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報道関係者各位
プレスリリース

2018.03.02 11:00
一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)

一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(本社:東京都中央区、会長:江口 泰広)は、デザインや機能などの「商品性」のみならず、環境や人・社会への配慮である「社会性」も兼ね備えた商品・サービスを表彰する『ソーシャルプロダクツ・アワード2018』を開催し、合計21点の優れた商品にソーシャルプロダクツ賞を授与しました。


国内部門大賞「もりのともだち」


今回は、その21商品の中から、各部門ごとに特に優れたソーシャルプロダクツとして大賞、優秀賞、生活者審査員賞および特別賞を決定しましたので発表いたします。



■大賞

【国内部門】

商品名   :もりのともだち(食器)

企業・団体名:チエモク株式会社(北海道)

概要    :北海道下川町役場と共同で開発した、赤ちゃんから大人まで使える木製うつわのシリーズ。年々減少していく北海道の広葉樹の中で、豊富な資源量ながら製品活用されにくかった早生材に着目して下川町産「はんのき」と「しらかば」を有効活用。女性が多い木工メーカーならではの特徴として、使い手目線の機能性とデザインを込めて製作している。従来の木製食器にない使い心地と耐久性を実現し、木の器なのに快適に使えると認知度も上がっている。


【国際部門】

商品名   :love lotus Bean to Bar & Raw チョコレート(菓子)

企業・団体名:株式会社ロータスコンセプト(石川県)

概要    :児童労働や搾取のない、農薬・化学肥料不使用のベトナム産カカオ豆を使った石川県初のBean to Bar & Raw チョコレートブランド。カカオの皮むき作業は県内の障がい者就労施設に委託。パッケージには石油由来の素材を可能な限り排除した貼箱を使用し、チョコレートを食べた後も小物入れ等に利用できるようになっている。さらに、商品の売上の一部は児童養護施設の子ども達への木育活動に寄付する等、幅広い取り組みが実施されている。



■優秀賞

【国内部門】

商品名   :さっこらProject ~Panorecheシリーズ~(雑貨、インテリア)

企業・団体名:株式会社幸呼来Japan(岩手県)

概要    :東北地方で継承されてきた裂き織を軸に3つのコンセプト「Social/障害者の労働力」「Reduce/廃棄繊維の活用」「Traditional/裂き織の技術継承」を連携・普及させるプロジェクト。このシリーズでは、アパレルメーカーなどで使わなくなった布(残反)を裂き織にし、デザイン性の高いインテリアや雑貨を提案している。現代のニーズに合ったデザイン開発や生産量の増加などを通じて伝統工芸の裂き織を産業レベルに引き上げ、より多くの人に使ってもらうことでコンセプトを普及させることを目指している。


【国際部門】

商品名   :CHILA BAGS(バッグ)

企業・団体名:株式会社ジャパンビジネスカウンセル(東京都)

概要    :独自の生活様式を守りながらコロンビア北部で暮らす南米の先住民ワユー民族によって作られたバッグ。彼らが代々受け継いできた手編みの技術にオリジナルデザインを加え、伝統とモダンが融合されたユニークな形を生み出した。不公正な取引が多くある中、中間業者を通さずに公正な条件・金額での取引を徹底している。その他、持続可能で安定的な生活をおくるための家計管理の講義や、食料の現物支給等、生産者への生活面のサポートにも積極的に取り組んでいる。



■生活者審査員賞

【国内部門】

商品名   :小さな石鹸(石鹸)

企業・団体名:株式会社アイローカル(宮城県)

概要    :宮城県内で採れる自然素材とオーガニックオイルを組み合わせた手作り石鹸。ワカメやシルク、米ぬか等の種類豊富な石鹸は、カラフルな色とキューブ型の形状で、見た目にもおしゃれなデザインに仕上げられている。各石鹸には、エッセンシャルオイルを加えており、ふんわりと広がる香りを楽しむこともできる。製造工程の一部を障がい者支援施設に委託している他、震災復興として、若い女性にとって魅力的な事業や職場環境を提供することも目指している。


