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報道関係者各位
プレスリリース

2022.04.28 15:30
八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会

八代産い草・畳表の再興を目指す「八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会」(所在:熊本県八代市 会長:重松 秀樹)は”畳の可能性をひらく”ことをコンセプトに、これまでにない畳商品の開発を目指すオープンイノベーション型プロジェクト「YATSUSHIRO TATAMIx」に取り組んでいます。


本プロジェクトによる第1弾プロダクト”鼓動する畳『TTM-V20』”(ティー・ティー・エム・ブイニジュウ)を、プロジェクトパートナーである有限会社日本音響研究所(所在:東京都渋谷区)の監修のもと開発しました。

本プロダクトを活用して商品・サービス開発に共に取り組むアライアンス先を今後募集します。


『TTM-V20』は 、振動スピーカーを畳の内部に6機搭載し、畳に「ごろ寝」することで音と振動を全身で感じることができる「鼓動する畳」です。

畳と接触した身体の部位から音の振動を感じ取ることができ、その目的に合った音源を作ることで、休憩所でのリラックスシーンから迫力ある音楽や映像作品の鑑賞まで、さまざまな用途での活用が可能なプロダクトです。


想定される利用シーン

温浴施設

体の芯から身体の芯から温まる。

温浴で得られたリラックス効果を、休憩室に設置したTTM-V20でさらに増幅。

チルな音楽と眠りを誘う振動、そして畳本来の心地よさで、至極の温浴施設体験へ。


クラブ・フェス

畳にごろーんと寝転ぶことで、振動と独特の低音を全身で感じることができる。

アーティストのクリエイティビティとオーディエンスの音楽体験を拡張。


映像体験

畳に寝転びながら視聴する新しい映像体験。

視聴者は、映像とリンクした迫力のある音楽を、さながら映画館のサウンドシステムのように背中全面から浴びることができる。

プロダクト概要

『TTM-V20』は、振動スピーカーを内部に仕込んだ、音と振動を発生させる畳です。

畳の内部には、6機の振動スピーカーを畳の芯材に張り付く形で搭載し、音を流すと畳自体が震える体験を作り出しました。この畳の上に「ごろ寝」すると、リラックスした体勢で音と振動を全身で感じることができます。

音声・音響分析の専門機関である日本音響研究所にプロジェクトパートナーとして監修を依頼し、八代畳を扱う畳店と共同で開発に取り組み、振動スピーカーの位置や埋め込み方など、十分な振動が発生させるため約9カ月間の試行を経て完成しました。

プロダクト名の由来

「TTM」……… 畳(TATAMI)の略称

「V」………「vibrate(振動する)」の頭文字

「20」………人間が音として感じることができる最低周波数が20Hzであり、振動と音の境界線を意味することから

監修/プロジェクトパートナー

日本音響研究所 鈴木 創 所長

畳を振動させるというアイデアに最初は驚きましたが、「日本の伝統的な畳は、音を伝えるデバイスとしてどんな可能性があるのだろうか」とワクワク感で一杯になりました。

『TTM-V20』は、スピーカーのように空気を振動させるのではなく、畳の振動を身体で感じることが出来る点、しかも生活の中のいろいろな体勢やシーンが考えられるところに魅力があると思います。

マットレスだと柔らかくて振動が伝わらず、床だと硬すぎてリラックスできません。

畳ならではの「ごろ寝文化」や「床座文化」と、振動を伝える機能が思いがけずマッチしています。


開発にあたっては、畳とスピーカーの周波数特性などの相性や、その設置方法によって振動が上手く伝えられないこともあり、試行錯誤を繰り返しました。

そしてその結果、特に「低周波による振動」を上手く伝えることができるデバイスが完成しました。

小さいスピーカーでは得られない迫力や、耳障りな高い周波数の音を気にせずにリラックスすることが期待できます。

通常、人間は空気の振動を鼓膜で捉えて音を感じていますが、『TTM-V20』では畳と接触した身体の部位から音の振動を感じ取ることが出来ます。

部位によって感じやすい周波数が異なることなどから、その目的に合った音源を作ることで様々な活用可能性を秘めています。

休憩所などでのリラックスするシーンだけで無く、イヤホンと連動させることによって、迫力のある音楽や映像作品の鑑賞にも対応可能です。

複数枚を敷き詰める、畳らしい使い方をすることで、音楽イベントも全身で体感できるものになります。


(プロフィール)

