を重視することが明らかとなりました。

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