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報道関係者各位
プレスリリース

2019.02.07 14:00
近鉄グループホールディングス株式会社

 近鉄グループホールディングス株式会社(本社:大阪市天王寺区、代表取締役社長:吉田 昌功、以下「近鉄」)は、奈良県立医科大学MBT(※)研究所(所在:奈良県橿原市、研究所長:細井 裕司)およびMBTリンク株式会社(所在:奈良県橿原市、代表取締役社長:梅田 智広)と連携し、2019年4月から1年間、奈良市の学園前住宅地、登美ヶ丘住宅地において、日常の健康管理に役立つヘルスケアサービスの実証実験を行います。

 近鉄グループでは、2007年から生活応援事業「近鉄“楽・元気”生活」として、沿線にお住まいの皆さまに、日常の家事からお住まいのリフォームまで、あらゆる生活シーンで役立つ生活関連サービスの提供を行ってきました。また、昨年6 月には、近鉄不動産株式会社が介護事業や福祉用具事業を行う近鉄スマイルライフ株式会社を完全子会社化し、グループとして一体的なシニアビジネスの運営体制を整備し、シニア層の生活を支えるべく提供サービスの拡大・充実を目指しております。

 今回は、長寿化に伴う沿線住民の健康管理ニーズに応えるとともに、沿線住宅地が抱える様々な課題の解決を目指して、国土交通省「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」を活用した実証実験に取り組むこととしました。

 本実験ではウェアラブル端末などを使用して、一人ひとりのバイタルデータや生活環境データを収集・蓄積・分析し、医学的根拠のある生活アドバイスを提供する「パーソナル健康サービス」や、ご家族等にバイタルデータの異常をお伝えする「異常値通知サービス」を提供します。さらに、生活アドバイスに即したお料理レシピを提供し、食材を購入し易いようネットスーパーにもリンクする「レコメンデーションサービス」を実施します。また、域内消費や域内コミュニティの活性化を促す「健康ポイントサービス」をブロックチェーンのシステムを用いて発行します。この「健康ポイントサービス」によって、郊外住宅団地において社会問題となっている住民の高齢化による「消費行動の減退」や「コミュニティ機能の低下」の解決につなげ

ていきたいと考えています。

 今後、1年間の実証実験を終え、その結果や効果を検証したうえで、「近鉄“楽・元気”生活」の新たなサービスとして、ヘルスケアサービスの実装化を目指します。

 また、オンライン診療の普及やオンライン服薬指導の解禁、処方箋の完全電子化等を見据え、将来的にかかりつけ医によるオンラインでの診療をサービスに組み込むことも検討していきます。

 近鉄グループでは、沿線にお住いの方々の健康的で安全・安心な暮らしを支えることで、沿線価値のさらなる向上に努めます。


    <ウェアラブル端末>


<パーソナル健康サービス バイタルデータ画面(イメージ)>


1.実施する実証実験の詳細について
(1)実施期間  2019年4月~2020年3月
(2)対象者   奈良市学園前住宅地、登美ヶ丘住宅地にお住まいの30歳以上

                           の方、300名
         <学園前住宅地> 学園南一~三丁目、学園北一、二丁目、

                                                     学園中一~五丁目、百楽園一~五丁目
         <登美ヶ丘住宅地>登美ヶ丘一~六丁目、南登美ヶ丘、

                                                     北登美ヶ丘一~六丁目
(3)実施内容
●毎日の生体情報や家内の環境情報等を計測
  ・ウェアラブル端末、環境センサ、通信機器(MBT Link)等を通して、日々の

     バイタルデータや生活環境データが奈良県立医科大学MBT研究所に送信されま

     す。
  ・これらのデータはウェブ上で参加者自ら確認可能です。
●月1回、精密医療機器による計測(来訪による健康チェック)を実施
 ・近鉄奈良線学園前駅の「住まいと暮らしのぷらっとHOME」で月1回、体重計・

  血圧計、骨年齢測定器等で詳細なバイタルデータを測定するほか、健康増進に役

  立つ筋力の測定を行います。
 ・これらのデータを収集・分析し、より的確な生活アドバイス等(パーソナル健康

  サービス)につなげます。
●各種データに基づき、パーソナル健康アドバイスや異常値通知等のサービスを提供
 ・各自の健康状態に合わせた生活アドバイスを定期的に提供するほか、一人ひとり