声紋の研究、音声合成、音声識別、音声科学、音声心理学、マルチメディアに関する音声処理を専門とする。

警察や検察、裁判所等から依頼されて刑事・民事事件に関する音声・音響の科学捜査及び鑑定を多数担当。

事件解決等で培った分析技術を応用して商品開発なども手がける。

代表作:「赤ちゃんけろっとスイッチ」「 ふかふかかふかのうた」カンヌライオンズ受賞、「バウリンガル」イグ・ノーベル賞受賞など。

今後の展望

今後、『TTM-V20』を用い、さまざまな施設・イベントとコラボレーションを行い、それぞれのシーンに適した、新しいごろ寝体験を提供していく予定です。

『TTM-V20』を活用した商品・サービス開発に共に取り組む企業・団体・施設を募集します。


第1弾として、ポップアップ銭湯「ひらく湯」とコラボレーションし、5月27日(金)~29日(日)に愛知県蒲郡市で開催される人気フェスイベント「森、道、市場2022」への出展が決定しました。足湯と畳を融合した空間で、潮風と波の音を感じながら寝転がって一息入れる。そんな、新たなチル体験を提供してまいります。


また、畳のオープンイノベーションプロジェクト「YATSUSHIRO TATAMIx」は、 『TTM-V20』に続くプロダクト開発も進行しています。こちらも2022年度中の完成を予定しています。当協議会は、日本の伝統文化である畳表を継承していくため、今後も畳の新しい可能性を追求する取り組みを推進していきます。

い草の栽培面積・畳表の生産量 共に日本一の熊本県

熊本県はい草の栽培面積では全国で99%(※1)、畳表の生産量でも99%以上(※2)を誇る日本一のい草・畳表の産地です。

(※1)(※2)農林水産省統計部「作物統計」より


熊本県の中でも豊富な水・温暖な気候など、い草の栽培に適した条件が揃っている八代地域は、国産畳表の約93%を生産しており、国内有数のい草産地として日本の伝統文化である畳表を支えています。

2017熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会IGSAPHOTOLOG

2017熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会IGSAPHOTOLOG

激減するい草の生産者・生産量国産畳表の絶滅の危機

しかし近年は国産畳の需要減少や価格の低迷などが原因となって、い草の生産者(い草農家)、生産量はともに減少しています。

全国の畳表精算枚数は、全盛期(平成元年)から95%も激減。

このままでは国産畳表の絶滅が危惧される状況になっています。

八代産い草・畳表の再興を目指し設立した「八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会」

このような危機的な状を打破するため、八代産い草・畳表の再興、日本の伝統文化である畳表の保護・継承のために民間企業・畳関連企業・生産者団体・行政機関が一体となった協議会「八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会」を、2019年10月に設立しました。

「八代畳」の認知を高め、その良さを伝える活動を実施

2020年度には、畳の上でのリラックス姿勢やストレッチを100ポーズ開発した『YATSUSHIRO GORONE COLLECTION』や、人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」内での『やつしろたたみ島』の作成・公開などの活動を実施しました。

“畳の可能性をひらく”をコンセプトに、これまでにない畳商品の開発に挑戦するオープンイノベーション型プロジェクト

現代のライフスタイルに合わせた畳や従来の枠にとどまらない未来の畳を提案していくために、2021年9月、『YATSUSHIRO TATAMIx 』(ヤツシロタタミックス)が発足しました。『TTM-V20』は、本プロジェクト初のプロダクトです。


プロジェクト名には、畳という伝統文化にアイデアや技術を掛け合わせ(MIX)、変化(X=Transformation)を生み出し、新しい体験(X=Experience)を提供するという思いが込められています。

特設サイト: https://yatsushiro-tatami.jp/tatamix/

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