観世宗家相伝の書を、家元が自ら繙く 『【新訳】風姿花伝』を発売

    六百年の歳月を超えて伝えられる極上の芸術論・人生論

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    2013年12月2日 13:30

    株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 清水卓智)は、2013年12月13日(金)、世阿弥著・二十六世観世流宗家 観世清和編訳『【新版】風姿花伝』を発売いたします。

    観世清和編訳『【新訳】風姿花伝』


    ■『風姿花伝』は、観世家相伝の書
    世阿弥の能楽論『風姿花伝』は、そこに記された「初心忘るべからず」「秘すれば花」といった言葉とともに、生きる上でも大切にした言葉として、時代を超えて多くの人の心に響いています。
    そんな『風姿花伝』ですが、もともとは世間一般に向けたものではありませんでした。家を継ぐ者に、稽古や演技、興行の要諦や芸道の奥義を伝えるための観世家の相伝の書として執筆されたものなのです。
    二十六世観世流宗家 観世清和氏は本書の中で、観世家に保管されている世阿弥の自筆本「第六花修」(風姿花伝のなかの一章。演技の心得、興行の成否ついて書かれている)についてこう語っています。

    「ある日、先代家元である父に呼ばれました。何事だろうと座敷に伺うと、父はいつになく緊張した面持ちで端座し、その傍らには黄色い風呂敷包みがありました。挨拶もそこそこに、『清和、ここには我が家にとって何物にも代えられない大事な物が入っている。万一大きな災害などに遭った時は、お前はこれだけを抱えて生き延びなければいけない。家族などはどうでもよい。分かったか?』」(「はじめに」より抜粋) 


    ■家元自らが、わかりやすく語りかける
    本書は、 そんな『風姿花伝』を観阿弥・世阿弥の嫡流観世宗家 観世清和氏が訳したものです。わかりやすく、語りかけるような訳文は、『風姿花伝』の真髄を読者に実感させてくれることでしょう。
    さらに、訳文のみならずエピソード豊富な解説も掲載されています。能に精通している方には世阿弥を身近に感じられる一冊として、また、能をまだよく知らない方にも日本文化の入門書となる読み物となっています。


    【主な内容】
    一 芸道が目指すもの (窮め窮めては、諸道ことごとく寿福延長ならんとなり 他)
    二 道のため、家のため (心より心に伝る花なれば、風姿花伝と名付く 他)
    三 勝つための秘策 (上手は下手の手本、下手は上手の手本なりと 他)
    四 一座の棟梁として (能の本を書くこと、この道の命なり 他)
    五 いかに成長するか (心中には願力を起こして、一期の堺ここなりと 他)
    六 心の世界に (ただ老木に花の咲かんがごとし 他)
    七 初心を見続ける (ただかへすがへす、初心忘るべからず 他)
    八 花は観客の心にこそ (秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず 他)


    【プロフィール】
    観世清和 かんぜ・きよかず
    1959年、東京生まれ。流祖・観阿弥清次、二世・世阿弥元清、三世・音阿弥元重から約700年の伝統を誇る二十六世観世宗家。二十五世・観世左近の長男。4歳のとき『鞍馬天狗』の花見で初舞台、10歳で初シテをつとめ、1990年に父・左近の急逝にともない31歳で家元を継承。日本国内だけでなく、フランス・インド・中国・アメリカなど海外公演にも力を注ぐ。1995年度芸術選奨文部大臣新人賞、2012年度芸術選奨文部科学大臣賞、2013年第33回伝統文化ポーラ大賞を受賞。重要無形文化財総合指定保持者。


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    定価:本体950円(税別)
    新書判並製/200ページ
    ISBN978-4-569-80340-1

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