GfK Japan調べ:IT製品販売への消費増税の影響

 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:藤林 義晃)は、IT製品(※)の家電量販店における消費増税前後の販売動向を発表した。

図1 IT製品 金額前年比
図1 IT製品 金額前年比

【概要】
・IT製品への駆け込み需要は年初から高まり、ピークの3月は金額ベースで前年から約8割増
・Windows XP(以下 XP)のサポート終了が追い風となり、パソコンを中心に4月もプラス成長を維持


【年初から駆け込み需要は表面化、ピークの3月の金額規模は前年同月の約2倍】
 IT製品における駆け込み需要は年明け以降顕在化した。金額前年比は13年末から徐々に上向き、1~2月は約2割増、3月は約8割増と高い伸びを見せた(図1)。大型白物家電では、単価、住み替え、設置等などの要因により、早い時期から駆け込み需要がみられたが、IT製品の駆け込み需要は増税直前の3月に集中した。

図1:IT製品 金額前年比
http://www.atpress.ne.jp/releases/48323/img_48323_1.gif


【増税後の4月もXPサポート終了を追い風にプラス成長】
 増税後の4月は多くの家電製品では駆け込み需要の反動により金額前年比がマイナスに転じたが、IT製品は1割増とプラス成長を維持した。プラス成長の中心にあったのは4月9日にXPのサポート終了を迎えたパソコンで、4月の金額前年比は3割増となった。特にサポート終了週(4月7日~13日)は同6割増と前年同週を大きく上回った。サポート終了日が迫るにつれ、XPを期限後に使用を続けることの問題点が大きく報道されるようになった。もちろん、ソフトや周辺機器の互換性を理由にXPを使用し続けるユーザーはいるものの、買い替えのタイミングを逃していた、または、その必要性を感じずXPを使用し続けていたユーザーにとっては、これが買い替えのきっかけとなったと推測される。また、XPのサポート終了は、パソコンと同時に購入されることが多い製品の販売にも波及した。4月の金額前年比はPC用セキュリティーソフトで2割増、マウス・キーボードなど多くの周辺機器でも前年を上回った(図2)。
 IT製品の販売金額は5月には前年並み、6月4週間(2~29日)は前年比1割減と落ち着いてきている。増税が決定した13年10月から14年5月までの期間計では、金額前年比は約2割増。増税に加え、XPのサポート終了が市場を押し上げた形だ。一方、年後半以降は買い替えを喚起する材料に乏しく厳しい状況が予想される。ただ、今回のパソコンを中心とするIT製品の需要増は、タブレットやスマートフォンへのシフトにより需要減が懸念されるパソコンが、家庭において依然高いニーズがあることを示しており、長期的には安定した買い替えが見込まれる。

図2:パソコン、ソフト、マウス金額前年比
http://www.atpress.ne.jp/releases/48323/img_48323_2.gif


(※)IT製品に含まれるカテゴリー…PC、タブレット、パソコン用ソフト、マウス、HDD、プリンター、ルーター、スキャナー、キーボード、USBメモリ等


≪GfK Japanのデータについて≫
 全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
 また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集している。


※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。


■ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社
URL: https://www.gfk.com/jp

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