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報道関係者各位
プレスリリース

2021.03.10 11:00
現代人の角膜ケア研究室

 コロナ禍でPCやスマホなどを見る時間が増えている昨今、目の酷使により角膜(黒目部分)が傷ついてしまうリスクが高まっています。また、この時期は花粉症の方が“目をこする”と、角膜が傷つくリスクがより一層高まります。さらにその「目こすり」によって、手についた感染症対策の消毒液が目に入ってしまうこともあるので、今年の花粉症シーズンは、特に「目こすり」をしないように注意する必要があります。



【コロナ禍の目の酷使×花粉症でWパンチ!目をこすって角膜に傷!最悪、失明のリスクも。】

 目の角膜は唯一細胞がむき出しになっており、とても繊細です。傷がつくと目がゴロゴロしたり刺すような痛みに繋がります。また、花粉症で荒れたまぶたを擦るだけでも傷がつく場合があります。ちょっとした擦り傷でも痛みや涙、異物感を生じ、さらに傷がついた角膜は細菌感染を起こしやすいので、最悪の場合には感染性角膜炎で失明のリスクにつながることもあり軽視できません。


<目をこするリスク>

角膜の傷、角膜炎・結膜炎などの感染症リスク、網膜剥離 等


角膜の傷


【コロナ禍で気を付けたい!目に入ると危険な“アルコール消毒液”!】

 私たちの生活で当たり前となったアルコール消毒液ですが、目に入ってしまうことで、重大な事故も起きています。CNNによると、フランス毒物対策センター調べで、2020年4月1日~8月24日にかけ、手指消毒剤が子どもの目に入った症例は、前年同期に比べて7倍に増え、重症の角膜上皮障害(角膜の傷)を生じたケースも。日本国内においても、アルコール消毒液が目に入ってしまい、眼科受診するケースが何件か発生しているようです。もし誤ってアルコール消毒液が目に入った場合には急いで流水で目を洗うことが重要です。

※参考:2021年1月25日 CNNより https://www.cnn.co.jp/world/35165543.html



【目が痒くても我慢!目をこすらない工夫を!メガネや点眼薬を上手に活用】

 山田 昌和 先生 杏林大学医学部 眼科学 教授 日本角膜学会 理事長 日本コンタクトレンズ学会 理事

 これから3月下旬にかけて花粉の飛散が最も多くなる時期であり、花粉症で眼科や耳鼻科を受診する患者さんは急激に増えています。目をこすることで花粉症が悪化したり、繊細な目の角膜に傷がつく可能性があります。また、花粉症で目が痒い場合にはできるだけ目に触れないことを意識することの他に、外出時にはメガネをかけたり、外出先から帰ったら顔を洗って、目薬をさすことも効果的です。顔や目に付いた花粉を洗い流して、家の中に持ち込まないよう意識しましょう。目薬については、角膜の傷の悪化を防ぐ意味でも防腐剤無添加のものがおすすめです。


山田先生


 「現代人の角膜ケア研究室」(URL: https://www.kakumaku-lab.jp/ )では、近年増加していると言われている「角膜上皮障害(角膜に傷がついた状態 等)」から現代人の目を守るため、専門家による正しい角膜のセルフケア方法など、角膜に関する情報を分かりやすく、紹介しています。

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