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報道関係者各位
プレスリリース

2016.11.01 15:00
アクツ津波シェルター開発プロジェクト

アクツ津波シェルター開発プロジェクト(所在地:埼玉県さいたま市、代表:阿久津 一郎)は、このたび、津波発生時の緊急避難用装置「アクツ津波シェルター」を開発し、日本大学理工学部 精密機械工学科・構造力学研究室との共同研究のもと安全実証実験を実施しました。「アクツ津波シェルター」は、2014年に特許を取得した「緊急避難用装置」(特許登録番号:5274699号)を活用し開発されたものです。今後の展望としては、今回の実験による安全性能の証明を受け、「南海トラフ地震をはじめとする大災害への津波対策」の具体的なソリューションとして、「アクツ津波シェルター」を日本全国の沿岸地域への普及を目指し、同製品の実用化や同特許購入に関心のある企業様との連携を深めて参ります。

アクツ津波シェルター 設置想定イメージ
アクツ津波シェルター 設置想定イメージ

2011年3月11日の東日本大震災以降、2016になり4月に熊本地震、今月10月には鳥取で震度6弱の大地震に見舞われ、日本全土で地震活動が活発なっております。地震学者の中には、南海トラフでの巨大地震が近づくと、数十年前には近畿から西日本にかけて地震が多くなる過去の歴史データを根拠に、見方によっては今回の鳥取地震が南海トラフ巨大地震につながる可能性があると危惧する地震学者もいる模様です。地震活動活性化の背景をもとに、現在自治体を中心に津波シェルターの導入が増加しております。


■アクツ津波シェルター
<概要>
「アクツ津波シェルター」とは、災害などの緊急時に、人身や貴重な財産を避難させることができ、また津波到来時には浮遊して、人命的被害、物的被害を最小限に留めるための緊急避難用装置(防災カプセル)です。

アクツ津波シェルター公式ホームページ
http://akutsunami-shelter.com

<開発に懸けた代表・阿久津の想い>
2011年3月11日、巨大な津波が東北海岸沿いの街を一瞬で飲み込み、船が民家に乗り上げてしまった光景を見て、衝撃を受けました。「波の、ヒトやモノを飲み込んでさらっていく力は恐ろしい」と。その衝撃は同時に私を、「すぐに避難でき、流されても最後には元の安全な場所に戻れるような装置」の開発へと駆り立てました。その独創性から特許を取得したこの「アクツ津波シェルター」は、流されても元に戻る、あなたを守る「最後の砦」となるでしょう。この「アクツ津波シェルター」が、日本だけでなく、全世界で使われ、一人でも多くの方の生命・財産が守られるよう、普及に尽力いたします。

<「アクツ津波シェルター」3つの特徴>
(1) 大人数収容が可能な、自治体・企業向け津波シェルター
これまで開発されてきた津波シェルターは家庭用で3~4名のみを収容することが可能な球体タイプの個人・家庭向けシェルターが多いですが、「アクツ津波シェルター」は10名以上の人を収容することを想定して開発された津波シェルターです。そのため、沿岸地域の自治体や学校・病院、企業など一度に大人数を収容する必要がある団体に最適な津波シェルターとなっております。

また、当社が独自に行った東日本大震災現場ヒアリング調査の中で、実際に津波シェルターへ乗り込んだ被災者とのお話によると、一人乗りのシェルターでは「津波が押し寄せ(シェルターへ)逃げ込んだが、閉所に一人孤独で数時間滞在していることの恐怖が忘れられない。二度と(シェルターへ)乗りたくない」といったお声をいただきました。「アクツ津波シェルター」ではその点を考慮し、シェルター内の滞在に対する恐怖感を和らげるよう、大人数が収容可能なシェルターを製造いたしました。

