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報道関係者各位
プレスリリース

2017.06.19 16:00
スパークス・アセット・マネジメント株式会社

スパークス・アセット・マネジメント株式会社(http://www.sparx.co.jp/)(東京都港区。代表取締役社長 阿部修平)は、ビジネスパーソンがどのようなお金の不安を抱え、どのように対策を行っているのかを明らかにするため、2017年5月23日~5月24日の2日間、全国の20歳~59歳のビジネスパーソンを対象に、『ビジネスパーソンの「マネ活」に関する調査』をインターネットリサーチにより実施し、1,000名の有効サンプルを集計しました。なお本レポートは、サンプル調査という性質上、実態を全て反映したものではありません。また、特定の投資商品や個別銘柄の取引を勧誘する目的で作成したものではありません。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)



▼ビジネスパーソンのお金の不安

◆ビジネスパーソンが抱えるお金の三大不安「老後の生活資金」「賃金・収入」「将来の生活設計」

◆20代女性の半数が「賃金・収入」、4割半が「将来の生活設計」、3割半が「保険」に不安


全国の20歳~59歳のビジネスパーソン1,000名(全回答者)に、どのようなことがらについて、お金の不安を感じているか聞いたところ、「老後の生活資金」51.7%が5割台で最も高く、次いで、「賃金・収入」40.5%が4割台、「将来の生活設計」34.7%、「税金(増税や節税方法など)」32.2%、「将来の公的年金」30.2%が3割台で続きました。老後の生活資金や将来の生活設計といった、将来に関することがらに不安を感じている人が多く、賃金や公的年金といった収入面に対しても不安を抱いている様子がうかがえます。

男女年代別にみると、20代は男女ともに「賃金・収入」が1位に、30代以降は男女ともに「老後の生活資金」が1位になりました。20代は老後の生活を考える以前に、現在の収入に対して不安を抱いているようです。また、20代女性では「賃金・収入」50.4%がそのほかの層と比べて最も高くなり、「将来の生活設計」44.8%は30代女性(52.0%)に次いで高く、「保険(選び方・始め方)」34.4%は唯一上位5位にランクインするなどの特徴がみられました。20代のビジネスウーマンは、現在の収入や将来の生活設計に大きな不安を抱えているほか、保険の選び方などについても不安を感じている人が多いようです。


◆お金の不安の背景に社会保障への不信「公的年金は“払い損”になる」82%

◆「将来、自分の仕事はAIに奪われる」38%、20代・30代は4割強が不安視

◆投資しないことはリスク?「貯金だけで将来に備えるのはリスクがある」82%

  

では、こういったお金の不安が生じるのには、どのような背景があるのでしょうか。

全回答者(1,000名)に、将来展望に関する意識を聞いたところ、「自分の公的年金は“払い損”になる」の同意率(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計割合、以下同様)は81.6%、「退職金と公的年金だけでは、老後の生活が立ち行かない」の同意率は90.5%、「仕事で頑張って成果を上げても、収入が上がる見込みがない」の同意率は82.6%となりました。公的年金や退職金はあてにならないと感じている人や、仕事で成果を上げても収入が上がる見込みがないと感じている人が多いようです。公的年金や退職金、収入アップなどを老後の生活プラン設計の前提に組み込むことが難しくなっているようで、このような悲観的な将来展望から、老後の生活資金に不安を感じる人が多くなっているのではないでしょうか。

また、「将来、自分のしている仕事は、AI(人工知能)に奪われる」の同意率は38.3%となりました。年代別に同意率をみると、20代(42.8%)や30代(42.4%)では、特にこの不安を感じていることがわかります。AIなどの技術革新によって、将来自分の仕事が機械に奪われてしまうのではないかと不安を感じている人も少なくないようです。

さらに、「貯金だけで将来に備えるのはリスクがある」では、同意率は81.9%と、およそ5人中4人の割合となりました。将来のインフレリスクなどを考えると、貯金以外の手段、例えば投資などを行って、将来の備えを行うべきなのかもしれない、との思いを抱いている人も多いのではないでしょうか。

 


▼ビジネスパーソンの「マネ活」実態

◆“減らす・備える・貯める”マネ活は半数以上が実践も、お金を“増やす”マネ活の実践は4割以下  「投資」は26%、「自己投資」は17%、「副業」は12%に留まる

◆貯金をしている人は月平均4.7万円のペースで貯金、20代は平均3.9万円

 

ビジネスパーソンはお金の不安を解消するために、どのような取り組みを行っているのでしょうか。ここからは、お金の不安を解消するための取り組みを「マネ活」と称し、その実態をみていくことにします。

