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報道関係者各位
プレスリリース

2021.02.24 11:00
パラミロン研究会

パラミロン研究会はパラミロン※の研究およびパラミロンと関連の深い疲労に関する研究を行なっています。新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活は大きく変わりました。SNS上ではコロナ禍により“不安”や“疲労”というキーワードが増加するなど、世の中に今までにない不安や疲労感が蔓延している様子が見て取れます。

このような背景を受け、このたび当研究会では、コロナ禍における不安と疲労の実態について、関東および関西エリアに住む20~70代の男女1200人にアンケート調査を実施しました。

※パラミロン…ユーグレナ属のみが細胞内貯蔵物質として生成する多糖類で、食物繊維の一種。


調査の結果、今感じている不調は「意欲低下」「疲労感・倦怠感」「ストレスを感じやすい」といった精神的疲労に起因する不調が上位を占める結果となりました。また、長引くコロナ禍で生じている疲労の実態を把握するために、“生活の変化によりストレス・不安を感じることが多くなり、疲労感を感じている状態”を「不安疲労」と定義し、これを感じているか伺ったところ、半数以上の人が「不安疲労を感じることが増えた」(52.7%)と回答しました。


新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに起こった環境の変化は今後もしばらく続いていくことが予想されます。当研究会は今後、今回明らかになった「不安疲労」の研究および啓発活動を行っていきます。



■調査トピックス

1. コロナ禍の特徴的な不調は「意欲低下」「疲労感・倦怠感」「ストレス」がトップ3に

2. 多くの人が「ウイルス感染」への不安を抱える。44.4%の人が「感染源」になることを不安視

3. 長引くコロナ禍で、52.7%の人が新たな疲労「不安疲労」を感じることが増えたと回答。男性に比べて女性の「不安疲労」の割合が57.7%と高く、20代・30代の若い層も「不安疲労」を自覚

4. 疲労・ストレスを感じるタイミングは「感染者数のニュースを見たとき」「マスクを着けていない人を見たとき」「楽しみにしていた予定が中止になったとき」がトップ3に

5. 「ありがとう」が何よりの元気スイッチに



<調査総評>

パラミロン研究会 理事 久保明先生

内分泌・糖尿病専門医/医学博士

銀座医院院長補佐・東海大学医学部客員教授・日本臨床栄養協会副理事長



■1. コロナ禍の特徴的な不調は「意欲低下」「疲労感・倦怠感」「ストレス」がトップ3に

まず、コロナ禍で感じている不調を調査しました。今感じている不調について尋ねたところ、1位は「なんとなくやる気が出ない・体を動かす気が起きない」、2位は「疲労感・倦怠感」、3位は「ストレスを感じやすい」という結果となりました。コロナ禍では、身体的な不調よりも精神的な不調やストレスを感じている人が多いという特徴がわかりました。【図1】

【図1】Q. 今感じている不調はなんですか?


■2. 多くの人が「ウイルス感染」への不安を抱える。44.4%の人が「感染源」になることを不安視

次に、何が不安の要因になっているかを見るために、この1年間でどのような不安を感じているかを尋ねたところ、「ウイルス感染」に関する不安がトップ3となり、多くの人が感染への不安を抱えていることが明らかになりました。また、44.4%もの人が「自分が感染源になること」を不安視しており、「自身の感染により周囲に迷惑をかけてはいけない」という強迫観念にも似た不安と戦っている状況があることを感じさせる結果となりました。

さらに関西では関東と比べて、「ウイルス感染」への不安が高い割合で出ていることもわかりました。病床のひっ迫度や重症者割合は関西のほうが高いとされていることも、不安を感じる一因なのではないかと考えられます。【図2】

【図2】Q. この1年でどのような不安を感じていますか?


■3. 長引くコロナ禍で、52.7%の人が新たな疲労「不安疲労」を感じることが増えたと回答。男性に比べて女性の「不安疲労」の割合が57.7%と高く、20代・30代の若い層も「不安疲労」を自覚

コロナ禍での不安と疲労感の関係を調査するために、“生活の変化によりストレス・不安を感じることが多くなり、疲労感を感じている状態”を「不安疲労」と定義し、これを感じているか伺ったところ、半数以上の人が「不安疲労を感じることが増えた」(52.7%)と回答しました。「不安疲労」を自身で自覚しており、さらに「不安疲労」の増加を感じている人が多いということがこの結果からわかりました。【図3】


<不安疲労>

生活の変化によりストレス・不安を感じることが多くなり、何となくだるい・気持ちが重いなど疲労感を感じている状態を「不安疲労」と定義

【図3】Q. この1年間で「不安疲労」を感じることが増えたと思いますか?