(2) 流されても元の場所に戻る
従来の球体型シェルターでは津波が押し寄せた結果、シェルター設置場所から遠く離れた場所(海上など)までシェルターが流されてしまうことの恐怖や、それゆえ救命時にシェルターを発見するまでに時間が掛かる点が懸念されておりました。それに対し、「アクツ津波シェルター」はシェルターが支柱に貫かれており、水位に応じて上下動して水に浮かびます。さらに、より高い支柱にワイヤ接続されており、大きな津波が来た際に流されても、元の安全な場所に戻ることができます。

(3) 平時にも有効活用可能
津波シェルターは、津波や洪水などの大水害から命を守る言わば「ノアの方舟」です。ただし、そのような大水害に見舞われることは極めて稀なため、多くの沿岸地域の自治体や企業が津波シェルターを被害対策の一助として導入するケースはまだまだ一握りです。
「アクツ津波シェルター」は、シェルター内は広く、椅子や机等を置くことも可能ですので、有事における避難シェルターとしての役割だけでなく、自治体・企業のお客様は倉庫・会議室として利用するなど、従来の津波シェルターに比べ「平時における有効活用」を重視した津波シェルターです。
また、災害が訪れるのは一瞬の出来事であり、平時からシェルターを活用していれば、この上ない防災対策となります。

※「アクツ津波シェルター」の製品紹介動画はこちら
https://youtu.be/sM_AyaqEaJA

<「アクツ津波シェルター」に対して想定される課題>
「アクツ津波シェルター」は、大震災における津波被害を想定した緊急避難用シェルターであり、自力での避難が不可能な人々の命を守る「最後の砦」です。そのため、当シェルターが人命を守ることができる安全性、特に十分な耐久性を有しているか検証すべく、日本大学理工学部 精密機械工学科(千葉県船橋市)との共同実験によって、「アクツ津波シェルター」の安全性を証明しました。


■安全実証実験(2016年7月から2ヶ月間に渡り実施)
<実験の目的>
「アクツ津波シェルター」の安全性を証明するためには、以下二点について証明する必要があります。
1. 津波や水害の際に負荷される水圧に耐えられること
2. 漂流物の衝突に対して十分な耐久性を有していること
日本大学理工学部 精密機械工学科・構造力学研究室との共同実験では、上記の安全性を証明するために「静的負荷試験」と「衝撃荷重負荷試験」の二つの大がかりな実験を実施しました。

※同実験の試験体として、直径5m・厚さ1cmのFRP素材で構成される「アクツ津波シェルター」(収容想定人数15~20名)の一部を利用

<実施した実験について>
(1) 静的負荷試験
「静的負荷試験」は水害時の水圧負荷について耐久性を証明するための実験です。
同実験では、想定される水圧負荷よりも厳しい条件下でシェルターの耐久性を証明すべく、部分試験体頂部に最高800kgの土嚢を載せて鉛直方向の負荷を与えました。(下図参照)
この実験の結果、同シェルター部分試験体では800kgの負荷に耐え、災害時に想定される水圧等に対して、圧潰等、構造自体の崩壊を起こさないことを証明しました。(シェルター全体では4,000kgの負荷に耐えられることを意味しています)
https://www.atpress.ne.jp/releases/115463/img_115463_6.jpg

(2) 衝撃荷重負荷試験
「衝撃荷重負荷試験」は水害時の漂流物が同シェルターに衝突する場合を想定した際の耐久性を証明するための実験です。

日本の沿岸地域における津波の到達速度を計算した結果、水深0m・波高10mとすると時速35kmとなります。そのため同実験では、津波の時速35kmで実際に衝突が想定される漂流物よりも厳しい条件下でシェルターの衝撃耐久性を証明すべく、試験体に100kgの鉄柱を高さ4.82mから自由落下させました。(下図参照)
津波到達速度と同等の時速35kmで100kgの鉄柱を4.73KJの衝撃エネルギーで衝突させた実験の結果、シェルターに鉄柱が衝突した瞬間、鉄柱が大きくバウンドし明瞭な傷や亀裂は生じず、衝撃に対する耐久性があることを証明しました。
https://www.atpress.ne.jp/releases/115463/img_115463_7.jpg