【国際部門】

商品名   :ショーコラ(菓子)

企業・団体名:チョコレートデザイン株式会社(神奈川県)

概要    :「チョコレートで世界を幸せにする」というモットーを実現すべく、フェアトレードチョコレートでつくる生チョコクッキーサンド。熟練のショコラティエが試行錯誤を重ねてたどりついたその香り、味、食感のハーモニーは、多くのチョコレート好きから評価されている。製造中に、割れや欠けでロスとなってしまった商品は、チャリティーオークションに出品し、その売上でカカオ原産国のガーナに学校を建設。また、カカオ農園で働く女性達をサポートするプロジェクトもスタートさせ、生産者の継続的な支援活動にも取り組んでいる。



■特別賞

「アイディア」

(特に評価すべき「アイディア」を持った商品・サービスに授与されます)

商品名   :EDIBLE GARDEN(食用花)

企業・団体名:dot science株式会社(東京都)

概要    :EDIBLE GARDENは、無農薬栽培ローズを中心とした食用花(エディブルフラワー)のブランド。商品として、食用ローズのほか、障がい者就労支援施設を営むNPO法人「歩実」で生産された食用花も取り扱っている。主力商品である「YOKOTA ROSE」は神奈川県平塚市にて無農薬で作られ、一般流通の食用バラと比較して3,840倍もの香気成分を含んでおり、ミシュラン星付きシェフも愛用している。


「デザイン」

(特に評価すべき「デザイン性」を持った商品・サービスに授与されます)

商品名   :LOG - more trees LEATHER Speaker -(スピーカー)

企業・団体名:SYRINX(東京都)

概要    :LOG(丸太)と名付けられた柔らかな皮でつくられた2本のスピーカー。澄み渡る音が空間全体に自然に広がり、まるで目の前で演奏しているような臨場感で満たされる。素材には、森の植生を破壊し尽くすまで増加している北海道のエゾジカの革を採用。その柔らかな革を用いることで、共振・反響・共鳴を極限までなくすことに成功した。サスティナブルな森林環境を守りながら、エゾジカの命に感謝を捧げ、その革の新たな可能性を広げている。


※それぞれの商品の詳細は、 http://www.apsp.or.jp/spa2018/ をご参照ください。



<審査方法>

大賞、優秀賞および各種特別賞

一次審査(社会性審査)および二次審査(商品性審査)を通過し、ソーシャルプロダクツ賞が授与された商品の中から部門ごとに大賞、優秀賞を決定します。大賞、優秀賞以外に、特に優れた特徴をもつ商品には特別賞が贈られます。


生活者審査員賞

公募によって選ばれた生活者が実際に商品を見ながら、社会性・商品性の審査を実施し決定します。



◆展示会のお知らせ

大賞・特別賞を含む、ソーシャルプロダクツ賞を受賞した全21商品の展示会を以下の通り開催します。単なるモノではなく、商品性と社会性、他にはないストーリーを持ち合わせたこれからの時代の商品を実際に見ることができるまたとない機会です。


・展示会場(南青山)

場所  :OVE南青山

     東京都港区南青山3-4-8 KDXレジデンス南青山1F(Tel 03-5785-0403)

     東京メトロ銀座線 外苑前駅1a出口から徒歩8分

     ( http://www.ove-web.com/minamiAoyama/ )

開催期間:3月2日(金)~11日(日)※月曜日はお休み

開場時間:10:00~19:00(ただし、最終日は16時まで)

入場  :無料


・展示会場(代官山)

場所  :ソーシャルスクエア代官山

     東京都渋谷区猿楽町24-1 ROOB2 2F-C(Tel 03-6416-3666)

     東急東横線 代官山駅から徒歩3分、山手線「恵比寿」駅から徒歩12分

     ( http://ss-daikanyama.com/ )

