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報道関係者各位
プレスリリース

2012.09.04 17:00
オリザ油化株式会社、株式会社Harvestech、秋田県総合食品研究センター

 オリザ油化株式会社(本社:愛知県一宮市、代表取締役社長:村井 弘道、以下 オリザ油化)と、株式会社Harvestech(本社:秋田県秋田市、代表取締役:浜田 健太郎、以下 ハーベステック)は、このたび、秋田県の特産品である『じゅんさい』に新規機能性、新規成分を見出し、じゅんさいの未利用資源を活用した『じゅんさいエキス』の製品開発に成功致しました。2012年10月初旬の「食品開発展」(東京ビッグサイト開催)にて新製品の発表を行い、美容や生活習慣病対策に訴求した新しい機能性素材としての展開を開始致します。

じゅんさい画像
じゅんさい画像

≪1.『じゅんさい』について≫
 じゅんさい(学名:Brasenia schreberi)とは、スイレン科ジュンサイ属の多年生水生植物で澄んだ淡水の池沼に自生する植物です。水が育む夏の風物詩として古くから食されており、万葉集にも「沼縄(ぬなわ)」としてうたわれています。
 かつては日本全国で観察されましたが、今や四都県で絶滅、二十一県で絶滅または準絶滅危惧種となっています。秋田県三種町は、国内のじゅんさい生産量の9割以上を占める特産地です。世界自然遺産の白神山地から流れ込む豊富な水資源と美しい自然環境が、質の高いじゅんさいを育んでいます。
 じゅんさいの特徴は、全体を包み込むゼリー状の「ぬめり」にあります。ぬめりに覆われた幼葉と、それに隣接する茎が食用となり、葉が若く小さいほどゼリー状物質が多く、上等品とされています。その独特の食感から料亭等の高級食材として珍重されており、低カロリーでヘルシーな自然食品としても認知されています。


≪2.『じゅんさい』の機能性と新規成分等について≫
◆じゅんさいの機能性
 じゅんさいの機能性については、これまでほとんど知られていませんでした。ハーベステックは秋田県総合食品研究センターと共同で、じゅんさいの機能性について研究を進め、その結果、細胞内のコレステロールや中性脂肪等の脂質代謝改善作用を発見し、動物試験で内臓脂肪の蓄積を抑える効果を確認致しました。更にヒト試験では、動脈硬化や心疾患を引き起こす要因として近年注目され、「超悪玉コレステロール」とも呼ばれている「小型LDLコレステロール」を改善する効果を確認致しました。このような研究成果から、生活習慣病の予防・改善、抗メタボ機能性食品素材としての可能性を見出し、特許出願や論文・学術集会における発表を行いました。

◆新規成分の発見
 じゅんさいは「ぬめり」の部分に多糖体を含む一方で、葉から抽出したエキスには約30%のポリフェノールが含まれることが判明しました。これは緑茶に匹敵するほどの高含量で、高い抗酸化活性も確認されました。
 オリザ油化は、京都薬科大学生薬学分野(吉川 雅之教授)と共同し、じゅんさいの成分研究を行い、ポリフェノール成分の単離・構造研究を進め、20種類以上の成分を単離しました。その中に、新規成分のフラボノイド配糖体が存在することを発見し、じゅんさいにちなんで「ジュンサイノサイドA(Junsainoside A)」と命名しました(添付資料『じゅんさいの新成分と美容機能データ』参照)。また同成分はコラゲナーゼ阻害活性やエラスターゼ阻害活性を有することを確認し(添付資料『じゅんさいの新成分と美容機能データ』参照)、オリザ油化はこれら研究成果について特許出願を完了致しました。また、単離した成分中には、「チリロサイド(Tiliroside)」に類似したフラボノイド配糖体も含まれていることがわかり、この物質の特性である抗肥満活性も期待されます。
 じゅんさい成分の系統だった研究はこれまでに行われておらず、上記は世界で初めての研究成果となります。オリザ油化とハーベステックは、今後も脂肪細胞や皮膚細胞に与える作用に関する研究を進め、美容や健康への効果を検証し、『秋田美人』のイメージを想起させる機能性素材としての付加価値を高めていく予定でおります。

◆未利用資源の活用
 じゅんさいは、ゼリー状のぬめりのついた若い葉・芽の部分に商品価値があり、成長し開いてしまいゼリー状物質を失った葉は採取の対象とならず、放置・廃棄されておりました。
 ハーベステックは、じゅんさい成分を機能性素材として商品化するにあたり、未利用資源である「成長して開いた葉」を活用する着想をし、オリザ油化と共同で製品化への検証を進めて参りました。これにより、従来の「食感」というじゅんさいの価値とは異なる、機能性に訴求した新製品の開発に成功致しました。


≪3.新製品の上市と今後の展開について≫
 10月3日(水)~5日(金)に開催される「食品開発展2012」では、これらの成果に基づき開発した新製品『じゅんさいエキス』を発表・上市する予定です。
 今後、ハーベステックはじゅんさい未利用資源の原料供給を、オリザ油化は『じゅんさいエキス』の新しい生理活性機能の研究開発と製造及び国内外の食品・化粧品メーカーへの提案を連携して行い、新しい機能性素材の市場の創出に取り組んで参ります。
 また、秋田県や三種町の自治体、研究機関、各種団体との産学官連携プロジェクトを引き続き進め、じゅんさいの魅力を情報発信し、じゅんさい生産量の増加や未利用資源の活用、観光等の関連市場の拡大を通じ、新製品のグローバルな展開と地域の活性化を目指して参ります。


■オリザ油化株式会社の概要
1.商号  : オリザ油化株式会社
2.代表者 : 代表取締役社長 村井 弘道
3.所在地 : 愛知県一宮市北方町沼田1番地
4.設立  : 1939年4月
5.資本金 : 3,000万円
6.事業内容: 食用米サラダ油・医薬品・医薬品中間体・化粧品原料・
       機能性食品素材・健康食品・化成品・肥料・飼料等の製造・販売
7.URL   : http://www.oryza.co.jp/


■株式会社Harvestechの概要
1.商号  :株式会社Harvestech
2.代表者 :代表取締役 浜田 健太郎
3.所在地 :秋田県秋田市飯島字砂田100番地4
4.設立  :2006年8月
5.資本金 :4,951万円
6.事業内容:機能性食品の研究開発
      機能性食品の製品化支援

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