<実験の結論>
日本大学理工学部 精密機械工学科・構造力学研究室との共同実験から、「アクツ津波シェルター」に対して以下の安全性を検証することができました。
1. 静的負荷試験により、「アクツ津波シェルター」が水害時に負荷される水圧に対して基本的な構造耐力を有していることを証明
2. 衝撃荷重負荷試験により、「アクツ津波シェルター」が津波等で生ずる漂流物の衝突に対して十分な耐力を有していることを証明
(※実施した実験について、より詳しくお話を伺いたい方は別途ご連絡ください)


■今後の展望
<今後の展望について>
「緊急避難用装置」(特許登録番号:5274699号)の特許を活用し、製品化された「アクツ津波シェルター」の安全性が日本大学理工学部 精密機械工学科との共同研究によって証明されたことで、今後は「南海トラフ地震をはじめとする大災害への津波対策」の具体的なソリューションとして「アクツ津波シェルター」を日本全国の沿岸地域へ普及させることを目指します。

また国内で販売実績を築いた後は、より大きな市場を求め、海外展開します。海外に販路を持つメーカーや商社と連携し、タイ、インドネシアなど洪水や津波が頻繁に起こる地域への普及を目指します。(※緊急避難装置(特許登録番号:5274699号)は日本・アメリカ両国で特許を取得済みです)
「アクツ津波シェルター」の普及に向け、今後は「実用化」、「特許権利売却」に興味をお持ちいただける企業様と連携し進めて参ります。

<実用化>
「アクツ津波シェルター」は、「大人数収容」でき、かつ「安全性が検証されている」数少ない津波シェルターとして、日本全国の沿岸地域における企業・自治体・学校・病院などで幅広い利用価値を有しています。
(1) 企業への導入
大規模な津波は、オフィスビルごと飲み込む危険があり、津波対策が必要です。株式会社旭食品が津波シェルターを発注したように、津波シェルターは少しずつ企業様の間で普及しています。平常時には、倉庫・会議室としてご利用可能です。

(2) 学校・保育所への導入
避難所としてしばしば利用される学校こそ、万全の津波対策を行う必要があります。2012年には、浜松市の保育園で津波シェルターが導入されています。校庭などに設置して、すぐに避難いただけます。

(3) 病院・福祉施設への導入
体の不自由な方、体の弱い方などは、津波襲来時に近隣の避難所まで迅速に避難することは困難です。当シェルターを近くに設置して頂ければ、すぐに乗りこんで避難いただけます。スロープや手すりなどバリアフリー設備の搭載が可能です。

<特許売却>
当社では、更なる大震災・水害が日本全土を襲う前に、各地への津波シェルター普及に向け実用化・導入に努めておりますが、同時に「アクツ津波シェルター」に関連する特許の売却可能性も併せて模索しております。

そこで、「アクツ津波シェルター」の特許を購入し、社内で津波シェルター事業を新たに立ち上げたいメーカー・商社企業様や自社製品の津波シェルターを改良すべく当該特許を有効活用したいとお考えの津波シェルターメーカー企業様などに対し、「緊急避難用装置」(特許登録番号:5274699号)の特許権売却を検討しております。

※「アクツ津波シェルター」は、災害時の旧避難用装置としてご利用いただくことを目的に開発しました。そのため、災害時に携帯電話がつながらず救助を呼ぶことが叶わない場合を想定し、「アクツ津波シェルター」は「緊急避難通知システム(シェルターの現在地を関係各所へ通知し、無線で連絡が取れる)」(特許登録番号:5486722号、5636518号)の搭載が可能です。通知システムの搭載により、万が一「アクツ津波シェルター」が海上へ流された場合も、迅速に救助を呼ぶことが可能です。特許売却の際は併せてご活用いただくことを推奨します。

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