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報道関係者各位
プレスリリース

2014.06.19 12:00
株式会社オールアバウト

株式会社オールアバウト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:江幡 哲也)が運営する「生活トレンド研究所」は、2014年第10弾のレポートとして「夏太り」に関するアンケート調査を実施しました。

グラフ1
グラフ1

2008年4月から生活習慣病の原因の一つでもある「メタボリックシンドローム」の健診、保健指導の実施が義務化されましたが、2012年に厚生労働省が発表した「国民健康・栄養調査」によると、2010年の20~60歳男性の肥満者の割合は31.2%と前年の横ばい、40~60歳女性の肥満者の割合は22.2%と前年より微増していました。「生活トレンド研究所」では、昨年、「夏太り」に関する調査を実施しましたが、その内容を踏まえ、さらに今回は“夏太り”の原因や対策について調べました。
調査期間は2014年6月2日(月)~2014年6月3日(火)、首都圏(1都3県)在住でフルタイム勤務の20~59歳男女計877名から有効回答を得ました。

■「生活トレンド研究所」のURL: http://allabout.co.jp/trend_lab/


【調査結果サマリー】
1) “夏やせ”は昔の話?昨年の夏、4人に1人が「体重が増えた」
  原因は夏特有の食生活からくる「栄養失調」にあった!
<専門家(「食事ダイエット」ガイド/管理栄養士:浅尾 貴子氏)コメント>
夏は食欲が落ちることを言い訳に、“炭水化物単品食べ”をしてしまいがち。“炭水化物単品食べ”が続くと摂取したエネルギーを活用できず、身体がだるくなったり、体脂肪や体重が増えてしまうという”栄養失調太り”になってしまいやすくなります。

2) 夏の“栄養失調太り”はメタボへの第一歩!?
  昨年の夏太った人の89.6%が「年々体重が増加傾向にある」と回答
<専門家(同上)コメント>
夏の栄養失調太りは、太るほどの量は食べていないにも関わらず体重が増えてしまうことから、自覚がないままに体重が増えている可能性があります。

3) 夏の“栄養失調太り”は、身体の不調にもつながる!?
 “栄養失調太り”の疑いがある人のうち、61.5%が夏の間不調を感じている
<専門家(同上)コメント>
暑くてもおかずや野菜類をきちんと揃えた食事をしている人は、太りにくく、カラダの不調も感じにくいはずです。食べ物は相互に助け合ってその栄養素が使われているので、偏った食事がいけないと言われるのは、それぞれの効果を発揮できないためです。

4) “夏の栄養失調太り”防止のコツは、
  「単品食べ」に納豆や卵の「ちょい足し」
<専門家(同上)コメント>
食生活の面では、炭水化物の単品食べを避けて、なるべくおかずや野菜を食べること。例えばランチをコンビニのおにぎりやそうめんだけを食べるのではなく、納豆など大豆製品、卵、魚系の缶詰をプラスするだけでも違います。


1) “夏やせ”は昔の話?昨年の夏、4人に1人が「体重が増えた」
  原因は夏特有の食生活からくる「栄養失調」にあった!

首都圏在住の20~59歳でフルタイム勤務の男女877名に、昨夏の体重の変化を聞いたところ、25.1%が「増加した」(「増加した」、「やや増加した」合計)と回答。「減少した」(「減少した」、「やや減少した」合計)人と比べると、8.7ポイントも高いことがわかりました(グラフ1)。また、例年の夏についても、「増加した」(同)人は21.4%と、「減少した」(同)人よりも7.3ポイント多い結果となりました(グラフ2)。
一般的に、気温が高くなる夏は食欲が低下するといった“夏バテ”の影響で体重が減少する、いわゆる「夏やせ」してしまうと思われがちですが、実際に体重の増減を見ると、「増加した」、つまり「夏太り」している人のほうが多い、ということが明らかになりました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/47698/img_47698_1.gif (グラフ1)
http://www.atpress.ne.jp/releases/47698/img_47698_2.gif (グラフ2)

