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低分子医薬品や、次世代医薬品として期待されている核酸医薬品を対象に リポソーム製剤の開発・製造受託サービスを開始
核酸を内包するリポソームの製造装置メーカーとパートナーシップ契約を締結
富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、本日より、薬剤を患部に届けるドラッグ・デリバリー・システム(DDS)技術を応用したリポソーム製剤の開発・製造受託サービスを開始します。また、本サービスの対象を、低分子医薬品のみならず、次世代医薬品として期待されている核酸医薬品にも広げるため、核酸*1を内包するリポソーム製造装置の開発・製造・販売のリーディングカンパニーであるカナダのPrecision NanoSystems Inc.(以下 PNI社)とパートナーシップ契約を3月16日に締結しました。

今後、当社は、低分子医薬品や核酸医薬品をターゲットに、リポソーム製剤の生産プロセス開発や製造の受託を行っていきます。

◆詳細はWebページをご覧ください。
⇒ https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/3160?link=atp

リポソーム製剤は、細胞膜や生体膜の構成成分である有機物のリン脂質などをカプセル状にした微粒子(リポソーム)の中に薬剤を内包した製剤です。生体内の血中での薬剤の安定性を向上させ、さらにリポソームの素材を工夫することで細胞膜を透過させ細胞内まで薬剤を効率的に届けることが期待できるため、低分子医薬品のみならず核酸医薬品への応用研究が活発化しています。

当社は、幅広い製品開発で培い進化させてきた、高度なナノ分散技術や解析技術、プロセス技術を活かして、既存抗がん剤*2を均一な大きさのリポソームに安定的に内包する製法を確立。現在、その製法を応用したリポソーム製剤「FF-10832」「FF-10850」の臨床第Ⅰ相試験を米国で進めています。また、富士フイルム富山化学にて、国内で初めて*3商業生産に対応したリポソーム製剤工場「701工場」(日・米・欧のGMP*4基準対応)を建設し、本年2月に稼働させました。

今回、当社は、すでに確立した独自リポソーム製法や「701工場」を活かして、低分子医薬品を対象としたリポソーム製剤の生産プロセス開発や製造の受託を開始します。

また、核酸医薬品を対象としたリポソーム製剤の受託に向けて、PNI社とパートナーシップ契約を締結。「701工場」にPNI社のリポソーム製造装置「NanoAssemblr Platform」を導入し同装置と当社リポソーム製剤の基盤技術を組み合わせた受託基盤と、同装置のラボ機が世界中で導入されている、PNI社の顧客基盤などを活用して、核酸医薬品を対象としたリポソーム製剤の生産プロセス開発や製造を受託していきます。

今後、当社は、低分子医薬品や核酸医薬品の分野で、顧客が求めるリポソーム製剤の最適な生産プロセスから治験薬製造・商業生産までの受託に対応し、ビジネス拡大を図っていきます。

当社は、アンメットメディカルニーズに応える新薬開発を進めるとともに、これまで培ってきたDDS技術などを活用し医薬品創出をサポートすることで、医薬品産業のさらなる発展に貢献していきます。

*1 核酸とは、塩基や糖、リン酸から構成される生体高分子。DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)など遺伝情報を司る核酸を有効成分として用いる医薬品を核酸医薬品と呼ぶ。
*2 膵臓がんの第一選択薬として用いられたり、その他の幅広いがんにも使用されている抗がん剤「ゲムシタビン」や、卵巣がんや小細胞肺がん、子宮頚がんなどに用いられる抗がん剤「トポテカン」。現在開発中の「FF-10832」は「ゲムシタビン」を、「FF-10850」は「トポテカン」をリポソームに内包している。
*3 リポソーム製剤の専用工場として商業生産に対応するのは国内初。当社調べ。
*4 Good Manufacturing Practice。品質の良い医薬品、医療用具などを供給するための製造管理および品質管理を定めたもの。
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