全回答者(1,000名)に、現在行っているマネ活について聞いたところ、「日々の生活費の節約」が63.0%、「保険の加入」が61.3%、「定期的な貯金」が52.1%、「投資(資産運用)」が26.2%、「スキルアップ・収入アップのための自己投資」が17.1%、「副業」が12.2%となりました。また、投資や自己投資、副業といった、お金を“増やす”ためのマネ活のうち、いずれか1つ以上を現在行っている割合は37.7%となっています。支出を“減らす”、保険でリスクに“備える”、お金を“貯める”といったマネ活は半数以上の人が行っているものの、お金を“増やす”ためのマネ活は比較的、行っている割合が低くなりました。

男女別にみると、女性は男性よりも「日々の生活費の節約」(男性59.8%、女性66.2%)や「定期的な貯金」(男性49.8%、女性54.4%)の割合が高く、「投資(資産運用)」(男性32.8%、女性19.6%)の割合が低くなりました。長らく続いたデフレの影響か、投資をせず、節約や貯金で資産を守ろうとする傾向がビジネスウーマンではより強いようです。

 

次に、現在定期的な貯金を行っている人(521名)に、ひと月あたり、どのくらい貯金を増やしているか聞いたところ、「1万~2万円未満」20.5%や「5万~10万円未満」26.3%に回答が集まり、平均額は46,881円となりました。定期的に貯金を行っている人はひと月に平均5万円弱のペースで貯金を積み立てているようです。

年代別に平均額をみると、20代は平均38,583円と、その他の年代(30代48,031円、40代51,052円、50代49,945円)と比べて低くなっています。収入額が少なく、思うように貯金が増やせていない人も多いのではないでしょうか。

 

◆ビジネスパーソンの投資資金 中央値は100万円、40代兼業投資家の4人に1人は1千万円以上運用

◆副業を行うビジネスパーソンの副収入は平均3.5万円、過半数は3万円未満

 

続いて、現在投資を行っている人(262名)に、投資資金(運用や保有をしている金額)はどのくらいか聞いたところ、「100万~300万円未満」25.2%に回答が集まりました。また、「10万円未満」17.2%や「10万~50万円未満」10.3%といった少額資金帯も少なくなかった一方で、「5千万~1億円未満」3.1%や「1億円以上」1.9%といった高額資金帯の回答も一部にみられました。投資資金の平均額は高額資金帯の影響で858万円となっていますが、中央値は100万円でした。投資をしているビジネスパーソンは一般的に、100万円前後を投資資金にあてていることが多いようです。

年代別に中央値をみると、20代は20万円、30代は100万円、40代は300万円、50代は200万円となりました。また、投資資金上位25%の水準(第三四分位)に注目すると、20代では100万円、30代では400万円、40代では1千万円、50代では850万円となっています。ビジネスパーソンと投資家の二足のわらじでこつこつと資産形成に励んできた人の中には、大きな資産の形成に成功した人も珍しくないのかもしれません。

 

さらに、現在副業を行っている人(122名)に、ひと月あたり、副業によってどのくらい収入を得ているか聞いたところ、「1万円未満」32.0%がおよそ3人中1人の割合、「1万~3万円未満」25.4%がおよそ4人中1人の割合となり、「10万円以上」11.4%はおよそ9人に1人の割合となっています。副業の収入平均額は34,698円となりました。お小遣い稼ぎ程度に副業を行っている人が多いのか、副収入は3万円に満たない人が過半数のようです。

 

◆ビジネスパーソンの3人中1人は「投資デビュー済」、投資デビューを迷うビジネスウーマン多し

◆ビジネスパーソンの5人中1人は「副業デビュー」を果たす、4人中1人は「副業を始めたい」


ここからは、マネ活の中でもお金を“増やす”ための取り組みとして投資と副業に注目し、さらに掘り下げてみていくことにします。

全回答者(1,000名)に、投資のデビュー状況とデビュー意向について聞いたところ、投資経験のある「デビュー済層」が32.9%、投資を始めたいと思っている「デビュー意向層」が15.3%、投資を始めるか迷っている「デビュー不確定層」が19.1%となりました。ビジネスパーソンのおよそ3人中1人に投資経験があり、およそ6人中1人が投資デビューを考えていることがわかりました。他方で、投資を始めるつもりがない「無関心層」は32.7%となっています。

「デビュー不確定層」の割合は男性(19.1%)よりも女性(23.2%)で高く、特に、20代女性(24.8%)や40代女性(28.0%)で高くなっています。この年代のビジネスウーマンには、投資を始めようか迷っている人が多いようです。

また、副業のデビュー状況についても同様に聞いたところ、「デビュー済層」が21.7%、「デビュー意向層」が23.0%、「デビュー不確定層」が23.2%となりました。今年、政府が公表した“働き方改革実行計画”には、副業や兼業の普及促進を図ることが盛り込まれていましたが、ビジネスパーソンのおよそ4人中1人が今後の副業デビューを考えているようです。

