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報道関係者各位
プレスリリース

2018.12.07 14:00
日本ナショナルインスツルメンツ株式会社

日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下NI)は本日、ミリ波対応のソフトウェア無線(SDR:Software Defined Radio)システムである「ミリ波トランシーバシステム」に対応する新たなミリ波ヘッドを発表しました。新たなミリ波ヘッドは、24.25 GHz~33.4 GHzの周波数帯をカバーする「mmRH-3642」、「mmRH-3652」、「mmRH-3602」と、37 GHz~43.5 GHzの周波数帯をカバーする「mmRH-3643」、「mmRH-3653」、「mmRH-3603」という2つのシリーズで構成されています。いずれも、5Gの無線アクセス技術であるNew Radio(NR)のプロトタイピングに向けた製品です。


現在は、5G NRの規格策定における第1フェーズが完了した段階にあります。標準化団体の3GPP(Third Generation Partnership Project)は、NRのプロトコルの定義を終え、その中でNRでの活用が有望視される周波数帯が複数挙げられています。また、世界各国の規制当局が、5Gのモバイルアクセスに使用するミリ波帯の周波数割り当てに着手しています。このような状況のなか、NIはNRでの活用が目される広範な周波数を遍くカバーできるように、今回の新たなミリ波ヘッドの発表に至りました。新たなミリ波ヘッドを活用することにより、日本、米国、欧州、韓国、中国など、各国の研究者らは、それぞれに検討を進めている異なる周波数帯を使用して5G向けシステムのプロトタイプを速やかに開発することができます。


NIは、無線通信システムのプロトタイプ開発に活用できるSDRベースのプラットフォームを提供することを通じて、新たな無線通信技術の開発と導入を加速しようとしています。2016年には、上述のミリ波に対応したSDRであるミリ波トランシーバシステムを発表しました。ミリ波トランシーバシステムは、ミリ波RFを司るミリ波ヘッドと、中間周波数部、ベースバンド部を担うPXI(PCI eXtensions for Instrumentation)モジュールなどで構成されており、それぞれ独立したハードウェアモジュールとなっています。そのため、ミリ波ヘッドを交換することで、符号化・変復調といった送受信のベースバンド信号処理は同じまま、様々な周波数に対応できます。そして、NIは2016年以来、3GPPの動きに足並みをそろえる形で、追加された周波数帯をカバーする新たなミリ波ヘッドをリリースし続けてきました。


SDRであるミリ波トランシーバの無線仕様を定義するソフトウェアとして、NIでは今回発表したラジオヘッドの物理層については、Verizon 5G TFの仕様と3GPP Release 15の5G NR仕様に準拠したソフトウェアを提供しています。このソフトウェアは、グラフィカルシステム開発プラットフォーム「LabVIEW」で記述され、ユーザが自由に書き換え可能なオープンなソースコードの形で提供されます。これにより、新しいミリ波ヘッドとミリ波トランシーバシステムを組み合わせれば、OTA(Over-the-Air)伝送が可能な通信システムを即座に立ち上げることができます。そのうえで、個別の研究テーマに応じてソースコードを書き換えることで、チャンネルサウンディング、5G NR向けの通信方式の開発と最適化、ビームステアリングのアルゴリズムの研究やテストなど、広範な種類のアプリケーションで使用することができます。


NYU WIRELESS 創設ディレクター/教授 Theodore (Ted) Rappaport氏、NYUタンドン・スクール・オブ・エンジニアリング 電気工学担当教授 David Lee/Ernst Weber氏のコメント

「セルラ通信におけるミリ波通信技術の研究/開発は、5Gのサービスインに向けて加速しています。3GPPが5G向けに定めた目標を達成するうえで、ミリ波技術が重要な要素になるということについては世界的な合意が形成されつつあります。初期の5Gに使用されるミリ波周波数帯としては28 GHzが主流になっていますが、39 GHzも重要な周波数帯として急速に関心を集めており、検討が進められています。私たちは、ミリ波に関連する研究の幅を拡大しつつ、それらを商用レベルまで進化させるべく取り組みを行っています。NIが発表した新たなラジオヘッドは、その活動を強力に支援してくれる存在になるはずです。」


ミリ波対応のトランシーバシステムや構成については、http://www.ni.com/sdr/mmwave/ja/をご覧ください。



ナショナルインスツルメンツ(NI)について

NIは、ソフトウェア定義のプラットフォームで世界中のエンジニア/研究者の生産性向上とイノベーションを後押ししてきました。NIのプラットフォームには、モジュール式のハードウェアと、拡大を続けるNIのエコシステムも含まれます。 定評のあるNIのアプローチを採用することで、ユーザは、テスト/計測/制御に関連するシステムの設計を一段と加速することができます。NIのソリューションは、ユーザが求める要件を超える高性能なシステムの構築、ニーズの変化や技術の進歩への迅速な対応を可能とし、ひいては社会の発展に寄与します。 日本ナショナルインスツルメンツ(japan.ni.com)は、NIの日本法人です。


LabVIEW、National Instruments、NI、ni.com、NI FlexRIO、およびUSRPはナショナルインスツルメンツの登録商標です。 その他の製品名および企業名は、それぞれの企業の商標または商号です。MATLABはThe MathWorks, Inc.社の登録商標です。


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