さらに、「夏の食生活の傾向」について、昨年の夏太った人と、体重が変わっていない/やせた人とに分けて見てみると、「サンドイッチや菓子パンなどパン類を食べることが多い」(差:13.1ポイント)、「そうめんや冷麺など、麺類を食べることが多い」(差11.0ポイント)、「アイス屋かき氷、ゼリーなどを食べることが多い」(差:7.8ポイント)といった項目で大きな差が見られました(表1)。

表1:夏の食生活
http://www.atpress.ne.jp/releases/47698/img_47698_6.gif
※「その他」、「当てはまるものはない」は省略

また、夏の平日に摂る昼食では、「コンビニで購入(おにぎり)」(差:14.0ポイント)、「コンビニで購入(パン類)」(8.6ポイント)、「外食(温かい麺類)」(差:8.3ポイント)、「外食(冷たい麺類)」(差:8.1ポイント)といった、“炭水化物”の項目で大きな差が見られました(表2)。

表2:夏の平日に摂る昼食
http://www.atpress.ne.jp/releases/47698/img_47698_7.gif
※「その他」、「当てはまるものはない」は省略

これらの結果に対し、All About「食事ダイエット」ガイドの浅尾 貴子氏は、「夏は食欲が落ちることを言い訳に、麺類、サンドイッチや菓子パン、おにぎりなどといった“炭水化物単品食べ”をしてしまいがちです。炭水化物や脂質をエネルギーとして使い切るにはビタミンB群が必要になるため、“炭水化物単品食べ”が続くと簡単に栄養失調の状態に陥ってしまいます。カロリーとは、『量』を示す単位であり、栄養素(『質』)とは無関係なので、たくさん食べているように見えても栄養失調になってしまう、ということが起こります。それにより、結果的に摂取したエネルギーを活用できず、身体がだるくなったり、体脂肪や体重が増えてしまうという“栄養失調太り”になってしまいやすくなります」と解説しています。


2) 夏の“栄養失調太り”はメタボへの第一歩!?
  昨年の夏太った人の89.6%が「年々体重が増加傾向にある」と回答

成人以降の体重変化について、昨夏太った人とそうでない人を比べたところ、昨夏太った人のうち89.6%が、年々体重が「増加している」(「増加している」、「やや増加傾向である」合計)と回答しており、そうでない人よりも41.1ポイントと倍程度差がありました(グラフ3)。
浅尾氏が、「夏の栄養失調太りは、太るほどの量は食べていないにも関わらず体重が増えてしまうことから、自覚がないままに体重が増えている可能性があります」とコメントしていることから、夏に体重が増え、加えて年末年始の暴飲暴食などで“お正月太り”になってしまうと、意識して食事のバランスを整えたり、運動を習慣づけたりしない限り、年々体重は増加傾向になってしまい、やがてメタボリックシンドロームのリスクが高くなることが推察されます。
さらに浅尾氏は、「年齢とともに代謝が落ちるのに食べる量が増えると体脂肪は増えてしまいます。また、睡眠時間や食事時間を中心とした生活時間が不規則になってしまうことで、体脂肪が増えやすくなるということも分かりつつあります」と述べていることから、猛暑による睡眠不足などからくる夏特有の不規則な生活も、体重増加の一因として挙げられます。
http://www.atpress.ne.jp/releases/47698/img_47698_3.gif (グラフ3)


3) 夏の“栄養失調太り”は、身体の不調にもつながる!?
  “栄養失調太り”の疑いがある人のうち、61.5%が夏に不調を感じている

昨年の夏太った人のうち、“栄養失調太り”の疑いがある人(夏の食生活で「サンドイッチや菓子パンなどパン類を食べることが多い」か「そうめんや冷麺など、麺類を食べることが多い」を選択した人)を抽出し、夏の間に不調を感じたかどうかを聞いたところ、61.5%が「感じた(「不調を感じた」、「やや不調を感じた」合計)」と回答。“栄養失調太り”の疑いがある人とそうでない人の差は23.8ポイントでした(グラフ4)。
http://www.atpress.ne.jp/releases/47698/img_47698_4.gif (グラフ4)