 

◆人気の投資先「日本株式」「投資信託」「外貨・FX」、新たな投資先は「外国株式」に関心あり

◆人気の副業1位「データ入力・集計」2位「ダブルワーク」3位「アフィリエイト」 20代は「ストックフォト」にも注目

 

では、ビジネスパーソンにはどのような投資先や副業が人気なのでしょうか。

投資デビュー済層(329名)に、投資経験のある資産について聞いたところ、「日本株式」が73.3%で最も高く、「投資信託(REIT以外)」が42.9%、「外貨(外国為替証拠金取引(FX)を含む)」が23.4%、「日本公社債(国債/地方債・社債など)」が20.7%で続きました。ビジネスパーソンの投資先としては、日本株式が一番人気のようです。

また、投資デビュー済層と投資デビュー意向層(482名)に、投資対象として関心のある資産について聞いたところ、「日本株式」が63.9%で最も高く、「投資信託」が27.0%、「外国株式」が19.7%で続きました。投資経験のある人の新たな投資先や投資デビューを考えている人の投資先として、外国株式が注目されていることがうかがえる結果となりました。

 

また、副業デビュー済層と副業デビュー意向層(447名)に、どんな副業を始めてみたいと思っているか(思っていたか)聞いたところ、1位は「データ入力・集計」35.3%、2位は「ダブルワーク(アルバイトとの掛け持ちなど)」33.6%、3位は「アフィリエイト(ブログ・WEBサイト運営など)」13.9%、4位は「転売・せどり(オークション・フリマなど)」11.6%、5位は「ライター(記事・コピー制作など)」11.4%となりました。2つの仕事を掛け持ちするダブルワークも上位にランクインしていますが、主に、インターネットを通じて在宅でできる仕事が注目されているようです。

年代別にみると、20代は「データ入力・集計」41.6%や「ダブルワーク」42.5%のほか、「写真販売(ストックフォトなど)」11.5%もそのほかの年代に比べて高くなりました。

 


▼「貯蓄から資産形成へ」を阻むもの・後押しするもの

◆投資デビューしない理由「投資知識がない」「損をするリスクが怖い」「余裕資金がない」

◆投資デビューしたい人が踏み出せない理由は「投資知識がない」「投資先が選べない」   投資デビューを迷う人の理由は「リスクが怖い」「良くないイメージがある」

 

ここまでで、8割以上のビジネスパーソンが「貯金だけで将来に備えるのはリスクがある」と考えているのに、投資経験のあるビジネスパーソンはおよそ3人中1人の割合に留まっていることが明らかになりました。貯金だけの資産構成にリスクを感じていても、投資デビューにつながっていないのは、どのような理由があるのでしょうか。“貯蓄から資産形成へ”の流れが進まない要因を探りました。

投資未経験層(=投資デビュー意向層+投資デビュー不確定層+投資無関心層、671名)に、現在まで、投資を始めていない理由(または関心がない理由)を聞いたところ、「投資の知識がない・知識に不安がある」が55.1%で最も高く、次いで「リスクを避けたい・損をするのが怖い」が42.6%、「投資する余裕資金がない」が30.3%、「良くないイメージがある(難しそう・ギャンブル的など)」が24.9%、「投資や投資の勉強をする時間がない」が16.4%で続きました。投資に関する知識に不安を感じている人が多く、知識のなさなどの準備不足のせいで損をしてしまうのではないか、といった思いが投資デビューを阻んでいる大きな要因となっているようです。また、投資に費やす資金や時間が捻出できないといった要因や、投資に良くないイメージがあるといった要因が上位に挙がりました。

投資意向別にみると、デビュー意向層は、「投資の知識がない・知識に不安がある」64.7%や「投資先が選べない(または選定中)」13.1%がそのほかの層よりも高くなりました。投資先選びなどで迷ってしまい、デビューするに至っていない人が多いのではないでしょうか。また、投資デビュー不確定層では、「リスクを避けたい・損をするのが怖い」51.3%や、「良くないイメージがある」26.7%が、投資意向層よりも高くなりました。リスクを限定できたり、投資に関する良くないイメージを払しょくできたりすれば、投資デビューを志向するようになるのかもしれません。一方、無関心層は「良くないイメージがある」27.2%や「特に理由はない」26.3%がそのほかの層よりも高くなりました。良くないイメージが先行しているせいで投資を具体的に検討したことがない人が多いためか、具体的に理由が挙がらない人が多くなりました。

 

◆フィンテックが投資の後押しに?“おつりで投資”で「投資意欲UP」37%、20代や30代の4割以上は“おつりで投資”の実現で「投資意欲UP」

◆投資デビューしたい人や投資デビューを迷う人は“少額投資”を知れば「投資意欲UP」

 