  の健康状態に合わせたお薦めの食事メニューなどの情報提供(レコメンデーショ

  ンサービス)を行います。
●来訪による健康チェックで数値に異常を確認したときにはメッセージを送信しま

 す。また、希望者には異常値通知をご家族にLINEで送信します。
●上記計測に対するインセンティブとして、「健康ポイント」を発行
 ・バイタルデータを継続的に計測・送信する参加者には、その参加状況に応じた

  報奨として、「健康ポイント」を発行します。
 ・「健康ポイント」は、セキュリティ面の信頼性が高いブロックチェーンを活用

  したデジタル地域通貨のシステムを用いて発行します。
●日常の買い物や日帰りバスツアーで健康ポイントを利用
 ・参加者が貯めた「健康ポイント」は地域内のスーパーマーケットで使用できるほ 

  か、団地住民向けバスツアーの参加費用の支払いに充てることで、住宅団地が抱

  える域内消費の活性化や地域コミュニティの再生といった課題解決を目指しま

  す。

(4)実施主体 近鉄グループホールディングス
   (協力:奈良県立医科大学MBT研究所、MBTリンク株式会社)
(5)実験における各者の役割
   近鉄グループホールディングス・・・実験の運営・管理
   奈良県立医科大学MBT研究所・・・医学的知見の提供と様々な研究

                    各種データの管理
         MBTリンク株式会社    ・・・医学的知見に基づいたサービスの開発
                    MBT Link等の機器の開発・提供
                    ウェアラブル端末等の機器の選定
(6)今後の予定
  ・2019年2月: ホームページ公開
  ・2019年3月: 参加者の募集、事前説明会の開催
  ・2019年4月~2020年3月: 実証実験実施
  ・2020年4月: 結果の収集・分析・報告
  ・2020年  : ヘルスケアサービス開始

2.「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」について
  国土交通省が高齢者・子育て世帯等の居住の安定確保及び健康の維持・増進に資する先導性が高い事業等を行う民間事業者等を公募し、選定した事業の実施に要する費用の一部を国が補助する事業で、具体的に課題解決を図る先導性が高い事業を支援する「一般部門」、健康の維持・増進に資する住宅の普及を図る事業を支援する「特定部門」と、住宅団地の再生に資する先導的な提案や創意工夫を含む事業を支援する「住宅団地再生部門」があります。
  今般、当社は平成30年度同事業の「住宅団地再生部門」に「住宅団地が抱える4つの潜在的課題を解決する事業スキームの構築」として、●健康管理・健康増進、●孤独死の防止、●地域内消費活動の活性化、●地域コミュニティの再生、の4つの課題を解決する事業スキームとして本事業を提案し、採択されました。

3.「奈良県立医科大学MBT研究所」について
  公立大学奈良県立医科大学が2016年10月に設立した研究所です。MBT(Medicine-Based Town,医学を基礎とするまちづくり)とは、少子高齢化社会を快適に暮らすことができる街づくりの実現を目指して、同学が持つ医学的知見やノウハウをすべての産業に投入することによって、産業創生を行うと共に地方創生に寄与するもので、MBT研究所はこの理念を達成するための研究を行うことを目的に設立されました。

4.「MBTリンク株式会社」について
 同社は、奈良県立医科大学MBT研究所の梅田智広研究教授がMBT構想の実現に向け、奈良県立医科大学で初となる大学発ベンチャー企業として設立したものです。
同社では、MBT Linkという自ら開発したゲートウェイ装置を用いて健康サービスを提供します。
 体に装着可能なウェアラブルデバイス、装着不要なノンウェアラブルデバイスを利用して計測した生体情報や各種環境情報、GPSによる位置情報をMBT Linkで収集し、医学の知見から分析、評価した結果を利用者へお知らせするサービスを展開していきます。このサービスにより、遠隔地からの家族見守りや、異常時の駆け付けなど、“まちづくり”におけるさまざまなニーズへの対応を目指します。


<会社概要>
  会社名:MBTリンク株式会社
  所在地:奈良県橿原市四条町840 産学官インキュベータセンター内
  代表者:代表取締役 梅田智広
  設立日:2018年10月1日

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