さらに、具体的に感じた症状について、“栄養失調太り”の疑いがある人と夏太りしていない人を比較したところ、「食欲不振」、「寝つきの悪さ」、「睡眠が浅い/熟睡感がない」、「やる気がでない」、「肩こり」、「むくみ」といった症状において差がありました(グラフ5)。
http://www.atpress.ne.jp/releases/47698/img_47698_5.gif (グラフ5)

この結果に対し、浅尾氏は次のようにコメントしています。
「食べ物として摂った炭水化物、たんぱく質、脂質を上手に使いきるために、必要不可欠な栄養素があります。例えば、糖質の代謝促進や肩こり防止にはビタミンB1、脂質の代謝や肌の調子を整えるにはビタミンB2、むくみにはカリウム、といった具合です。
そう考えると、暑くてもおかずや野菜類をきちんと揃えた食事をしている人は、太りにくく、カラダの不調も感じにくいはずです。食べ物は相互に助け合ってその栄養素が使われているので、偏った食事がいけないと言われるのは、それぞれの効果を発揮できないためです。
健康維持やダイエットのために、日々の食事に気をつけるのは夏も同じことです。気温の高いことを言い訳に、好きなものばかり食べないように気をつけていただきたいですね」


4) “夏の栄養失調太り”防止のコツは、
  「単品食べ」に納豆や卵の「ちょい足し」
  単なる体重増加との違いを見極めるポイントは3点

夏の体の不調や、将来的にメタボになる危険性もある“夏の栄養失調”は、きちんと食べているつもりでも、栄養のバランスが取れていないため起こります。これを防ぐ方法として浅尾氏は、「食生活の面では、炭水化物の単品食べを避けて、なるべくおかずや野菜を食べること。例えばランチをコンビニのおにぎりやそうめんだけを食べるのではなく、納豆など大豆製品、卵、魚系の缶詰をプラスするだけでも違います。あとは3食の食事時間をできるだけ一定にとること。日照時間が長かったり、暑かったりすると食事内容も時間も不規則になりがちです。食生活を含めた生活時間の乱れはメタボなど生活習慣病の原因になりますので、要注意です」と述べています。
また、自身の体重増加の原因として“夏の栄養失調太り”の可能性があるかどうかを見極められるよう、「生活トレンド研究所」では、浅尾氏監修のもと、“夏の栄養失調太りチェックリスト”をご用意しました。

【“夏の栄養失調太り”チェックリスト】
以下の3項目のうち、1つでも当てはまると”夏の栄養失調太り”になる可能性があります。
□ 夏は食欲がないので、冷たい麺やサンドイッチなどを食べる機会が増える
□ 夏は生活時間が不規則になったり、暑さで熟睡できないことが多い
□ 社会人になってから1年に1kg程度の体重が増えている


■調査監修者プロフィール
「食事ダイエット」ガイド 浅尾 貴子(あさお たかこ)
管理栄養士歴19年。食べ物のカロリーや栄養バランスに関するアドバイス、美容や健康のアドバイザーや女性誌やコラムの執筆業として活躍中。「栄養学の基本知識を大切にした上で、ダイエッター個人のライフスタイルにあわせた、より実現可能なアドバイスを行う」が信条。


■調査概要(調査方法:インターネット調査)
・調査期間:2014年6月2日(月)~6月3日(火)
・調査対象:首都圏(東京、埼玉、神奈川、千葉)在住の
      フルタイムで働く20~59歳男性
      (ジャストシステム「ファストアスク」リサーチ会員) 計877名
・割付  :男性 20代 113名、30代 113名、40代 111名、50代 112名
      女性 20代 113名、30代 114名、40代 111名、50代 111名


■「生活トレンド研究所」について http://allabout.co.jp/trend_lab/
「生活者のトレンドと未来をひも解くマーケティング・チャネル」であることをミッションに掲げ、総合情報サイト「All About」で活躍する住宅、マネー、健康、グルメ、一般消費財等、様々な領域における専門家(=ガイド)が研究員となって、企業と生活者がより良い関係性を構築するための調査、市場分析を行なっていきます。その分野における高い専門性はもちろんのこと、生活者・実務家としての考えや想いも兼ね備えた「All Aboutガイド」ならではの分析・考察を重ねることで、表面的な定量データでは捉えられない新たな潮流や課題を浮き彫りにしていきます。

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