それでは、投資をしたことがない人が投資デビューするにあたり、どのようなサービスが後押しとなるのでしょうか。

投資未経験層(671名)に、投資サービスや投資環境を例に挙げ、実現したら(または実現していることを知ったら)、どの程度投資意欲に変化があるか聞いたところ、【スマホで投資】では、「投資を始めるきっかけになる」が9.8%、「今より投資をしたいと思う気持ちが高まる」が14.2%となり、合計で24.0%が「投資意欲が増す」と回答しました。投資を始めるにあたり、口座の開設や取引がスマホでスムーズにできるようになったと知ったら、今よりも投資デビューしたい気持ちが高まる人がおよそ4人中1人の割合でいるようです。

また、【少額で投資】では「投資意欲が増す」は37.9%、【AIでリスク分散】では25.8%、【買い物のおつりで投資】では37.0%、【AIで安定市場】では29.2%となりました。特に、1万円未満といった少額から投資を始められるサービスや、買い物のおつりを積み立てて自動的に投資をしてくれるサービスが、投資デビューを考えるうえでの後押しとなるようです。

年代別に「投資意欲が増す」割合をみると、20代や30代は【スマホで投資】(20代34.4%、30代31.2%)や【少額で投資】(20代42.1%、30代44.4%)、【買い物のおつりで投資】(20代42.6%、30代40.8%)がそのほかの年代に比べて高くなりました。スマホで投資が始められたり、少額から投資が始められたり、買い物のおつりを積み立てて自動で投資をしてくれたりといったサービスによって気軽に投資を始められるようにすることで、若い人の投資意欲を増すことができる可能性がうかがえました。

さらに、投資意向別にみると、デビュー意向層で最も「投資意欲が増す」割合が高くなったのは、【少額で投資】で73.8%、デビュー不確定層も【少額で投資】が最も高く48.2%、無関心層では【買い物のおつりで投資】が最も高く20.2%となりました。投資を始めたいと思っていたり、始めるのを迷っていたりする人には、1万円未満から投資を可能にするサービスが、投資に関心がない人には少額かつ自動で行える投資サービスが、投資デビューに向けた後押しになりやすいようです。

 

◆ビジネスパーソンが影響を受けた著名投資家1位は「バフェット」で17%、2位は「ソロス」で9%

◆株式投資経験のあるビジネスパーソンの半数以上が「株主総会に出席したい」

◆株主総会に出席したい理由は「総会のお土産」が63%でダントツ

 

投資家について記された書籍やニュース記事を読んで、投資に興味を持った人も多いかもしれません。

そこで、投資デビュー済層と投資デビュー意向層(482名)に、影響を受けた著名投資家を聞いたところ、1位は「ウォーレン・バフェット」(17.2%)、2位は「ジョージ・ソロス」(8.5%)、3位は「ジム・ロジャーズ」(5.6%)となりました。いずれも世界三大投資家と称される三氏ですが、優良な企業をみつけて長期に投資する手法で知られるバフェット氏が1位となりました。バフェット氏の投資手法や投資哲学に感銘を受けて投資に興味を持った人も多いのかもしれません。

 

また、6月は株主総会シーズンとなりますが、ビジネスパーソンは株主総会にどの程度関心を寄せているのでしょうか。

株式投資の経験がある人(247名)に、株主総会に出席してみたいと思うか聞いたところ、「出席してみたいと思う」が57.5%となりました。半数以上の兼業投資家が株主総会に興味を抱いているようです。

 

さらに、株主総会に出席したいと思う人(142名)に、株主総会に出席したいと思う理由について聞いたところ、「総会のお土産をもらいたいから」が62.7%で最も高く、次いで、「今後の投資の判断材料にしたいから」が43.0%、「株主向けイベントや展示が楽しみだから」が33.8%、「経営方針や事業内容を詳しく知れる機会だから」が25.4%、「経営者の顔がみえ、声を聞ける機会だから」が23.9%で続きました。株主総会のお土産や株主総会で行われている株主向けイベントなどが参加動機になっている人も多いようですが、今後の投資の判断材料にするための機会として、また、会社や経営者のことをより深く知るための機会として利用したい、との思いがうかがえました。


■■調査概要■■

◆調査タイトル:ビジネスパーソンの「マネ活」に関する調査

◆調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする全国の20歳~59歳のビジネスパーソン(アルバイト・パートを除く就業男女)

◆調査期間:2017年5月23日~5月24日

◆調査方法:インターネット調査

◆調査地域:全国

◆有効回答数:1,000サンプル(有効回答から男女×20代・30代・40代・50代が均等になるように抽出)

◆実施機関:ネットエイジア株式会社  

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