また、年代別で見てみると、20代~70代すべての年代で約5割が「不安疲労」を感じており、40代・50代は「不安疲労」の割合が約6割と特に高いことがわかりました。高齢の両親などが周囲にいる環境が多いと思われ、周りへの感染の不安が「不安疲労」に繋がっているのではないかと考えられます。【図4】

【図4】Q. この1年間で「不安疲労」を感じることが増えたと思いますか?(年代別)


また、男女別で見てみると、男性に比べて女性の「不安疲労」の割合が高く、20代・30代の若い層も「不安疲労」を自覚していることが明らかになりました。また女性を年代別で見てみると、「そう思う」と答えた人の割合が年齢が下がるほど増えており、「思わない」と答えた人の割合は年代が下がるほど減っています。

この結果から、女性は心理的な不安の影響を受けやすく、生活様式の変化を感じやすい若い年代ほど「不安疲労」を強く感じていることが明らかになりました。【図5】

【図5】Q. この1年間で「不安疲労」を感じることが増えたと思いますか?(男女別・女性年代別)


さらに、就業状況別で見てみると、「不安疲労」の割合が高いのは「学生」「契約社員」「パート・アルバイト」であることが分かりました。学生は、リモート授業等が続き友人や周囲の人とのコミュニケーションが取りにくい状況であること、契約社員・パートアルバイトは雇用形態が不安定で「コロナにより仕事がなくなるかもしれない」という不安が強いことが深く関わっているのではないかと思われます。【図6】

【図6】Q. この1年間で「不安疲労」を感じることが増えたと思いますか?(就業状況別)


■4. 疲労・ストレスを感じるタイミングは「感染者数のニュースを見たとき」「マスクを着けていない人を見たとき」「楽しみにしていた予定が中止になったとき」がトップ3に

次に、どんなタイミングで疲労を強く感じるかを明らかにするため、「疲れ・ストレスを感じるときはいつですか」と伺ったところ、トップ3は「今日の感染者数・重症者数のニュースを見たとき」「マスクを着けていない人を見たとき」「楽しみにしていた予定が中止になったとき」という結果になりました。コロナ前の生活にはなかったタイミングが上位になり、疲れを感じるときにも今までにない変化が起きているようです。また、感染に対する不安がダイレクトに疲労に繋がっている傾向もこの結果から見て取れます。【図7】

【図7】Q. 疲れ・ストレスを感じるときはいつですか?


■5. 「ありがとう」が何よりの元気スイッチに

今までにない生活の変化で「不安疲労」を感じている人にどんな言葉を掛けると元気になってもらえるのか伺ったところ、断トツで「ありがとう」がトップとなりました。コロナ禍では「ありがとう」という感謝の言葉がなによりの元気スイッチのようです。【図8】

「不安疲労」は今後もコロナ禍によって増長していくと考えられます。積極的に周りの人に「ありがとう」という感謝の言葉を伝え、元気スイッチを押していくことが「不安疲労」の軽減に重要だと言えそうです。

【図8】あなたの元気スイッチを押してくれる言葉はなんですか?


■調査総評<パラミロン研究会 理事 久保明先生>

今回の調査から、コロナ禍で感じる不調は、「意欲低下」「疲労感・倦怠感」「ストレス」が特徴的であることがわかりました。多くの人が感じているこれらの症状は、まさに「不安疲労」による症状であると言えます。

「不安疲労」とは、生活の変化によりストレス・不安を感じることが多くなり、何となくだるい・気持ちが重いなど疲労感を感じている状態。つまり自律神経のバランスが損なわれている状態だと考えられます。

「不安疲労」を感じている人は身体的・精神的どちらの不調も感じやすい状態にあります。継続的なストレスや不安によって自律神経の乱れが続くと、自律神経のバランスが元に戻りにくくなり、常に疲れやすく免疫力の低い体になってしまいます。「不安疲労」は放置しておくと“うつ”に移行する危険性もあるので、「不安疲労」を感じたら、早め早めの対処が大切です。

先の見えない不安を誰もが感じている今、不安や恐怖を完全に取り除くのはなかなか難しいことだと思いますが、過度に「不安疲労」を溜めないためにも、生活のリズムを一定にする・不安要素となる情報を必要以上に見ない・緊張を解くために適度に体を動かす…など、自分でできる範囲で「不安疲労」を軽減する工夫をしてみるとよいと思います。

また、脳と腸は密接に関係しているため“腸のケア”も有用だと言えるでしょう。腸は全身の“元気スイッチ”の役割を果たしています。日頃の生活の中で、腸を元気にすることを意識してみるのも一つの手だと思います。


<久保明先生 プロフィール>

内分泌・糖尿病専門医/医学博士

慶應義塾大学医学部卒業。専門は予防医療とアンチエイジング医学。

銀座医院院長補佐・東海大学医学部客員教授・日本臨床栄養協会副理事長。

『カリスマ内科医と組み立てる DIY健康大全』(昭文社)他、著書多数。

パラミロン研究会理事 久保明先生


■調査概要

期間 :2021年1月8日~10日

対象 :20-70代 男女

回答数:1,200人

エリア:関東(1都6県)・関西(2府4県)

手法 :インターネットリサーチ

機関 :株式会社クロスマーケティング



■『パラミロン研究会』について

パラミロン研究会は、様々な研究領域の研究者が集い、2017年に発足しました。パラミロンの機能性についての多面的な研究を行い、パラミロンの新たな健康機能を探求していく研究組織として活動しています。

※パラミロン(β-1、3-グルカン)とは、ユーグレナ属のみが細胞内貯蔵物質として生成する多糖類です。近年の研究により、身体的・精神的疲労の軽減等、様々な健康機能を持つことが分かってきています。


パラミロン画像


WEBサイト: https://paramylon.jp

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