開催期間:3月14日(水)~4月15日(日)※月曜日はお休み

開場時間:11:00~19:00

入場  :無料

※代官山会場につきましては、一部商品の展示となります。



■ソーシャルプロダクツとは

エコ(環境配慮)やオーガニック、フェアトレード、寄付つき、地域や伝統に根差したものなど、人や地球にやさしい商品・サービスの総称で、購入者がより良い社会づくりに関する行動や団体と繋がることができるものをいいます。



■ソーシャルプロダクツ・アワード(SPA)とは

ソーシャルプロダクツ普及推進協会が主催するSPAは、人や地球にやさしい商品・サービス(=ソーシャルプロダクツ)の普及・推進を通して、持続可能な社会を実現することを目的に、優れたソーシャルプロダクツを表彰する制度です。第5回の2017年は、越前ブランドプロダクツ・コンソーシアムの「越前打刃物」が国内部門大賞を、フェアトレードカンパニー株式会社の「フェアトレード・チョコレート」が国際部門大賞を受賞しました。


<ソーシャルプロダクツ・アワードが生まれた背景>

環境や貧困、地域の活力低下、食の安全・安心問題など、様々な社会的課題が顕在化する中、その緩和や解決にはもはや特定の団体や個人の力だけでは足りず、多くの生活者や企業の継続的な参加と関与が必要です。

ソーシャルプロダクツは、特別なものではなく、日常の商品やサービスに社会性が加わったものであることから、多くの生活者や企業の無理のない参加により、社会的課題の緩和・解決に貢献することが可能です。

SPAは、優れたソーシャルプロダクツの情報を生活者に広く提供するとともに、ソーシャルプロダクツを通して持続可能な社会づくりに貢献する企業、団体を応援することを目的に誕生しました。


<部門について>

主に国内の社会的課題の解決に資するものを対象とする「国内部門」と、主にグローバルや海外の社会的課題の解決に資するものを対象とする「国際部門」があります。


<審査の特徴と種類>

各部門ともに一次審査と二次審査の二段階で構成され、前者では「社会性」を、後者では一次審査を通過したものに対して主に「商品性」を、審査員(有識者や専門家)が審査します。さらに、公募によって選ばれた一般の生活者も審査に参加し、生活者の視点から社会性や商品性を審査します。

審査員によって二次審査まで通過となったものにはソーシャルプロダクツ賞が授与され、その中でも特に優れたものに大賞、優秀賞、特別賞が授与されます。また、生活者審査員の評価が最も高かったものには生活者審査員賞が授与されます。


<審査における評価項目>

(1) 「社会性」として、環境だけでなく人(社会的弱者)や社会(地域、伝統)への配慮を評価

(2) 「社会性」のみならず、品質や機能、デザインといった「商品性」を評価

(3) 商品・サービスが生まれた「背景」や「ストーリー」およびそれを普及させるための「仕組み」を評価


<SPAマーク>

受賞した商品・サービスは、社会性と商品性が高いレベルで調和している証として「SPAマーク」を掲示することが可能です(有料)。このマークは、「消費を通じて、より良い社会づくりに、無理なく、気軽に参加したいが、どの商品が人や地球にやさしい商品(ソーシャルプロダクツ)なのかわからない」という多くの生活者にとって、商品やサービスを選択する際の判断基準となります。

また、SPAマークの利用以外に、SPA受賞商品/APSP認定ソーシャルプロダクツであることを発信・表示することも可能です。



■ソーシャルプロダクツ普及推進協会とは

「ソーシャルプロダクツ」の普及・推進を通じて、生活者や企業などと共に、持続可能な社会の実現を目指す非営利の組織です。


<協会概要>

名称 : 一般社団法人 ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)

設立 : 2012年7月

所在地: 東京都中央区銀座5-12-5 白鶴ビル3F

会長 : 江口 泰広(学習院女子大学名誉教授)

URL  : http://www.apsp.or.jp

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