タイ富裕層「第2の家」に商機 Ayasan、カオヤイ・フアヒンへ進出

    「タイの軽井沢」で170億バーツ級開発も 外国人リタイア層の生活支援まで取り込む

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    2026年9月25日 10:00

    東南アジアでホームサービス事業を展開するAyasan Holdings(横浜: https://ayasan.jp/ja )は、アジアのリゾート都市への投資を加速する。すでに事業を展開するプーケット、パタヤ、チェンマイで需要が伸びていることを受け、2026年10月からタイのフアヒンとカオヤイへ進出する。インドネシア・バリ島への展開も計画する。

    新たな重点市場の一つが、バンコクから車で約2~3時間のカオヤイだ。国立公園周辺に豊かな自然が広がり、バンコクの富裕層が週末を過ごす「第2の家」の集積地として存在感を高めている。日本でいえば軽井沢に近いポジションだ。

    市場では大型の高級住宅開発も相次ぐ。タイ政府住宅銀行傘下の不動産情報センター(REIC)が紹介した市場情報によると、カオヤイでは226ライ(約36万平方メートル)の敷地を使った総事業費170億バーツ規模の高級複合開発が進められている。別の高級ヴィラ開発では24戸で総事業費16億バーツ、販売価格は1戸2800万~1億5900万バーツ。47戸のプールヴィラ開発でも1590万~3200万バーツと、数千万バーツ級の「第2の家」が市場を形成している。

    交通インフラへの期待も大きい。REICが紹介するカオヤイの不動産市場情報では、バンコク方面と東北部を結ぶ高速道路の開通を見据え、一部の別荘地で1平方ワー当たり3万4000~4万バーツだった販売価格を6万バーツに引き上げる計画も報告された。観光地だったカオヤイは、富裕層が住宅資産を保有するセカンドホーム市場へと性格を変えつつある。

    Ayasanはこの変化を商機とみる。カオヤイでは清掃に加え、庭の手入れ、住宅の定期点検、メンテナンス、オーナー到着前の準備などを組み合わせた別荘管理サービスを展開する計画だ。所有者が普段バンコクなどで生活していても、「第2の家」を継続的に管理できる体制を構築する。

    一方、フアヒンでは別荘管理に加え、介護・シニア向けサービスを重点事業とする。フアヒンはビーチリゾートであると同時に、欧米などからの外国人リタイア層が長期滞在する街として独自の市場を形成している。

    2025年にHua Hin TodayとBe Well Medical Centerがアサンプション大学の研究者らの協力を得て実施した調査では、年間6カ月以上フアヒンで暮らす55歳以上の外国人512人から回答を得た。回答者は76カ国に及び、中心は西欧と北米。平均でタイに12.5年間居住し、約3分の1はフアヒンで10年以上生活していた。移住理由として、落ち着いた環境、ビーチ、比較的低い生活コスト、気候、バンコクへのアクセスなどが挙げられている。

    Ayasanがすでに進出しているチェンマイも、同様に外国人の長期滞在・リタイア需要を取り込む都市だ。2025年の公的データを引用した報道では、チェンマイ県の登録外国人居住者は約16万1000人。生活コストに加え、英語対応の民間医療機関や外国人コミュニティーなどの生活基盤が、リタイア後の移住先としての競争力につながっている。

    タイのリゾート不動産全体でも外国人の存在感は増している。CBRE Thailandによると、外国人買い手はタイ国内の不動産取引額の25%を占め、リゾート地域では35%まで高まる。住宅の用途も投資だけでなく、移住、長期滞在、家族利用、リタイアメント、資産保全などへ多様化している。

    Ayasanはプーケット、パタヤ、チェンマイにフアヒン、カオヤイを加え、将来的にはバリ島にも展開する。観光客向けのサービス企業から、「別荘」「長期滞在」「リタイアメント」を支える生活インフラ企業へと事業領域を広げる考えだ。

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